▼本日は、外国人ジョッキーについて、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・外国人騎手は儲かる。日本人のトップジョッキーより、外国人騎手の方がはるかに回収率が高い。
・特に、重賞レースでは外国人騎手の回収率が高くなりやすいので、重賞レースでは外国人騎手を重点的に購入したい。
・特別戦(レース名がついているレース)は、重賞レースほどではないにせよ、やはり外国人騎手の回収率が高くなっている。
・中央競馬の騎手である、ルメール騎手・Mデムーロ騎手の成績も優秀だが、短期免許で来日している助っ人外国人騎手は、平均的にかなり回収率が高くなるので、狙い目である。
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼一昔前は、外国人騎手というのは、やや珍しい存在でした。
しかし、この国際化の時代、競馬においても、外国人騎手がどんどん流入してきています。
▼その象徴的な出来事として、「中央競馬に外国人騎手が誕生」というニュースがありました。
2015年から、Mデムーロ騎手と、ルメール騎手が中央競馬の騎手になったわけです。
これは今までの閉鎖的な競馬村の状況を考えると、革命的な出来事だったと思います。
▼しかも、2017年には、ついに外国人騎手のルメールが、リーディングジョッキーに輝くことになる。
20年前の、武豊時代から考えると、衝撃的な変化だと思います。
▼短期免許で来日する外国人騎手も多くなり、今や競馬予想に外国人騎手は欠かせないものとなりました。
では、外国人騎手は儲かるのか?稼げるのか?
本日は、そのあたりを分析してみましょう。
▼ではまず、実際の外国人騎手のデータについて見てみます。
過去10年の重賞レースのデータです(2010~2019年)
Mデムーロ騎手⇒77勝。単勝回収率138%・複勝回収率92%
ルメール騎手⇒73勝。単勝回収率117%・複勝回収率96%
ムーア騎手⇒14勝。単勝回収率121%・複勝回収率87%
Cデムーロ騎手⇒11勝。単勝回収率94%・複勝回収率76%
ウィリアムズ騎手⇒7勝。単勝回収率50%・複勝回収率86%
レーン騎手⇒6勝。単勝回収率340%・複勝回収率110%
ビュイック騎手⇒5勝。単勝回収率156%・複勝回収率141%
シュタルケ騎手⇒4勝。単勝回収率104%・複勝回収率75%
モレイラ騎手⇒4勝。単勝回収率54%・複勝回収率74%
スミヨン騎手⇒4勝。単勝回収率115%・複勝回収率105%
はい。
過去10年間で、重賞レースの勝ち星が多い外国人騎手は、上記の通りです。
▼もはや一目瞭然ですね。
これだけの好成績を見せつけられると、現代競馬は、外国人騎手を抜きにしては、競馬予想ができないことがわかります。
▼モレイラ騎手は、まだ単勝回収率が54%ですが、随所にスーパープレーを見せており、これから回収率を上げてくるものと思います。
レーン騎手などは、2019年のたった2か月程度で、重賞レース6勝ですからね。
単勝回収率340%は、もう開いた口が塞がりません。
2か月間、重賞レースでレーン騎手の単勝を買い続けるだけで、賭け金は3倍以上になったわけです。
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外国人騎手で稼ぐポイント
▼外国人騎手の回収率データについての考察を続けます。
先ほどの続き。
外国人騎手の回収率がいかにすごいかは、日本人騎手の回収率と比較してみると分かりやすいと思います。
武豊騎手⇒73勝。単勝回収率73%・複勝回収率75%
福永祐一騎手⇒66勝。単勝回収率64%・複勝回収率91%
岩田康誠騎手⇒64勝。単勝回収率68%・複勝回収率89%
川田将雅騎手⇒64勝。単勝回収率68%・複勝回収率72%
横山典弘騎手⇒53勝。単勝回収率72%・複勝回収率73%
はい。
日本人騎手で重賞レースを勝っている数のランキングは、過去10年では、上記の5人が上位になります。
▼勝ち星は、Mデムーロとルメールがツートップ。
上記の日本人騎手は、その下の3位から7位になります。
▼勝利数的にはそれほど大きな違いはありませんが、回収率を見ると明らかに低いのが分かります。
低いと言うか、これが普通なんですけどね。
これは、Mデムーロやルメールなどの外国人騎手の勝率が20%程度であるのに対し、日本人騎手の勝率はその半分くらいしかないからですね。
▼勝率が低いという事は、必然的に連対率や複勝率も低くなるので、重賞レースで軸馬に迷ったら、日本人騎手より外国人騎手を軸にした方が、回収率は上がりやすくなります。
つまり、外国人騎手の方が儲かるということになるわけです。
▼ただ、Mデムーロ騎手に関しては、中央競馬の騎手になる前の、2015年までの成績が非常に素晴らしかったんですが、2018年からは、ピークの頃の騎乗ができなくなってきている印象もあります。
2019年は、夏までの成績を見ても、単勝回収率26%・複勝回収率38%と大スランプになっており、今後も積極的に狙っていくかどうかは、少し様子見な部分がありますね。
▼それに対して、ルメール騎手は非常に安定しています。
波がなく、重賞レースでは安定的に単勝回収率が100%を超える年が多い。
直近の2019年も、単勝回収率は100%を超えているので、重賞レースで馬券を購入する場合は、まずルメール騎手を中心に馬券構成を考えると、的中率と回収率が安定すると思います。
ただ、ルメール騎手の場合は、ダートはそれほど上手くないので、芝の重賞レースで狙っていくようにすると、さらに利益を出しやすくなると思います。
▼▼ではここで、ルメール騎手の年度別の単勝回収率を見てみましょう↓
98(%)
145
126
70
172
120
198
66
83
0
(※上から2019年~2010年。重賞レース)
はい。
安定的に高い回収率を示しているのが分かります。
2016年は、単勝回収率70%になっていますが、複勝回収率は96%もあるので、2~3着狙いの馬券なら、簡単に利益を出せたことになります。
▼ルメール騎手のすごいところは、毎年の成績が安定している点。
普通、騎手データというのは、調子の波があるので、回収率が高い時期と低い時期に分かれるわけですが、ルメール騎手の場合は、毎年のように高い回収率を示しています。
なので、現時点では、重賞レースを購入するときは、ルメール騎手を中心に馬券を構成した方が、儲かるということになります。
▼では次に、ルメール騎手の芝とダートの成績について見てみましょう↓
【ルメール騎手。重賞レース過去10年データ】
芝⇒単勝回収率121%・複勝回収率96%
ダート⇒単勝回収率78%・複勝回収率81%
はい。
先ほども少し書きましたが、ルメール騎手は、芝のレースの方が成績が良いです。
ルメール騎手は、仕掛けをギリギリまで遅らせるタイプなので、切れ味を活かせる芝のレースの方が、回収率が高くなるわけです。
▼それに対して、ダートの重賞レースでは、単勝回収率78%と平凡。
ダート重賞では、ルメール騎手は普通の回収率であることを覚えておくと良いかと思います。
▼では次に、ルメール騎手の距離別の成績を見てみましょう↓
芝1200m⇒単勝回収率142%
芝1400m⇒単勝回収率125%
芝1600m⇒単勝回収率108%
芝1800m⇒単勝回収率160%
芝2000m⇒単勝回収率160%
芝2200m⇒単勝回収率7%
芝2400m⇒単勝回収率86%
芝2500m⇒単勝回収率127%
芝3000m⇒単勝回収率298%
芝3200m⇒単勝回収率56%
はい。
芝のレースでは、ほとんどのレースで単勝回収率が100%を超えています。これは驚異的ですね。
▼芝2200mでは、単勝回収率が7%になっていますが、複勝回収率は83%あるので、まずまず。
ただ、他の距離と比べると、ルメール騎手はなぜか芝2200mはあまり成績が良くないので、これは頭に入れておいてもよいかと思います。
芝2400mも、単勝回収率86%と普通ですが、勝率は29%でトップになるので、特に問題はないかと思います。
▼▼さてここまでは、「重賞レースの外国人騎手データ」を見てきました。
ここからは、「特別戦の外国人騎手データ」を見てみましょう。
特別戦とは、レース名が付いているレースで、第9レース~第11レースに多く組まれます。
【特別戦。外国人騎手データ】2016~2021年
ルメール騎手⇒370勝。単勝回収率80%・複勝回収率82%
Mデムーロ騎手⇒254勝。単勝回収率84%・複勝回収率81%
レーン騎手⇒28勝。単勝回収率93%・複勝回収率82%
モレイラ騎手⇒27勝。単勝回収率80%・複勝回収率75%
シュタルケ騎手⇒24勝。単勝回収率116%・複勝回収率86%
ムーア騎手⇒17勝。単勝回収率55%・複勝回収率88%
Cデムーロ騎手⇒15勝。単勝回収率79%・複勝回収率65%
マーフィー騎手⇒14勝。単勝回収率79%・複勝回収率90%
スミヨン騎手⇒8勝。単勝回収率97%・複勝回収率96%
ビュイック騎手⇒8勝。単勝回収率144%・複勝回収率98%
シュミノー騎手⇒7勝。単勝回収率74%・複勝回収率76%
ヒューイットソン騎手⇒6勝。単勝回収率98%・複勝回収率108%
はい。
過去6年弱で、特別戦の勝ち星が多い外国人騎手は、上記の通りです。
▼重賞レースほどでは無いにせよ、全体に回収率が高いのが分かります。
やはり外国人騎手は、騎乗技術が高いですね。
特に、短期免許で来日している外国人騎手は、特別戦で積極的に狙っていくと、回収率が高くなりやすい印象です。
▼この中で、先ほども少し言及しましたが、調子の波が大きい騎手である、Mデムーロ騎手の年度別成績を見てみましょう。
【Mデムーロ騎手。年度別成績。特別戦】
2016年⇒勝率22%・単勝回収率100%・複勝回収率90%
2017年⇒勝率26%・単勝回収率101%・複勝回収率83%
2018年⇒勝率24%・単勝回収率81%・複勝回収率85%
2019年⇒勝率11%・単勝回収率34%・複勝回収率62%
2020年⇒勝率10%・単勝回収率86%・複勝回収率77%
2021年⇒勝率14%・単勝回収率100%・複勝回収率98%
はい。
Mデムーロ騎手の場合、勝率を見ていくと一目瞭然なんですが、2019年から急激に勝率が下がっています。
これは、2019年からのMデムーロ騎手の騎乗馬が、急に弱くなったからです。
この2019年は、彼にとって試練の年で、単勝回収率34%と悲惨なことになっていました。
このまま沈んでいくかと思われましたが、2021年には、馬が弱いなりに工夫して騎乗するようになり、回収率が復活しています。
ここからどうなるか、またデータを更新していきたいと思います。
▼▼では次に、具体的なケーススタディを見てみましょう。
【アルゼンチン共和国杯2021年】
1着 オーソリティ(1番人気)ルメール騎手
2着 マイネルウィルトス(4番人気)Mデムーロ騎手
3着 フライライクバード(3番人気)
馬連1420円
三連複2640円
はい。
このレースは、外国人騎手であるルメール騎手とMデムーロ騎手の馬の期待値が高いレースで、この2頭を中心に馬券を購入するだけで、簡単に利益を出せたレースでした。
▼まず1番人気は、ルメール騎手のオーソリティ。
G1だと惨敗するが、G2までなら堅実に馬券圏内に来る馬。
今回のアルゼンチン共和国杯は、G2。しかも得意の東京コースということで、馬の期待値は高い。
そして鞍上は、トップジョッキーのルメール騎手。
条件は揃っているので、この馬が馬券の中心となります。
▼それからこのレースで期待値が高い馬がもう1頭。
4番人気のマイネルウィルトスです。
前走の札幌記念では、ソダシやラヴズオンリーユーといった一流馬相手に、0.4秒差の4着。
ここでは能力上位で、大きなレースに強いMデムーロ騎手が鞍上というのも心強い。
▼したがって馬券構成は、外国人騎手2頭の馬連1点勝負。
そして、この2頭からの三連複軸2頭流しで、相手ヒモ馬はオッズ断層から2~3番人気馬とし、三連複2点勝負という馬券構成になります。
▼結果は、想定通り、ルメール騎手とMデムーロ騎手のワンツーフィニッシュ。
3着に3番人気のフライライクバードが入り、馬連と三連複がダブル的中となりました。
▼このレースのポイントは、重賞レースで期待値が高い外国人騎手2人の馬が狙い目だったこと。
ここにだけ気付くことができれば、あとは外国人騎手を中心に馬券を構成するだけで、簡単に利益を出せたレースだったわけですね。