出遅れ癖のある馬は儲からない

▼本日は、出遅れ癖について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。

まず、結論から書いていきます↓


・出遅れ癖のある馬は、回収率が低くなりやすい。つまり儲からない

・馬券で儲けるためには、先行できる馬を狙うべきであり、そのためには、スタートが上手な馬を狙う方が良い

・出遅れの原因の多くは、馬の生まれつきの個性。調教で修正するのはなかなか難しい

・出遅れが多い騎手は、Mデムーロ騎手・ルメール騎手・横山典弘騎手・横山和生騎手あたり



ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。



▼競馬で最も重要なポイントの1つに、「スタート」があります。

競馬では、スタートを決めれば勝利に近づくし、スタートを失敗すれば負ける確率が高くなります。

そんな重要なスタートですが、競走馬の中には、「出遅れ癖」というものがある馬もいます。



出遅れ癖とは、ゲートに入るのが嫌いで、いつもスタートを失敗してしまう習性のことです。

スタートの技術は、調教で教えることもある程度は可能ですが、基本的には馬の生まれつきの個性と言えます。

なので、出遅れの原因は、生まれつきの遺伝子によるもの、と言えます。



▼馬の特性以外で、イレギュラーな出遅れの原因も考えてみましょう。


出遅れの原因

競馬ファンの大歓声
ゲートの中で座ってしまう
ゲートの中でよそ見
ゲートの中で隣の馬が気になってしまう
休み明けのレース



はい。
出遅れ癖がない馬でも、上記のようなシチュエーションになると、出遅れてしまうことがあります。



▼まず、「競馬ファンの大歓声

これは出遅れの大きな原因になりますね。

競走馬は非常に繊細な生き物なので、大きな音に反応してしまいます。

スタートは、競馬ファンのテンションが上がる瞬間なので、大歓声がすごい。

その大きな歓声に驚いて、馬は出遅れてしまうわけです。



▼リバティアイランドのオークスの時の会見で、川田将雅騎手が「スタートの時に2秒だけ静かにしてほしい(2秒の静寂)」とお願いしていましたが、これも大歓声によって出遅れるリスクがあったからです。

それくらい、大歓声は出遅れを誘発するわけですね。

繊細すぎる馬が、G1などの大きなレースを勝てないのは、大歓声に驚いて、能力を発揮できなくなるからです。



▼大歓声に驚いて出遅れてしまう、出遅れ癖のある馬は、何度も出遅れます。

なので、過去に出遅れたことがある馬は、メモしておくと、その後の馬券を取りやすくなります。

出遅れ癖のある馬は、期待値が低くなりやすいので、内枠や奇数枠では評価を下げるなどしていくと、あなたの馬券の回収率は上がりやすくなりますね。


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出遅れ癖の原因と影響

▼ということで、出遅れ癖について、次の解説をしていきましょう。

先ほどの続き。

次の出遅れの原因として、「ゲートの中で座ってしまう」というものがあります。

これは意外と多いですね。

馬がゲートの中で油断して座り込んでしまい、その間にゲートがオープンして、出遅れるというパターンです。



▼このパターンは、出遅れ癖が原因ではないので、事前に読むことができません。

ゲートで座りそうになる馬を、騎手が注意するしかないわけですが、そこは騎手の腕次第ですね。

出遅れの少ない騎手は、ゲートの中での馬との接し方が上手な印象です。



▼では次に、「ゲートの中でよそ見

これも事故ですね。防ぎようがありません。

馬は好奇心が旺盛なので、ゲートの中でも周囲の景色が気になって仕方ない。

よそ見している間にゲートが開くと、出遅れてしまうわけです。



▼あとは、「ゲートの中で隣の馬が気になってしまう

これも意外と多いですね。

特に、牝馬が大好きな牡馬は、ゲートで隣に可愛い牝馬が入ってくると、その牝馬が気になってしまい、出遅れてしまいます。

冗談のような話ですが、このようなケースは結構多いわけです。



▼有名なところでは、ゴールドシップ。

ゴールドシップは牝馬が大好きで、ゲートで隣に牝馬が入ると、興奮して出遅れてしまう癖がありました。

当時の競馬ファンも、「ゴルシの隣は牝馬だから出遅れるな。ゴルシは消しだ!」というような予想をしていたくらいです。



▼あとは、「休み明けのレース

休み明けのレースは、出遅れるリスクが高くなります。

休み明けは、馬がボーっとしているので、ゲートで集中できず、出遅れてしまうわけです。



▼最近は、外厩制度の発達などで、休み明けでもしっかり走れる馬が増えてきましたが、それでも休み明けの出遅れリスクは高いです。

休み明けの馬を購入する場合は、出遅れる可能性を頭に入れて馬券購入していくことが重要です。

特に、元々出遅れ癖があった馬が休み明けの時は、かなり出遅れる確率が高くなるので、要注意ですね。



▼▼さて、ここまでは、競走馬の出遅れの原因について解説してきました。

ではそもそも、出遅れ癖がある馬は、馬券的には儲かるのか?それとも儲からないのか

これに関しては、「出遅れ癖がある馬は、回収率が低くなりやすい。儲けにくい」と言えます。



▼なぜかと言うと、競馬という競技は、前に行った方が絶対的に有利だからです。

競馬のポジショニングには、逃げ・先行・差し・追い込みの4種類がありますが、この中で回収率が高い脚質はどれだと思いますか?

正解は、逃げ→先行→差し→追い込みの順番に回収率が高くなります。

つまり競馬では、前に行けば行くほど回収率が高くなるわけです。



▼イメージ的には、「逃げ馬はバテたら終わりだから回収率は低そうだ。追い込み馬は最後まで伸びてくるから回収率は高そうだ!」と考える競馬ファンが多いです。

なので、追い込み馬は人気になりやすいわけです。

しかしこの考え方は間違っています。



▼過去の数年以上のデータを分析してみればわかりますが、競馬では、逃げ馬の回収率が圧倒的に高く、追い込み馬の回収率はかなり低くなります。

いつも逃げ馬や先行馬を中心に馬券構成している人は回収率が高くなりますが、いつも差し馬や追い込み馬を中心に馬券構成している人は、大赤字になりやすい。



▼このような脚質的な有利不利は、厳然として存在しています。

競馬のレースは、全馬が同じコースを走るオープンレーンなので、道中で後方にいると、馬群に包まれてしまい、身動きが取れなくなります。

最後の直線でも、ラストスパートしようとした時に、前の馬が邪魔になって、なかなか加速することができません。

だから差し馬や追い込み馬は、不利なんですね。



▼それに対して、逃げ馬と先行馬は、道中から前の方にポジショニングするので、周囲に馬が少なく、馬群に包まれるリスクが低くなります。

その結果、逃げ馬と先行馬は、能力を発揮しやすくなる。

だから、前の方にポジショニングできる馬は、期待値が高く、回収率も高くなるわけです。



そして、前の方にポジショニングするためには、「スタートを決めなければならない」

好スタートを決めないと、逃げたり先行したりできないからです。

なので、「出遅れ癖」がある馬は、必然的にポジショニングが後ろになり、脚質が差し・追い込みになってしまうわけです。



出遅れる→ポジションが後ろになる→期待値が低くなる→馬券的に儲からない

というサイクルになるわけです。

だから、出遅れ癖のある馬は儲からない、ということになりやすいわけですね。


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