▼本日は、調教タイムについて、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・追い切りタイムの基本フォーマットは、「助手-栗東坂路-52.0-38.3-24.7-12.0(一杯に追う)」このような形式
・数字は右から、ラスト1ハロン(200m)、ラスト2ハロン(400m)、ラスト3ハロン(600m)、ラスト4ハロン(800m)のタイムとなる。ラスト1ハロンと、ラスト4ハロンの数字が重要
・調教の強さは、「馬なり→強め→一杯」の順に強い調教となる
・良い調教タイムの目安としては、坂路で53秒台以内、ウッドチップコースで82秒台以内くらい
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競走馬は、レースに出走する前に、必ず「調教」を行います。
調教というのは、レースを想定したトレーニングですね。追い切りとも言います。
追い切りは、レースを想定して行われるので、追い切りを見れば、その段階での馬の調子の良し悪しが見えてきます。
追い切りだけで馬券をプラス収支にしている、調教の専門家もいます。
そこで本日は、競馬の調教と追い切りについて、わかりやすく解説していきたいと思います。
▼まず、追い切りタイムの見方からチェックしていきましょう。
追い切りのタイムとは、下記のようなものです↓
助手-栗東坂路-52.3-38.5-24.4-12.2(一杯に追う)
はい。
競馬新聞などを見ると、上記のような数字が並んでいますね。
これが調教タイムです。
▼まず、一番左の「助手」というのは、その調教をつけた人物です。
助手の場合は、調教助手さんが乗ったということですね。
騎手が調教をつけた場合は、ここに騎手の名前が記載されます。
▼次に、「栗東坂路」というのは、その馬が調教をしたコースですね。
坂路調教は、最もメジャーな調教で、直線の坂道を駆け上がるトレーニングですね。
坂路調教には、栗東坂路と美浦坂路があります。
栗東は関西トレーニングセンターの坂路調教で、美浦は関東トレセンの坂路調教ですね。
栗東と美浦の坂路は、全く同じ物ではなく、傾斜や馬への負荷が違っています。
そのため、栗東と美浦の坂路は、基準タイムも違ってくるので注意が必要です。
▼一般的には、栗東の坂路は、馬に良い負荷がかかると言われています。
栗東の坂路は、キツイ調教なので、馬が強くなりやすいんですね。
これが、「西高東低」と言われる、関西馬の強さにもつながっています。
栗東の坂路は、良いトレーニングを積めるので、関西馬は強くなりやすいんですね。
競馬の年間収支をプラスにするサイトを公開
▼競馬ファンの最終目標である「年間プラス収支」
これを達成するためには、馬券知識を身につけるしかない。
私が、年間プラス収支を達成できたのは、
やっぱり⇒『このユニークなサイト』で学んだからです。
調教タイムの基準と活用方法
▼ということで、調教タイムについて、次の解説をしていきましょう。
先ほどは、坂路調教について解説しました。
この調教コースは、坂路調教だけではありません。
調教コースには、下記のようなものがあります。
・坂路コース
・ウッドチップコース
・芝コース
・ポリトラックコース
はい。
主にこのような種類ですね。
馬の特徴や、状況に応じて、これらの調教コースを使い分けることになります。
▼では次に、調教タイムについて見ていきましょう。
調教タイムとは、例えば、「52.2-38.1-24.9-12.1」というような数字の羅列になります。
一番右は、ラスト1ハロン(200m)のタイム。
その調教の、最後の200mのタイムになります。
この数字が小さければ小さいほど、調教で最後に加速したことになるわけです。
逆に、この数字が大きくなると、最後にバテていたということになります。
▼右から2番目の数字は、ラスト2ハロン(400m)のタイム。
右から3番目の数字は、ラスト3ハロン(600m)のタイムということになります。
坂路調教タイムを見る上で、重要なポイントになるのは、「ラスト1ハロン」と「ラスト4ハロン」のタイムです。
▼ラスト1ハロンの調教タイムは、最後までしっかり伸びているか?バテていないか?をチェックする指標となります。
また、ラスト4ハロンの調教タイムは、坂路調教全体のタイムとなるので、その調教がどれくらいの負荷レベルだったかが分かります。
全体のタイムが速く、ラスト1ハロンも速いのが理想ですね。
その状態の馬は、基本的には絶好調と言えます。
▼坂路調教の基準タイムとしては、「53秒以内」が目安となります。
栗東坂路と美浦坂路で微妙に違いますが、坂路調教では、51秒~52秒くらいなら優秀なタイムと言える。
特に、下級クラスでこれくらいのタイムを出している馬がいたら、かなり能力が高いので、要チェックですね。
▼注意点として、調教タイムの目安は、馬場状態によって大きく左右されるという点です。
調教コースは、雨などの影響を大きく受けます。
実際のレースで、重馬場だとタイムが遅くなるのと同じく、調教コースも雨が降るとタイムが遅くなってしまいます。
なので、「このタイムなら速い・遅い」と一概に言うことはできない。
調教コースの馬場が重い時は、タイムだけを見るのではなく、「他の馬との横比較」をすることが重要になるわけですね。
▼▼また、調教タイムを見る時は、「その馬の縦比較」をすることも重要です。
縦比較とは、その馬の過去の調教状態と比較するという意味ですね。
たとえ調教タイムが速くても、その馬が調教駆けする馬だったら、あまり価値は無いわけです。
その馬は、常に調教タイムが速いわけですから、単純に調教タイムが速いだけでは意味がない。
そこで、調教タイムの縦比較をするわけですね。
▼その馬の過去の調教タイムを見て、「この馬は調教ではあまり速いタイムが出ないが、今回は速いタイムが出ている。狙い目だな」という感じで判断するわけです。
逆に、「この馬は元々調教駆けするタイプなのに、今回の調教タイムは平凡だった。調子を落としている可能性があるな」という判断もできます。
調教タイムを見る時は、単純に調教のタイムが速いとか遅いだけではなく、馬ごとに縦に見ていくことが重要です。
▼それから、調教タイムを見る時は、「レース当週だけでなく、1週前追い切りのタイムも見る」ことが大切です。
ほとんどの競馬ファンは、レース当週の調教タイムをチェックしますが、これだけだと不十分です。
なぜかと言うと、調教というのは1週間だけで決まるものではなく、最後の数週間をかけて調整していくからです。
▼例えば、「1週前追い切りの段階で、ほとんど仕上がっていた」という状況の馬は多いです。
この場合、1週前でほとんど絶好調の状態にあるので、レース当週は強い追い切りは必要ないわけです。
すでに絶好調なのに、レース当週に強い追い切りをしてしまうと、強い調教の反動で調子が落ちてしまう。
なので、1週前の段階で仕上がっている馬は、レース当週は軽い調教にすることが多いわけです。
▼そこで、「レース当週のタイムが遅いな。この馬はダメだ」と判断してしまうと、失敗します。
その馬は、1週前にすでに絶好調になっている。レース当週のタイムが遅いだけで、調子自体は良いわけです。
なので、調教タイムを見る時は、直前の調教タイムだけを見るのではなく、全体の流れで、「2週前~1週前~当週」と縦比較をしていくことが重要なんですね。