▼本日は、栗東と美浦について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・栗東/美浦とは、競走馬の調教が行われるトレーニングセンターのこと
・関西のトレーニングセンターが栗東で、関東のトレーニングセンターが美浦
・関西の栗東の方が強い馬が多い。西高東低の状況になっている。格差が生じている
・栗東の方が強い理由は、坂路調教の施設が、栗東の方が優れているため
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競馬でよく聞くキーワードとして、「栗東・美浦」というものがあります。
最初に聞いた時は、「くりとう?なにそれ?」と、意味がわかりませんよね。
でも、栗東と美浦は、競馬では超重要なキーワードなんです。
そこで本日は、栗東と美浦について、わかりやすく解説していきたいと思います。
▼まず、読み方は、
栗東(りっとう)
美浦(みほ)
ですね。
栗東と美浦というのは、それぞれトレセンがある地名から、そう呼ばれています。
▼この2つの違いは何かと言うと、
栗東→関西のトレーニングセンター
美浦→関東のトレーニングセンター
ということになります。
もっと詳しく言えば、関西に所属している調教師は栗東で、関東に所属している調教師が美浦ということになるわけです。
▼「関西馬・関東馬」という言葉がありますが、これも調教師の所属によって決まっています。
競走馬を調教する場合も、関西馬は栗東トレーニングセンターで調教され、関東馬は美浦トレーニングセンターで調教されることが多い。
最近は、変則的な調教を積む調教師も増えてきましたが、基本的には、関西の競走馬は栗東トレセン、関東の競走馬は美浦トレセンで調教します。
▼では、栗東と美浦は、どちらが強いのか?
これに関しては、栗東の競走馬の方が全体的に強いです。
重賞レースの勝利数は栗東の競走馬の方がはるかに多いし、オープン馬まで出世する数も栗東の関西馬の方が多い。
いわゆる「西高東低」と言われる状況になっています。
関西馬が強く、関東馬が弱いということですね。
▼最近は、関東馬もかなり強くなってきましたが、全体的に見ると、やはり関西馬の方が出世する確率は高くなっています。
ここに栗東と美浦の格差が生じています。
この格差の理由は、「栗東の坂路調教施設が優れているため、関西馬の方が強くなる」という部分が大きいです。
美浦にも坂路調教施設はもちろんありますが、馬に適切な負荷をかけ、馬を強くするという目的で考えると、栗東の坂路調教施設の方が優れていると言われていますね。
その結果、関西馬の方が強くなっている状況です。
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栗東・美浦の格差と勝率データ
▼ということで、栗東・美浦の違いについて、次の解説をしていきましょう。
先ほどの続き。
栗東は関西で、美浦は関東。
栗東の関西馬の方が強い。それは、栗東の方が坂路調教施設が充実しているからである。
▼では次に、両者の実際の勝率などのデータを見ていきましょう。
【栗東・美浦の好走確率データ】2020~2023年
栗東(関西馬)
勝率8%
連対率16%
複勝率24%
美浦(関東馬)
勝率6%
連対率12%
複勝率19%
はい。
過去3年半の、栗東・美浦のデータは上記の通りです。
▼このデータを見れば一目瞭然ですが、明らかに栗東の関西馬の方が、勝率などの数字が高いことが分かります。
近年になっても、やはり競馬界は西高東低。関西馬の方が強いわけです。
栗東の調教師に馬を預けた方が、出世しやすいと言えます。
▼勝率・連対率・複勝率、すべてにおいて美浦より栗東の馬の方が高くなっている。
そのため、馬券を購入する場合も、関西馬を中心に購入した方が、的中率は上がりやすくなると言えます。
今までなんとなく馬券を購入していた人は、意識的に関西馬を選んでいくと、それだけで的中率が上がります。
▼では次に、馬券的な回収率を見てみましょう。
【栗東・美浦の回収率データ】2020~2023年
栗東
単勝回収率74%
複勝回収率76%
美浦
単勝回収率69%
複勝回収率70%
はい。
過去3年半の回収率データは、上記のようになります。
▼回収率のデータを見ても、栗東の関西馬の方が回収率が高くなっています。
単勝で5%、複勝で6%の違いがあります。
好走確率だけでなく、回収率の点でも、関西馬と関東馬の間には格差があることがわかりますね。
▼このことから、馬券を購入する場合でも、関西馬を中心に購入すれば、回収率が上がりやすくなることがわかります。
今までなんとなく馬券購入していた人は、関西馬を意識的に選んでいくことによって、的中率と回収率が両方とも上がりやすくなるわけですね。
もちろんそれだけで利益が出るわけではありませんが、的中率と回収率の底上げにはなるので、馬券収支は改善されると思います。
▼▼ただ、近年は少しずつ、関西馬と関東馬の差が縮まってきている傾向です。
圧倒的に強かった関西馬に、関東馬が近づいてきている印象ですね。
その理由は、まず「外厩制度」
外厩とは、放牧中の調教施設のことです。
つまり、放牧した牧場で調教するという意味ですね。
昔は、放牧中は体を休めることが目的で、調教を積めなかったんですが、近年は牧場でもしっかり調教を積むことができます。
▼この外厩制度の発達により、関西馬と関東馬の差が縮まっています。
放牧中の牧場でしっかり仕上げれば、トレセンで調子を上げる必要がなくなる。
その結果、関東と関西のトレセンの差がなくなり、関東馬と関西馬の差が縮まるんですね。
▼それから、関東馬が強くなってきた理由の2つ目として、「美浦トレーニングセンターの坂路改築」があります。
昔は、栗東トレーニングセンターの坂路が優秀で、関東の坂路はイマイチでした。
それが、美浦トレセンの坂路も改築され、馬に適切な負荷がかかるようになったわけです。
その結果、関西馬と関東馬の差が縮まっています。
▼では次に、重賞レースの東西データを見ていきましょう。
【重賞レース。東西データ】2020~2024年
栗東(関西馬)
勝率7%
連対率14%
複勝率21%
美浦(関東馬)
勝率7%
連対率14%
複勝率20%
はい。
重賞レースにおける、関西馬と関東馬の好走確率は上記の通りです。
▼このデータを見ると、近年の重賞レースにおいては、関西馬と関東馬の差がほとんどないことが分かります。
先ほど見たように、全レースのデータで分析すると、完全に関西馬の方が強かった。
しかし、重賞レースに限定すると、関西馬と関東馬の差はほとんどない。
▼これはつまり、全体的な馬のクオリティを見ると、関西馬の方がレベルが高いが、トップレベルの馬だけ見ると、関西馬も関東馬も差はないということです。
これは非常に興味深いデータですね。
重賞レースだけ購入する人は、それほど関東馬を軽視する必要はないわけです。
▼ただ、注目すべきは、「重賞レースに出走する馬の数は、圧倒的に関西馬の方が多い」という点です。
重賞レースに出走するまで出世する馬の数を見ると、圧倒的に関西馬の方が多いわけですね。
・関東馬→3400頭
・関西馬→6239頭
これくらいの違いがあります。
やはり全体的な能力を見ると、関西馬の方が力が上ということがわかりますね。