▼本日は、1番うまい騎手について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・1番うまい騎手・儲かる騎手は、現状では、ルメール騎手。
・日本人騎手では、川田騎手と福永騎手が、1番うまい騎手を争っている。川田騎手がやや優勢
・騎手の腕は、客観的に判断するのが難しく、一応、勝率と単勝回収率で判断することになる
・ただ、勝率に関しては、エージェントの力量に大きく左右されるので、勝率が純粋に騎手の腕を示しているわけではない
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼前回の記事では、重賞レースやG1レースで儲かる騎手について書いてみました。
参考記事
↓
G1レース・重賞レースで強い騎手は?
▼ここでは、大きなレースに限らず、すべてのレースのデータを分析して、1番うまい騎手を考察してみたいと思います。
ではまず、単勝回収率のランキングから(2016年~2019年)↓
・福永騎手⇒単勝回収率91%
・田辺騎手⇒単勝回収率91%
・藤岡佑介騎手⇒単勝回収率96%
・丸山騎手⇒単勝回収率128%
・秋山騎手⇒単勝回収率94%
はい。
2016年からの4年間、すべてのレースの単勝回収率を集計すると、成績優秀者ランキングはこのような感じになります。
▼意外な感じがしたでしょうか?
重賞レースでは大活躍する、ルメール騎手やMデムーロ騎手が入っていませんね。
これはなぜか?
▼この原因は、「有名な騎手は、過剰人気になりオッズが下がるので、全レース対象だと単勝回収率が下がる」という部分にあります。
ルメール騎手やMデムーロ騎手は、上述した騎手よりも、勝率も連対率も複勝率も上なんです。もちろん勝ち星も。
それなのに、単勝回収率は大したことがない。
このように↓
・ルメール騎手⇒単勝回収率80%
・Mデムーロ騎手⇒単勝回収率79%
▼この2人、勝率はズバ抜けて高いわけです。
でも、単勝回収率は低くなる。
これは要するに、ルメール騎手やMデムーロ騎手が騎乗すると、大きく単勝オッズが下がることを意味しています。
▼重賞レースであれば、全体の投票金額が大きいので、それほど過剰人気になりにくい。
でも、平場のレースなど、売り上げが少ないレースの場合、少しの投票で大きくオッズが動いてしまう。
これが、有名騎手の単勝回収率が上がりにくい原因だと思われます。
▼なので、単勝回収率から1番うまい騎手を議論するのは、少し強引な部分もありますが、それ以外の方法だと、主観的な感覚になってしまうので、あくまでもデータ重視で進めていきます。
先ほど掲載した、「単勝回収率が高い騎手ランキング」は、あくまでも過小評価されやすい騎手という認識にしておいてください。
▼というわけで、先ほど掲載した騎手は、「儲かる騎手」ということになります。
腕がある割に、名前が売れていない。
だから過小評価になり、単勝回収率が上がるわけです。
▼単勝回収率を引き上げている要因としては、その他にも、「人気のない馬で勝つ」という部分があります。
先ほど記載した騎手は、人気薄でも勝つことが多い。
なので、馬券のヒモとして入れておくと、利益を出しやすくなるわけです。
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うまい騎手の勝率ランキング
▼1番うまい騎手・儲かる騎手についての考察を続けます。
先程の続き。
先ほどは、単勝回収率で分析してみましたが、ここでは純粋に「勝率」で考えてみたいと思います。
▼2016年からのすべてのレースで、勝率が高い騎手ランキングはこちら↓
・ルメール騎手⇒勝率25%
・Mデムーロ騎手⇒勝率22%
・川田騎手⇒勝率18%
・戸崎騎手⇒勝率17%
・福永騎手⇒勝率15%
・武豊騎手⇒勝率14%
はい。
先ほどと全く違う結果になりました。
▼この勝率ランキングが意味するところは、
「強い馬に乗って、しっかり勝てる騎手」という感じですね。
軸馬向きの騎手です。
▼勝率を上げるためには、とにかく強い馬で結果を出すしかない。
先ほど記載したような、単勝回収率が高い騎手は、人気薄で勝つことが多いわけですが、人気薄だと頑張ってもなかなか勝率は上がらないわけです。
▼なので、勝率ランキングで上位にランクインした騎手は、人気馬に乗って、プレッシャーを感じることなく、しっかりと馬の能力を引き出すことができる騎手、ということになります。
福永祐一騎手は、単勝回収率でも高く、勝率も高いですね。
福永騎手は、腕があるのに、あまり競馬ファンから評価されておらず、その結果、回収率が高くなっています。
儲かる騎手と言えるわけです。
▼勝率だけでなく、「連対率」も馬券で勝つために重要な指標になりますが、連対率と勝率はリンクしており、ほとんど同じ結果になっています。
勝率が高い騎手は、連対率も複勝率も高く、人気馬に乗って信頼できる騎手と言えます。
▼そう考えると、勝率・連対率・複勝率でトップのルメール騎手は、1番うまい騎手に近い存在と言えると思います。
ルメール騎手は、重賞レースやG1でも圧倒的な成績を残しており、儲かる騎手としても存在感があります。
現状では、1番うまい騎手・儲かる騎手は、ルメール騎手かなと。
2番目にうまい騎手は、Mデムーロ騎手。
3番目が、川田騎手と福永騎手、という感じになってくると思います。
▼▼では次に、「芝のレースで儲かる騎手」について考えてみたいと思います。
まず、芝のレースで単勝回収率が高い騎手は、下記の通りです(2016~2019年。全レース対象)
福永騎手⇒単勝回収率93%
吉田隼人騎手⇒単勝回収率93%
藤岡佑介騎手⇒単勝回収率103%
丸山元気騎手⇒単勝回収率113%
はい。
芝の全レースを対象にして、単勝回収率が90%以上の騎手は、上記の通りです。
騎乗回数が少ない騎手は割愛しています。
▼まずは福永騎手。ここでも登場です。
福永騎手は、ダートよりも芝のレースで回収率が高くなりやすい騎手ですね。
当たりが柔らかく、ナチュラルに馬の能力を発揮するのが得意な騎手なので、スピードとタイミングで勝負する芝のレースの方が活躍しやすい印象です。
▼では次に、同じ集計期間で、「ダートのレースで儲かる騎手」を分析してみましょう。
田辺騎手⇒単勝回収率101%
藤岡康太騎手⇒単勝回収率92%
横山典弘騎手⇒単勝回収率104%
石橋脩騎手⇒単勝回収率96%
丸山元気騎手⇒単勝回収率134%
菱田裕二騎手⇒単勝回収率106%
荻野極騎手⇒単勝回収率116%
はい。
ダートのレースで単勝回収率が90%以上ある騎手は、上記の通りです。
▼芝のレースとは、ちょっとメンバーが変わりましたね。
ダートの場合、騎手にもパワーが必要なので、芝のレースが得意な騎手でも、ダートはあまり回収率が高くないケースが多々あります。
▼ルメール騎手や、福永騎手は、芝のレースで回収率が高く、ダートは平凡と言う感じです。
逆に、上述したような騎手は、芝のレースよりも、ダートのレースでうまい騎手と言えます。
▼田辺騎手や、丸山元気騎手は、芝でもダートでも単勝回収率が高くなっています。
どちらも、人気薄でも一発狙ってくるタイプの騎手なので、必然的に単勝回収率が高くなるわけですね。
▼ここまで書いてきたような騎手を中心に馬券構成すると、長期回収率が高くなりやすくなります。
軸馬にするのは、勝率や連対率が高い騎手。
ヒモにするのは、単勝回収率や複勝回収率が高い騎手。
このような使い分けをすることで、的中率と回収率のバランスが良くなるわけです。
▼単勝回収率が高い騎手を、ひたすら1着固定で狙うという手もあるんですが、これは長期回収率は高くなりますが、的中率が安定しないので、連敗期間が長くなってしまいます。
連敗期間が長いと、精神的にも厳しいし、資金が途中で枯渇する恐れもあります。
そのため、軸馬にする場合は、回収率よりも勝率や連対率を重視したほうが、連敗期間を短くすることができるわけです。
▼▼では次に、1番うまい騎手・儲かる騎手について、さらにデータ期間を更新して分析してみましょう。
【騎手データ。勝率部門。全レース対象】2018~2021年
ルメール騎手⇒勝率26%
川田騎手⇒勝率25%
福永騎手⇒勝率17%
Mデムーロ騎手⇒勝率17%
武豊騎手⇒勝率16%
戸崎騎手⇒勝率13%
松山騎手⇒勝率12%
横山典弘騎手⇒勝率12%
はい。
全レースを対象にして、純粋に勝つ確率が高い騎手は、上記の通りになります。
▼このデータを見ればわかる通り、勝率という部分では、ルメール騎手と川田騎手がダントツです。
では、勝率が高ければ、うまい騎手と言えるのか?
これに関しては、単純にそうとは言い切れない部分があります。
▼なぜなら、「騎手の勝率というのは、馬の強さに依存する」からです。
要するに、乗っている馬が強ければ、勝率は上がるわけです。
極端な話、騎手が下手でも、騎乗している馬が強ければ勝率は高くなる。
なので、勝率ランキングというのは、言い換えると、「どれくらい強い馬に乗っているかのランキング」とも言えるわけです。
▼なので、騎手の腕と勝率は、直接は関係がないと言えるわけですが、間接的には関係があると言えます。
どういうことかと言うと、「基本的に、強い馬は、うまい騎手に集まる」ということです。
▼当たり前ですが、騎手の世界は競争社会なので、うまい騎手や結果を出している騎手に、強い馬の騎乗依頼が集まります。
なので、強い馬にたくさん騎乗しているということは、その騎手は、腕がある可能性が高いということになります。
▼基本的にはそういうことになるんですが、競馬が難しいのは、そこに「エージェント」や「営業力」といった要素が絡んでくる点です。
現代競馬は、エージェントと呼ばれる、騎乗馬を斡旋する人々が、騎手の騎乗馬を確保するケースが多いです。
なので、優秀なエージェントをつけている騎手には、強い馬が集まる。
これに関しては、騎手の腕は関係ありません。
いかに優秀なエージェントをつけるかどうかが、その騎手の勝率や勝ち星を大きく左右します。
▼また、人柄が良い騎手だったり、いつも色々な厩舎に顔を出している騎手や、一生懸命に調教に乗る騎手には、強い馬が集まりやすくなります。
これも騎手の腕とは、関係がないですね。
なので、勝率というのは、基本的にはその騎手のうまさを表す指標になりますが、例外もたくさんあるので、勝率だけでは、騎手の腕は測れない、ということになるわけです。
▼▼では次に、またデータ範囲を更新して、騎手の成績を分析してみましょう。
【騎手データ。単勝回収率優秀者。全レース対象】2019~2022年
川田騎手⇒単勝回収率89%・複勝回収率85%
松山騎手⇒単勝回収率85%・複勝回収率78%
横山武史騎手⇒単勝回収率89%・複勝回収率72%
吉田隼人騎手⇒単勝回収率92%・複勝回収率83%
幸英明騎手⇒単勝回収率91%・複勝回収率80%
藤岡佑介騎手⇒単勝回収率85%・複勝回収率79%
西村淳也騎手⇒単勝回収率88%・複勝回収率82%
鮫島克駿騎手⇒単勝回収率89%・複勝回収率84%
横山和生騎手⇒単勝回収率85%・複勝回収率80%
坂井瑠星騎手⇒単勝回収率87%・複勝回収率86%
横山典弘騎手⇒単勝回収率91%・複勝回収率80%
菱田裕二騎手⇒単勝回収率85%・複勝回収率91%
武藤雅騎手⇒単勝回収率99%・複勝回収率70%
はい。
全レースを対象とした集計で、回収率が優秀な騎手は上記の通りです。
▼川田騎手は、常に上位にいますね。
ルメール騎手が、過剰人気の影響で回収率を下げてきている昨今、一番儲けやすい騎手は、川田騎手かもしれません。
上記のデータ期間では、川田騎手は、勝率・連対率・複勝率でも、ルメール騎手を抜いてトップ。
年齢的に、ルメール騎手より川田騎手は、6歳ほど若いので、そろそろ世代交代もあり得ますね。
▼若手では、横山武史騎手の単勝回収率が89%と優秀。
ただ彼の場合、勝ちに行く騎乗をするので、惨敗も多いです。
そのため、単勝回収率は89%と高いのですが、複勝回収率は72%とかなり低くなっています。
横山武史騎手を狙う場合は、単勝や1着固定系で狙うのが有効であり、三連複やワイドの軸としては、あまり信用できないということになります。
▼それから、吉田隼人騎手は、常に安定して高い回収率を出してくる騎手です。
最近は、白毛のソダシとのコンビで注目されたりもしましたが、まだ知名度は低い。
腕がある割に、あまり馬券が売れないので、吉田隼人騎手は儲かる騎手であると言えますね。