1番人気のデータ

▼本日は、1番人気の回収率と的中率について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。

まず、結論から書いていきます↓


・1番人気の成績は、勝率30%・連対率50%・複勝率60%、ざっくりこれくらい。

・1番人気の単勝回収率は77%・複勝回収率は83%程度。

・1番人気の複勝率は64%以上あるので、三連複で1番人気を外すと、最大的中率は36%未満になる。1番人気はそれくらい強い。

・1番人気を軸にするにせよ、切るにせよ、1番人気馬はレースの中心であり、競馬予想の肝である。



ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。



▼競馬で最も強いのは、1番人気馬です。

1番人気とは、単勝オッズが最も低い馬。

競馬のレースでは、この1番人気馬を中心にレースが動いていくことになります。



▼それでは、この1番人気馬。

的中率や回収率はどれくらいなのか?

具体的なデータを見てみましょう。


1番人気データ】2016~2019年。11697レース分析

勝率32.6%
連対率51.5%
複勝率64.4%

単勝回収率77%
複勝回収率83%



はい。
このような数字になります。



▼この1番人気のデータは、集計期間をずらしても、よほど短い集計期間でない限りは、同じような数字になります。

なので、競馬予想ではまず、1番人気がこれくらいの強さであることを認識した上で、馬券を構成することになります。



1番人気の複勝率が64%以上という事は、三連複で1番人気を外した馬券を購入すれば、最大的中率は36%未満になってしまうということです。

逆に、三連複で1番人気馬を軸馬にすれば、最大的中率は64%程度になるということ。



▼1番人気に喧嘩を売る時は、まずこの数字を認識した上で、決断していくことが重要です。

もちろん、レースによって1番人気が強い条件や、1番人気が弱い条件があります。

それらすべての平均が、上述したような数字になるわけです。



馬連で購入する場合は、1番人気を軸馬にすれば、最大的中率は50%以上になります。

連対率が51%なので、あとはヒモ抜けがどれくらいあるかによって、馬連の的中率が変わってくるわけです。



▼ちなみにこの連対率。

10番人気の連対率は、4%しかありません。

なので、いつも大穴の10番人気くらいから馬連流しをしている人は、最大的中率が4%しかないわけです。

96%以上の馬券は、外れてしまうわけ。



▼それくらい1番人気というのは強いわけです。

勝率は、約33%なので、3回に1回くらいは1番人気が勝つことになります。

単勝馬券で1番人気以外で勝負するなら、この1番人気の勝率は頭に入れておいて損はないです。



▼ちなみにこの勝率も、人気が下がると大きく下がります。

例えば、8~9番人気なら、勝率は2%しかないし、10番人気人気以下の単勝は、勝率が1%以下なんですね。

勝率1%の馬券という事は、99%外れるということ。

これは精神的にかなり厳しいです。

1番人気の勝率33%と比較すると、これほどの大きな違いがあるわけです。


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1番人気が強い条件・弱い条件

▼1番人気の回収率と的中率についての考察を続けます。

ここでは、さらに詳細な1番人気のデータについて分析してみたいと思います。



▼まずは、「1番人気が最も強い競馬場は?


東京競馬場。単勝回収率85%

新潟競馬場。単勝回収率82%



このような感じになります。

どちらも左回りの大きなコースで、強い馬が能力を発揮しやすい競馬場になっています。



▼東京競馬場と新潟競馬場は、1番人気の複勝回収率も、85%と非常に優秀。

東京と新潟では、1番人気を中心とした馬券の組み立てから、まず考えていくのがコツになります。



▼では次に、「1番人気が最も弱い競馬場は?


京都競馬場。単勝回収率69%

福島競馬場。単勝回収率69%

小倉競馬場。単勝回収率70%



はい。
1番人気が弱い競馬場は、小回りで内枠や先行馬が有利になりやすいコースということになります。

京都競馬場は大きな競馬場ですが、直線は平坦で、内枠や先行馬が粘りこむことが多いコースです。

その分、1番人気が能力を発揮できず、負けてしまうことが多いわけですね。



▼なので、京都と福島と小倉では、1番人気の勝率が10%以上低くなっている。

そのため、馬券戦略としては、1番人気以外の馬を1着固定にするか、単勝で2番人気以下を狙っていく戦略は有効です。



▼ちなみに、中央開催とローカル開催を比較すると、これは相殺されて、どちらも同じくらいの勝率になります。


中央開催。1番人気の単勝回収率78%

ローカル開催。1番人気の単勝回収率75%



このような感じなので、中央開催とローカル開催で分けるよりは、個別の競馬場で分けて狙っていく方が、回収率は上げやすくなります。



▼右回りと左回りでは、先ほども書いたように、東京と新潟の影響で、左回りの方が1番人気の勝率が高くなっています。


右回り。1番人気の単勝回収率75%

左回り。1番人気の単勝回収率81%

直線。1番人気の単勝回収率78%



このような感じです。

新潟の直線1000mの競馬では、新潟にしては1番人気の好走確率が低くなっています。

直線競馬では、連対率も40%しかなく、「直千」は、1番人気が弱い条件と言えます。



▼▼では次に、「重賞レースの1番人気」について考えてみましょう。

多くの競馬ファンは、重賞レースを購入することが多いと思うので、重賞レースに限定した1番人気のデータを分析してみます。



▼まず、先ほども分析したように、競馬場ごとの成績を見てみましょう。

まず、「重賞レースで1番人気の成績が良い競馬場」をチェックします。
(2010~2019年)重賞1326レース分析。過去10年分


新潟競馬場⇒単勝回収率89%

東京競馬場⇒単勝回収率88%

中京競馬場⇒単勝回収率87%

阪神競馬場⇒単勝回収率83%



はい。
どれも広々としたコースで、強い馬が不利を受けにくい競馬場になっています。

新潟競馬場と東京競馬場は、平場でも重賞レースでも、どちらも1番人気の成績が良いという状況です。



▼では次に、「重賞レースで1番人気の成績が悪い競馬場」をチェックします↓


函館競馬場⇒単勝回収率53%

小倉競馬場⇒単勝回収率58%

京都競馬場⇒単勝回収率60%



はい。
これも、先程の重賞レース以外のデータと似たような感じになりました。

小回りコースで、内枠や先行馬が有利になりやすい競馬場では、強い馬が能力を発揮できず、負けてしまうケースが多々あります。

データ的には、これらの競馬場では、1番人気でも、良いポジションが取れなければ負けてしまうということを表しています。



▼残りの競馬場は、1番人気の成績がごく普通の競馬場になります↓


札幌競馬場⇒単勝回収率71%

福島競馬場⇒単勝回収率70%

中山競馬場⇒単勝回収率76%



このような感じですね。

これらの競馬場も小回りコースですが、函館・小倉・京都ほど極端な不利は少ないので、1番人気の成績はまずまずとなっています。



▼ではこれらを踏まえて、重賞レースでの1番人気の、右回りと左回りの成績を見てみましょう。


右回り⇒単勝回収率71%

左回り⇒単勝回収率86%



はい。
重賞レースで1番人気を狙う場合は、左回りの競馬場で狙っていくほうが、回収率を上げやすいことがわかります。

東京・新潟・中京では、1番人気の信頼度がアップすることを、頭に入れておくと良いかと思います。



▼ちなみに、先ほどは新潟の直線1000mは、1番人気の成績がよくないと書きましたが、重賞レースのアイビスサマーダッシュは例外的です。

アイビスサマーダッシュは、過去10年で、1番人気の成績は、このようになっています↓


単勝回収率197%
複勝回収率115%
10戦7勝(2着1回)
連対率80%


はい。
かなりの高回収率ですね。

アイビスサマーダッシュでは、素直に1番人気から馬券を構成した方が、回収率は高くなりやすい印象です。



▼▼では次に、1番人気と騎手の関係について考えてみたいと思います。


1番人気で成績の良い騎手】2016~2021年。19239レース分析

松山騎手⇒単勝回収率91%・複勝回収率90%
横山典弘騎手⇒単勝回収率92%・複勝回収率84%
藤岡佑介騎手⇒単勝回収率88%・複勝回収率90%
池添騎手⇒単勝回収率87%・複勝回収率89%
北村宏司騎手⇒単勝回収率96%・複勝回収率79%
モレイラ騎手⇒単勝回収率84%・複勝回収率86%
マーフィー騎手⇒単勝回収率99%・複勝回収率95%
古川騎手⇒単勝回収率109%・複勝回収率100%
石川騎手⇒単勝回収率93%・複勝回収率83%
森騎手⇒単勝回収率97%・複勝回収率85%
菅原騎手⇒単勝回収率111%・複勝回収率100%



はい。
過去5年半のすべてのレースを対象として、1番人気で回収率が高い騎手は、上記の通りです。



▼騎手の成績で、勝ち星や勝率を左右するのは、「いかに強い馬に騎乗するか?」という点に集約されます。

リーディング上位の騎手というのは、乗っている馬が強いから、たくさん勝てるわけです。

なので、勝ち星だけ見ていても、それが儲かる騎手かどうかはわからないわけです。



▼そこで、「人気別に騎手成績を見る」という作業が必要になります。

先ほどの1番人気のデータは、1番人気だけの成績を集めているので、「1番人気で結果を出す騎手」がわかるわけですね。



▼まず、勝ち星が多い順番に見ていくと、松山騎手は1番人気で非常に優秀な成績を残しています。

単勝回収率91%・複勝回収率90%なので、松山騎手が1番人気の時、馬単や三連単の1着固定でも利益を出せるし、三連複やワイドの軸としても高い回収率が期待できます。



▼ちなみに、トップジョッキーのルメール騎手と、成績を比較してみましょう。

ルメール騎手・1番人気⇒勝率36%・連対率54%・複勝率67%
松山弘平騎手・1番人気⇒勝率36%・連対率55%・複勝率68%


はい。
このような感じで、1番人気に限定すると、松山弘平騎手は、ルメール騎手を上回る結果を出しています。



▼ルメール騎手は、重賞レースでは圧倒的に結果を出していますが、重賞レース以外のレースでは、取りこぼすことが多いです。

それに対して、松山騎手は、重賞レース以外の1番人気をしっかり馬券圏内に持ってきている。

なので、重賞レース以外で1番人気を購入する場合は、松山騎手を狙っていくと、的中率と回収率が高くなりやすいと思います。



▼▼ここで1つ注意点なんですが、松山騎手の方が回収率も連対率も上であるからと言って、松山騎手がルメール騎手より技術が上というわけではないという点は注意です。

ルメール騎手は、現在トップレベルの騎乗技術だと思いますが、なぜ1番人気での回収率や勝率や連対率がトップにならないかというと、「過剰人気になりやすいから」なんですね。

ここはかなり重要なポイントです。



▼例えば、「ルメール騎手の単勝2.0倍」と「松山騎手の単勝2.0倍」では、馬の強さが違う。

この場合、松山騎手の単勝2.0倍の方が、馬が強いということになるわけです。

同じオッズなのに、なぜそうなるのか?



▼それは、競馬ファンがルメール騎手の単勝を多く購入するため、ルメール騎手の馬は、能力以上にオッズが下がってしまうからです。

「本来であれば2番人気の馬」でも、ルメール騎手が騎乗すると1番人気になってしまう。

なので、ルメール騎手の1番人気馬は、他の騎手が乗ると、2番人気や3番人気だったりする。

つまり、ルメール騎手の1番人気は、他の騎手の1番人気より、馬の質が下がるということです。



▼騎乗技術ではルメール騎手の方が上だが、1番人気での回収率や連対率では松山騎手の方が上。

これは、過剰人気の影響によるわけです。

なので、「同じ馬に乗るなら」松山騎手の方が勝率や連対率が上ということにはならない。

ただ、ルメール騎手は過剰人気になるので、同じ馬に乗った場合でも、回収率は松山騎手の方が上になると思います。



▼では次に、クラス別の1番人気の成績を見てみましょう。


1番人気データ。クラス別】2016~2022年。全レース対象。21375頭分析

新馬戦⇒単勝回収率81%
1勝クラス⇒単勝回収率78%
2勝クラス⇒単勝回収率78%
3勝クラス⇒単勝回収率77%
重賞レース⇒単勝回収率80%
G1レース⇒単勝回収率90%



はい。
1番人気の成績をクラス別に見ていくと、「G1レース」の1番人気が、突出して成績が良いのが分かります。



▼G1レースは、競走馬の頂点を決めるレースであり、各陣営も、騎手も、競馬新聞の記者さんも、みんないつも以上に真剣に取り組みます。

その中で1番人気になるような馬は、他のレースよりも信頼度が高くなるわけですね。

あなたも、G1レースは購入する頻度が高いと思います。

その場合は、「G1は1番人気が強い」ということを念頭に置いて予想していくと、大きなレースを的中しやすくなると思いますね。


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