▼本日は、ペース判断について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・まず、ペース判断の基準タイムは、1000m通過のタイムが60秒で平均ペース。これより速ければハイペース、遅ければスローペースとなる
・ただ、1000mの通過タイムは、馬場状態によって大きく変化するので、タイムだけでは判断できない
・レースのラップタイムを半分に分けて、前半が速ければハイペース(前傾ラップ)、後半が速ければスローペース(後傾ラップ)となる
・脚質的には、スローペースなら逃げ馬・先行馬有利。ハイペースなら差し馬・追い込み馬有利となりやすい
・ペース予想は、逃げ馬の数で考えていくと分かりやすい
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競馬のレースには、「ペース」というものが存在しています。
ペースというのは、そのレースの流れが速いのか、それとも遅いのかという目安ですね。
ペースは大きく分けて、スローペース・ミドルペース・ハイペースに分類されます。
▼競馬では、ペースによってレース結果が大きく変わります。
競馬の結果は、馬の強さで決まると思っている人が多いわけですが、馬の強さと同じくらい大切なのが、ペースと展開です。
同じメンバーでレースを行っても、スローペースとハイペースでは、上位に来る馬が全然違ったりします。
なので、ペースを読んで予想することは、競馬では必須の作業となります。
▼では次に、ペースの考え方について、簡単にまとめてみましょう。
【ペース分類と基準タイム。芝2000mのレースの場合】
スローペース→1000m通過のタイムが60秒以上。逃げ馬・先行馬有利
ミドルペース→1000m通過のタイムが60秒。脚質による有利不利は少ない
ハイペース→1000m通過のタイムが60秒未満。差し馬・追い込み馬有利
はい。
ざっくり簡単にペースを説明すると、上記のようになります。
▼まず、スローペースは、1000m通過のタイムが60秒を超えるケースです。
1000m通過が62秒などのレースは、スローペースとなり、全馬が前半はゆっくり走ることになります。
スローペースは、前半はゆっくり走って、後半に加速するラップ構成となります。これを後傾ラップと言います。
スローペースの場合、全馬が余力残しで走っているので、最後まで順位の入れ替わりが少なく、前に行った馬が有利になります。
そのため、スローペースでは逃げ馬と先行馬が有利になってくるわけですね。
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ペースによる脚質の有利不利
▼ということで、ペース判断について、次の解説をしていきましょう。
先ほどは、スローペースについて解説しました。
次は、ミドルペースについて。
▼ミドルペースとは、平均ペースであり、速くも遅くもないペースです。
極端なペースではないので、脚質的な有利不利はありません。
どの位置にいる馬にもチャンスがあるのがミドルペースですね。
▼ミドルペースの基準は、1000m通過のタイムが60秒です。
2000mのレースで、1000m通過が60秒なら、平均ペースと言えます。
ただこれは、もちろん距離によって変わるので、短距離なら基準タイムはもっと速くなるし、長距離なら基準タイムはもっと遅くなります。
▼では次に、ハイペースについて。
ハイペースとは、レースの前半から各馬が速いスピードで飛ばしていくレースのことです。
前半からスピードを上げて行くので、前半に力を使い果たしてしまい、後半は各馬失速します。
ハイペースは、レース後半で各馬がバテバテになるので、前半で力を温存できる、差し馬と追い込み馬が有利になりやすいです。
▼ハイペースのタイムの基準は、1000m通過のタイムが60秒未満です。
例えば、1000m通過が57秒台というのは、典型的なハイペースになります。
上述した通り、ハイペースでは後方から進める差し馬が有利になります。
▼さてここまで、スローペース・ミドルペース・ハイペースの基礎知識について解説してきました。
「1000m通過60秒」を基準に考えていくと、ペース判断がわかりやすくなると思います。
ただ注意点として、「1000m通過タイムは、馬場状態によって、その意味が大きく変化してしまう」という点が挙げられます。
▼競馬のレースに使われる芝コースは、その時期によって、「高速馬場」や「荒れ馬場」といった感じに変化していきます。
高速馬場では、ゆっくり走っても速いタイムが出てしまうし、荒れ馬場では頑張って走っても遅いタイムしか出ません。
なので、1000mの通過タイムだけを見ても、ペースを正確に判断できないことがあるわけです。
1000mの通過タイムを見る場合は、必ず馬場状態とセットで見ていく必要があるわけですね。
▼▼自分が勝負するレースの馬場状態が、高速馬場なのか、荒れ馬場なのかを判断するには、自分が勝負する「前のレース」をチェックする必要があります。
日曜日の重賞で勝負する人は、土曜日のレースと、日曜日の第10レースまでの馬場状態をチェックする。
これが最も簡単に馬場状態を確認する方法になります。
▼多くの競馬ファンは、「自分が勝負するレース以外は関係ないから見ない」というタイプが多いんですが、これだと勝ち組になるのは難しい。
日曜日の重賞レースしか買わない人でも、土曜日のレースをチェックすることは大切だし、日曜日の午前中のレースをチェックすることも大切なんです。
それによって、「高速馬場か?荒れ馬場か?」「内枠と外枠どっちが有利か?」「先行馬と差し馬どっちが有利か?」ということが判断できるようになるわけです。
▼そして、ペース判断で重要なのは、「基準となるタイムを知っておくこと」です。
「良馬場ならこれくらいでハイペース」とか「荒れ馬場でこのタイムならスローペース」というような基準を、自分の中に持っていないと、どんなにレースを見ても、何も頭に入ってきません。
なので、数多くのレースを見るだけでなく、基準タイムを自分の頭の中に入れておくことが大切です。
▼さてここまでは、オーソドックスに1000m通過のタイムでペースを判断する方法について解説してきました。
ここからは、もっとシンプルに、そして精度が高いペース判断の方法について解説してみたいと思います。
その方法は、「レースのラップタイムを半分に分けて、前半が速ければハイペース、後半が速ければスローペース」と判断する手法です。
▼現在、中央競馬では、すべてのレースの「ラップタイム」が公表されています。
ラップタイムとは、200mごとの通過タイムですね。
「11.4-11.4-12.2」というような感じで表示されます。
▼このラップタイムを、スタートから順番に見ていくと、そのレースのペースがわかります。
簡単に言えば、前半が遅くて、後半が速ければスローペース。
逆に、前半が速くて、後半が遅くなればハイペースとなります。
▼私が、レースのペースを判断する時は、このようにラップタイムから判断することが多いですね。
1000m通過のタイムでもいいんですが、これだと、どういうレースかわかりにくい。
それに対して、ラップタイムを分析すると、そのレースがどういう内容のレースだったか、どんなペースだったかが判断しやすいので、おすすめの手法になります。