▼本日は、競馬の馬齢について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・競馬では、馬齢が若ければ若いほど強い
・つまり、3歳馬が一番強い
・ただ、重賞レースに限定すると、4歳馬が一番強い。次に3歳馬。
・競走馬の能力は、4歳をピークとして、6歳頃から下降する(早熟・晩成タイプは例外的)
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競馬の競走馬には、それぞれ年齢があります。
デビューするときは2歳。そこからは、引退するまで年齢が加算されていきます。
▼基本的に、2歳馬は2歳馬同士で走る。3歳馬は3歳馬同士で走ることになります。
ただ、クラス編成で、3歳馬は夏ごろから4歳以上の古馬と一緒に走り始めます。
▼ここから、3歳馬を交えた、全年齢での対決になるわけです。
ではその中で、何歳馬が強いのか?
▼まずは具体的なデータを見てみましょう。
2015年からの5年間。芝の重賞レースのデータです↓
※2歳限定戦・3歳限定戦は除く
・3歳馬⇒単勝回収率118%
・4歳馬⇒単勝回収率64%
・5歳馬⇒単勝回収率74%
・6歳馬⇒単勝回収率51%
・7歳以上⇒単勝回収率46%
はい。
このようになります。
▼まず突出しているのが、3歳馬の単勝回収率118%という数字ですね。
3歳馬は、勝率でもトップになっています。
芝の重賞レースで、単勝を狙う場合などは、3歳馬を狙っていくと、回収率が上げやすくなります。
▼ここで、連対率のデータも見てみましょう↓
・3歳馬⇒連対率18%
・4歳馬⇒連対率21%
・5歳馬⇒連対率16%
・6歳馬⇒連対率10%
・7歳以上⇒単勝回収率6%
はい。
連対率で見ると、4歳馬がトップになっています。
▼勝率を見ても連対率を見ても、4歳馬はトップクラスなのに、なぜか回収率はそれほど高くない。
この原因は、「競馬記者も、競馬ファンも、4歳馬が競馬の中心であることをわかっているので、過剰人気になりやすい」
ここに原因があると思われます。
▼ここでもう一つデータを見てみます↓
・3歳馬⇒平均人気6.6番人気
・4歳馬⇒平均人気5.9番人気
はい。
これを見てもわかる通り、4歳馬の方が人気になる回数が多いわけです。
▼なので、4歳馬は人気になるからこそ、勝率と連対率が高いと言える。
でもその割には、回収率が低い。
これは過剰人気になっているということです。
▼なので、馬齢から利益を出すための馬券構成を考えるとしたら、
「儲かるのは3歳馬」
というのを頭に入れておくと良いかと思います。
▼ただ、過去5年程度の重賞レースでのデータなので、もしかするとこの先、傾向が変わる可能性はありますが、それほど大きくは変わらないのではないか、と思うわけです。
3歳馬が混ざっている芝の重賞レースでは、3歳馬の単勝や1着固定を多用していくと、回収率が上げやすい印象です。
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結局、何歳馬が強いの?
▼何歳馬が強いか?についての考察を続けます。
ここでは、複勝回収率について考えてみます。
まずは具体的なデータ↓
・3歳馬⇒複勝回収率83%
・4歳馬⇒複勝回収率75%
・5歳馬⇒複勝回収率81%
・6歳馬⇒複勝回収率81%
・7歳以上⇒複勝回収率56%
はい。
複勝回収率で見てみると、3歳から6歳までは、ほとんど差がないことが分かります。
▼これはどういうことかというと、「5歳と6歳は、勝ち切れないけど、2~3着には来る」ということになります。
競走馬の場合、歳をとるほど勝ち切れない傾向になっていきます。
競走馬でも、年齢が若いほうが瞬発力があり、勝ち切る力があるんですね。
▼なので、5歳・6歳になると、若い頃よりも2~3着が多くなり、単勝回収率が下がる。
でも、2~3着は多いので、複勝回収率はキープできているわけです。
▼そう考えると、三連単で言えば、
・1着欄⇒3歳馬
・2~3着欄⇒3.5.6歳馬
このような馬券構成が、最も回収率を高めるのには有効であると言えます。
▼ここでも問題になるのが、4歳馬。
複勝回収率75%は、5.6歳馬よりも下です。
やはり4歳馬は、能力以上に馬券が売れてしまっている印象です。
▼ここでもう一つデータを見てみましょう↓
・3歳馬⇒複勝率26%
・4歳馬⇒複勝率30%
・5歳馬⇒複勝率24%
・6歳馬⇒複勝率16%
・7歳以上⇒複勝率10%
はい。
見ての通り、3着内に来る確率が最も高いのは、4歳馬ということになります。
▼ここが非常に厄介な部分で、「4歳馬は、好走確率は最も高いが、回収率はそれほど高くない」わけです。
馬券を的中させたいなら、4歳馬を中心に馬券構成した方が良い。
でも、回収率を上げて利益を出したいなら、4歳馬中心ではちょっと厳しい、ということになります。
▼いずれにしても、ここまで見てきたデータでは、「7歳以上」は、好走確率も回収率も、全て低くなっています。
やはり競走馬のピークは、4歳頃であり、6歳くらいから能力落ちすることが多い印象ですね。
7歳以上になってしまうと、ピークを過ぎていることが多いので、回収率がかなり低くなってしまいます。
馬券で利益を出す事だけを考えるなら、高齢馬はあまり積極的には狙いたくない所です。
▼▼ここまで見てきたとおり、競馬は何歳馬が強いか?の問いへの答えは、
「若い馬の方が強い」
ということになります。
確か、クリストフ・スミヨン騎手あたりもインタビューで、「騎乗馬は、出来るだけ若い馬を選ぶようにしている」とコメントしていたように思います。
それはつまり、若い馬の方が、勝つチャンスが大きくなることを示しているのかもしれません。
▼ただ、厳密に言えば、「一番強い年齢は、4歳馬」ということになります。
強い順に並べると、
4歳馬
3歳馬
5歳馬
6歳馬
7歳以上
という感じになります。重賞レースの場合ね。
▼単勝回収率では、3歳馬がトップ。
単勝回収率に関しては、若ければ若いほど儲けやすい、と言えます。
7歳以上馬は、利益を出すのが非常に難しくなっています。
単勝回収率45%・複勝回収率58%という数字なので、あまり手を出さない方が無難です。
▼では、7歳以上馬は、人気になっても儲からないのか?
人気別のデータを見てみましょう。
【7歳以上馬】
1~2番人気⇒単勝回収率36%・複勝回収率76%
1~3番人気⇒単勝回収率43%・複勝回収率74%
1~5番人気⇒単勝回収率59%・複勝回収率74%
はい。
このように、7歳以上馬は、たとえ人気になっていても、勝ち切れないことがわかります。
通常、1~2番人気のデータを取ると、単勝回収率は70~80%になるわけですが、7歳以上になると、単勝回収率が30%台しかありません。
これでは、単勝馬券はもちろん、三連単や馬単の1着固定でも利益を出すのは困難であると言えます。
▼ちなみに、7歳以上馬で利益を出しやすいポイントも探してみましょう。
例えばこのようなゾーン↓
【7歳以上馬】
5~8番人気⇒単勝回収率73%・複勝回収率99%
はい。
いわゆる、中穴ゾーンです。
勝ち切れないのは相変わらずですが、複勝回収率が99%もあるのは素晴らしい。
これだけの回収率があれば、三連複やワイドのヒモとして活用することで、簡単に利益を出すことができます。
▼したがって、7歳以上を重賞レースで狙う場合は、単勝ではなく、「中穴の複勝」が良いということになります。
あるいは、上述したように、三連複やワイドですね。
複勝回収率の高さを最大限に生かすことによって、7歳以上馬でも回収率を高めることが可能になるわけです。
▼馬の強さで言えば、4歳馬や3歳馬が強いです。
ただ、馬券で利益を出すためには、単純に強い馬を狙っても意味がない。
常に過小評価されている馬を探し、そこを狙い撃ちすることで、プラス回収にすることができるわけですね。
▼▼さてここまで、重賞レースの年齢別データを見てきました。
では次に、全レースを対象とした年齢別データを分析してみたいと思います。
【年齢別データ。全レース対象】2018~2021年。87247頭分析
※2歳限定戦・3歳限定戦は除く
3歳⇒勝率11%・連対率20%・複勝率28%・単勝回収率72%・複勝回収率72%
4歳⇒勝率8%・連対率16%・複勝率24%・単勝回収率71%・複勝回収率76%
5歳⇒勝率7%・連対率14%・複勝率21%・単勝回収率79%・複勝回収率79%
6歳⇒勝率5%・連対率10%・複勝率17%・単勝回収率74%・複勝回収率71%
7歳⇒勝率4%・連対率9%・複勝率14%・単勝回収率78%・複勝回収率69%
8歳⇒勝率4%・連対率9%・複勝率14%・単勝回収率75%・複勝回収率76%
はい。
全レースを対象として、各馬の年齢別のデータを集計してみると、上記のようになります。
▼客観的にこのデータを眺めてみると一目瞭然ですが、年齢が若ければ若いほど、好走確率が高いことが分かります。
逆に、年齢が高くなればなるほど、好走確率が下がっていきます。
このことから、競馬は何歳馬が強いのか?という問いには、「3歳馬が一番強い」「若い馬ほど強い」という答えになるわけです。
▼人間のスポーツ選手でもそうですが、基本的には、若い選手の方が身体能力が高く、活躍しやすいですよね。
人間も競走馬も生き物ですから、老化には逆らえません。
馬だって、若ければ若いほど元気なわけです。
だから若い馬ほど強いわけですね。
▼ということで、馬の強さだけを見れば、3歳が一番強いということになります。次が4歳ですね。
ただ、強い年齢がわかったからといって、それで儲かるほど簡単では無いのが、競馬というゲームです。
なぜかというと、競馬は的中率を上げても意味がなく、回収率を上げないと利益が出ないからです。
▼先程のデータで、回収率の部分を見てみましょう。
回収率を見ると、単勝回収率・複勝回収率ともに、どの年齢を見ても、大差ないことが分かります。
むしろ、3歳馬の回収率が最も低くなっています。
これはなぜか?
▼これは先程も少し書きましたが、「若い馬が強い事は、みんなわかっているから」ということになります。
3歳馬・4歳馬などの若い馬は強い。それは多くの競馬ファンや、競馬マスコミ・競馬新聞の記者さんもわかっています。
だから若い馬は馬券がよく売れてしまう。過剰に売れるわけですね。
その結果、若い馬は好走確率が高いのに、オッズが必要以上に下がってしまい、回収率も下がってしまうというわけです。
▼▼では次に、「重賞レースでは、なぜ3歳馬より4歳馬の方が強いのか?」について考えてみましょう。
上述した通り、「全レース対象」にデータ分析した場合、3歳馬が最も好走確率が高いということが分かります。
しかし、重賞レースに限定してデータを取ってみると、4歳馬が最も好走確率が高くなります。
これは何故か?
▼これに関しては、「重賞レースは、超ハイレベルな戦いなので、しっかり調教を積んで能力を高めた馬しか通用しないから」ということになるかと思います。
重賞レース以外の下級条件のレースは、素質だけで勝ててしまう。
なので下級条件では、一番元気がよく、身体能力の高い3歳馬の好走確率が最も高くなる。
その一方で、重賞レースは極限の頂上対決なので、素質だけでは通用しない。
しっかり調教を積む必要があるので、3歳馬より4歳馬の好走確率が高くなると考えられます。
▼このように、競馬のデータ分析においては、重賞レースと下級条件のレースで、傾向が大きく変わることが多々あります。
今回の記事では、馬齢のデータについて言及していますが、このような傾向は馬齢以外でも頻繁に見受けられます。
▼例えば、芝の重賞レースでは、内枠有利のデータが出ていますが、この傾向は下級条件のレースではあまり見られません。
重賞レースの場合、超ハイレベルな戦いになるので、わずかなコース取りの差が結果を左右します。
なので、芝の重賞レースでは、最短距離を走れる内枠が有利のデータが出るわけです。
▼それに対して、下級条件のレースはレベルが低く、馬の素質だけで勝敗が決まってしまいます。
なので、あまり枠順による有利不利のデータは出ないことになるわけです。
▼このように、競馬のデータ分析では、重賞レースと下級条件のレースで傾向が大きく違ってくるので、この2つは分けて考えると、勝ち組への道が近づいてきます。
それは今回のテーマである、「競馬は何歳馬が強いか?」というデータを分析する場合も同様です。
重賞レースでは、まだ調教をしっかり積めていない3歳馬が、古馬の壁に跳ね返されることも多々あるので、そこは注意が必要ですね。