▼本日は、馬格と回収率の関係について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・競馬では、馬体重が重い馬の方が強い
・勝率・連対率・複勝率のすべては、馬体重が重ければ重いほど、高くなっていく
・ただ、回収率で見ると、馬体重が重くても軽くても、大差ない
・これは、馬体重の重い馬は、よく馬券が売れ、過剰人気になるからである
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競走馬には、それぞれ馬体重があります。
レースの前に必ず馬体重を計測され、パドックで公表されます。
この時に発表された馬体重を見て、競馬ファンは、馬券の参考にするわけですね。
▼競走馬にも、人間と同じように、体の大きな馬もいれば、体の小さな馬もいる。
競馬の場合は、体重別に分けて走るということがないので、大きい馬も小さい馬も、みんな一緒に走ることになります。
▼では、この馬の体の大きさ。成績的にはどうなんでしょうか?
馬体重ごとの勝率を抽出してみます。
2015年からの5年間の重賞レースのデータです↓
・400~419キロ⇒勝率3%
・440~459キロ⇒勝率6%
・480~499キロ⇒勝率7%
・520~539キロ⇒勝率9%
はい。
重賞レース限定のデータですが、美しい右肩上がりになっています。
▼つまり、体が大きければ大きいほど、勝率が高くなるということです。
体が大きな馬ほど、強いということになる。
▼では次に、連対率で見てみましょう↓
・400~419キロ⇒連対率5%
・440~459キロ⇒連対率12%
・480~499キロ⇒連対率14%
・520~539キロ⇒連対率16%
はい。
ここでも綺麗な右肩上がりになっています。
体が大きい馬ほど、連対率が高いということになる。
▼このように、競馬においては、体の大きさ(馬格)は、非常に重要なファクターになっています。
もし競馬が、ボクシングや柔道のように体重別になっていれば問題ないんですが、競馬は常に無差別級なんですね。
▼体の大きな馬と小さな馬が一緒に走ったとき、どちらが有利なのか?
競馬では、馬群が密集して走ることになるので、レース中に馬の体がぶつかったりします。
この時、体の大きな馬はダメージが少ないわけですが、体が小さい馬は飛ばされてしまったり、精神的にひるんでしまったりするわけです。
▼あるいは単純に、体が大きい馬の方がストライドが大きくなるので、一歩の幅が広くなります。
小さい馬がちょこちょこ走るより、大きい馬が広い歩幅で走る方が、物理的に有利なんですね。
▼このように考えると、競馬では、体の大きな馬を狙ったほうが的中率が上がるということになる。
迷ったら、馬格のある方を選択していく。
その馬の馬体重は、競馬新聞やネットの情報で見ることができるので、馬券購入の前にチェックしておくとよいかと思います。
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馬体重が重い馬は、儲かる?儲からない?
▼馬格と回収率についての考察を続けます。
先ほどの続き。
競馬では、体が大きい馬ほど、勝率も連対率も高くなる。
なので迷ったら、体が大きい馬を選択していくと良い。
ここでは、さらに詳細な馬体重のデータについて考えてみます。
▼ここまでは、体の大きな馬の優位性について証明してきました。
では、体が大きい馬は、回収率も高いのか?
それでは、回収率のデータを見てみましょう↓
・400~419キロ⇒単勝回収率70%
・440~459キロ⇒単勝回収率67%
・480~499キロ⇒単勝回収率62%
・520~539キロ⇒単勝回収率61%
はい。
なんと、今度は逆に、体が大きい馬ほど、単勝回収率が下がっていくという結果になりました。
これはなぜなのか?
▼体が大きな馬ほど、勝率は高かったはず。
それなのに、体が大きくなるほど、単勝回収率は下がっていく。
この理由は、「体の大きな馬・馬体重が重い馬は、過剰人気になりやすい」という部分にあります。
▼勝率が高いのに、回収率が高くないということは、勝率にオッズがついて来ていないということです。
つまり、馬券が売れすぎている。
体が大きな馬は、パドックでも見栄えが良く、強そうに見えます。
その結果、競馬ファンは、体の大きな馬から優先的に馬券購入してしまうわけですね。
▼それを証明するために、平均オッズのデータを見てみましょう↓
・400~419キロ⇒平均オッズ84倍
・440~459キロ⇒平均オッズ65倍
・480~499キロ⇒平均オッズ61倍
・520~539キロ⇒平均オッズ52倍
はい。
これを見て分かるように、馬体重が重い馬ほど、単勝オッズが低くなっていることがわかります。
▼馬体重が重い馬は強い。勝率も連対率も高い。
でも、競馬ファンは強そうな馬を優先的に馬券購入するので、体の大きな馬は過剰人気になる。
その結果、能力と回収率の間に矛盾が生じるわけです。
つまり、「馬体重が重い馬は、強いのに儲からない」ということになりやすい。
▼ただ、先ほども書いた通り、体の大きな馬は、好走確率が高いです。
なので、馬体重の重い馬を購入すれば、的中率は上がる。
軸馬を決める時などは、的中率・好走確率が重要になるので、馬格のある馬を軸馬にしていくと、馬券収支が良くなりやすいわけです。
▼▼ここまで書いてきた通り、馬体重と競走成績には密接な関係があります。
「馬体重が重い馬の方が強い」という事実を頭に入れておくだけでも、馬券検討の参考にはなると思います。
▼例えば、軸馬を2頭で迷ったとき。
他の要素が互角だとするならば、より体の大きい馬を選んでいく方が、的中率と回収率は上がることになります。
あるいは、ヒモ候補が多すぎて、少し切りたい場合。
この場合は、体の小さい馬を優先的に切っていくことで、長期回収率が改善されやすいということになります。
▼ただ、体の小さい馬が有利なケースもあります。
体が小さい馬は、多くの場合「ピッチ走法」になりやすいです。
つまり、小幅のストライドで走るわけですね。
このようなピッチ走法は、器用さが求められる小回りコースで威力を発揮します。
体の大きな馬は、勢いがつけばトップスピードを維持できますが、体が大きい分、加速力に劣る面がある。
逆に、体の小さな馬は、馬体が軽いので、短時間で加速しやすいわけです。
▼小回りコースでは、瞬間的な加速力が求められるケースが多い。
3~4コーナーから加速していくレースも多いので、大型馬よりも機動性に勝る分、有利なわけです。
その点で考えると、体の小さな馬でも狙い目はあるということになります。
▼ここで少し具体的なデータも見てみましょう。
例えば、このようなデータ↓
【馬体重400~439キロ】重賞レース2015~2019年
札幌競馬場⇒単勝回収率306%
福島競馬場⇒単勝回収率230%
小倉競馬場⇒複勝回収率103%
はい。
体の小さな馬が重賞レースに出走した時のデータです。
見事に、小回りコースでの成績が良くなっています。
馬体重が軽い馬でも、上記のような小回りの重賞レースでは要注意ということになります。
▼では次に、広いコースでの成績を見てみましょう↓
【馬体重400~439キロ】重賞レース2015~2019年
東京競馬場⇒単勝回収率22%
中山競馬場⇒単勝回収率10%
阪神競馬場⇒単勝回収率36%
新潟競馬場⇒単勝回収率0%
中京競馬場⇒単勝回収率0%
はい。
広い競馬場での回収率を出してみました。
先ほどと比べると、明らかに回収率が低いのが分かります。
上記のような広い競馬場では、体の大きな馬の優位性が際立つため、体の小ささがデメリットになってしまいます。
このことから、重賞レースで小柄な馬を狙う場合は、小回りコースで狙うほうが良いということになります。
逆に、広い競馬場では、体の大きな馬を狙ったほうが、回収率は高くなりますね。
▼▼では次のデータを見てみましょう。
【重賞レース。馬体重別の複勝率】2016~2021年。11378頭分析
・400~419キロ⇒複勝率14%
・420~439キロ⇒複勝率15%
・440~459キロ⇒複勝率18%
・460~479キロ⇒複勝率22%
・480~499キロ⇒複勝率21%
・500~519キロ⇒複勝率20%
・520~539キロ⇒複勝率23%
・540キロ以上⇒複勝率25%
はい。
先ほどは、勝率や連対率をチェックしてみましたが、今回は複勝率、つまり3着内率を調べてみました。
▼このデータを見れば一目瞭然ですが、馬体重が重い馬ほど、3着内率が高くなっているのがわかります。
体が小さい馬より、体が大きい馬の方が、馬券になる確率が高いということです。
これは競馬の基本中の基本ということで、頭に入れておいた方が良いでしょう。
▼では次のデータを見てみます。
【重賞レース。馬体重別の複勝回収率】
・400~419キロ⇒複勝回収率73%
・420~439キロ⇒複勝回収率55%
・440~459キロ⇒複勝回収率73%
・460~479キロ⇒複勝回収率81%
・480~499キロ⇒複勝回収率70%
・500~519キロ⇒複勝回収率60%
・520~539キロ⇒複勝回収率81%
・540キロ以上⇒複勝回収率78%
はい。
3着内率では、明らかに馬体重が重い馬の方が成績が良かったわけですが、複勝回収率で見ると、どの体重もそれほど差はないことがわかります。
▼これも先ほど単勝回収率で検証した通り、原因はオッズにあります。
体の大きな馬は強いという事を、競馬ファンもわかっているので、複勝馬券もよく売れます。
その結果、オッズが下がってしまい、複勝率が高いにも関わらず、複勝回収率は高くないという事態になってしまうわけです。
▼このことを証明するために、「平均人気」のデータも見てみましょう。
【重賞レース。馬体重別の平均人気】
・400~419キロ⇒平均人気9.8番人気
・420~439キロ⇒平均人気9.1番人気
・440~459キロ⇒平均人気8.5番人気
・460~479キロ⇒平均人気8.0番人気
・480~499キロ⇒平均人気7.9番人気
・500~519キロ⇒平均人気7.7番人気
・520~539キロ⇒平均人気7.6番人気
・540キロ以上⇒平均人気7.2番人気
はい。
このように、馬体重が重くなればなるほど、人気になっていることがわかります。
これが、体が大きな馬でも、単純には回収率が高くならない原因になります。
▼▼さてここまでは、重賞レースでの馬体重データを見てきました。
では次に、対象を全レースに拡大して、データ分析してみましょう。
【馬体重データ。全レース対象】2019~2022年
・~399キロ⇒勝率2%・連対率4%・複勝率7%
・400~419キロ⇒勝率4%・連対率8%・複勝率12%
・420~439キロ⇒勝率5%・連対率10%・複勝率16%
・440~459キロ⇒勝率6%・連対率13%・複勝率21%
・460~479キロ⇒勝率7%・連対率15%・複勝率22%
・480~499キロ⇒勝率8%・連対率16%・複勝率23%
・500~519キロ⇒勝率8%・連対率16%・複勝率24%
・520~539キロ⇒勝率8%・連対率15%・複勝率23%
・540キロ~⇒勝率9%・連対率17%・複勝率24%
はい。
全レース対象の馬体重データは上記の通りです。
▼このデータを見ると一目瞭然ですが、重賞レース以外のレースを分析しても、やはり馬体重の重い馬の方が、好走確率が高いことが分かります。
人間でもそうですが、基本的にアスリートというのは、体が大きい方が有利です。
それは競走馬でも同じで、体が大きい競走馬の方が、やはりレースでは有利なんですね。
▼上記のデータを見ると、馬体重が460キロ以上なら、成績にそれほど大きな差はないことがわかります。
逆に、馬体重が460キロ未満だと、好走確率が下がっていくのがわかると思います。
重賞レースだと、馬体重が重ければ重いほど有利ですが、全レース対象の場合は、460キロを1つの判断ラインとしていくと良いかと思います。
▼このように競馬においては、馬体重によって勝率や連対率が大きく違ってきます。
なので、ただなんとなく馬券購入する人と、馬格のある馬を優先的に選んでいく人とでは、長期回収率の差が開いていきます。
競馬では、このような「勝ち組のデータ」が無数にあるので、それをたくさん知っている人は勝ち組になるし、知らない人は負け組になってしまうというわけですね。