▼本日は、ペース判断について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・レースのペースには、「スローペース・ミドルペース・ハイペース」の3種類がある。
・スローペースなら先行馬有利、ハイペースなら差し馬有利となりやすい。
・ペースを予想するには、「逃げ馬の数」をチェックする。逃げ馬の数が多くなれば、ハイペースになる確率が上がる。逆に、逃げ馬不在ならスローペースになりやすい。
・ペースを予想するのも有効だが、すでに終わったレースのペースを分析するのも大切。「そのレースで1番強い競馬をしたのはどの馬か?」を考えて、次のレースにつなげていくと年間回収率が上がりやすくなる。
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競馬のレースでは、すべてのレースでラップタイムが計測されており、ペースによってレースの結果が大きく変わります。
ペースの分け方としては、主に3つです↓
・スローペース
・ミドルペース
・ハイペース
このような流れによって、有利な脚質も違ってくるわけです。
▼このペース判断ですが、意外と難しいです。
単純に「1,000メートルの通過タイム」で判断する方法もあるんですが、これだとほとんど意味がないわけです。
なぜなら、馬場状態がそれぞれ全然違うからです。
▼例えば、同じ1,000メートルの通過タイムでも、
「重馬場の58秒」
「高速馬場の58秒」
この2つは全く意味が違うわけです。
前者の場合はハイペースになり、後者の場合はスローペースになります。
▼スローペースとかハイペースという判断は、走っている馬にどれだけの負荷がかかるかによって、主観的に判断するものになります。
もちろん、馬場状態を計算しながら、通過タイムでペース判断するわけですが、微調整は主観的なものになるわけです。
▼では次に、各ペースごとの有利な脚質について。
ざっくりと説明すれば、下記のようになります↓
・スローペース(S)⇒逃げ馬・先行馬有利
・ミドルペース(M)⇒平等
・ハイペース(H)⇒差し馬・追い込み馬有利
こんな感じですね。
▼これに関しては、特に問題はないかと思います。
全体のペースが遅ければ、前に行った馬が余力を残すので、そのまま粘りやすくなります。
逆に、全体のペースが速ければ、前に行った馬がバテるので、後ろにいた馬が差してきます。
▼では、レース前にこの展開を読む事は可能なのか?
これについては、完璧に読む事は無理ですが、大体の展開を読むことはできます。
▼そのための簡単な判断基準としては、「逃げ馬の数」というものがあります。
当たり前ですが、逃げ馬が多数出走しているレースは、ハイペースになりやすいです。
複数の逃げ馬が、お互いに譲らず、ハナ(先頭)を主張することになれば、後続の馬も引っ張られてしまい、全体の流れが速くなるわけです。
▼なので、「このレースは、逃げ馬が3頭いるからハイペース。軸馬は差し馬にしよう」
このような考え方がオーソドックスな予想方法になります。
逆に、「このレースは、逃げ馬不在だからスローペース。軸馬は先行馬にしよう」
このような考え方ですね。
ただなんとなく軸馬を決めるよりも、自分なりに展開を予想して軸馬を決めた方が、競馬の楽しさが増す上に、回収率も上がりやすくなると思います。
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レース結果からペースを分析する方法
▼ペースの見方についての考察を続けます。
「ペースを読む」と言うと、予想段階での想定ペースばかりに気を取られる人が多いです。
でも、「すでに終わったレース」の展開を考えることも、次につながるわけです。
▼私の場合、未来のレースの展開を考えるより、終わったレースの展開を分析する方に、多くの時間を使っています。
終わったレースの展開を分析してみると、「そのレースで強かった馬」「展開に恵まれただけの馬」というのが見えてくるわけです。
▼例えば、「ハイペースだったのに、先行して3着に粘った馬」
これは強いですね。
このような馬を覚えておいて、次にその馬が出てきたときに狙います。
▼逆に、「ハイペースだったので、展開がハマって、差して勝った馬」
このようなタイプの馬が、次のレースで過剰人気になっていた場合は、その馬以外の馬を軸馬にして勝負します。
たまたま展開がハマっただけの馬は、次のレースで過剰人気になって負けるパターンが多いからです。
▼終わったレースの展開を分析する方法としては、「通過順位」をチェックする方法が、私は良いと思っています。
通過順位というのは、そのレースでその馬が通過した順位を数字で表したもの。
JRAのサイトでも、簡単にチェックすることができます。
▼通過順位の見方としては、「11-10-9」
これは差し馬の通過順位です。
逆に、「1-1-1」これは逃げ馬ですね。
「3-2-2」これは先行馬です。
▼終わったレースの、上位5頭くらいの通過順位をチェックして、「そのレースのベストポジション」を判断します。
ベストポジションにいた馬は、展開が向いた馬と言える。
逆に、ベストポジションにいなかった馬は、展開が向かなかった馬です。
▼展開が向かなかったのに、そこそこ上位に来た馬というのは、次のレースで人気の盲点になりやすいです。
つまり、過小評価されやすい。
一方で、展開が向いて上位に来た馬は、次のレースで過剰人気になりやすいわけです。
▼このように、すでに終わったレースの中にも、お宝がたくさん埋まっているわけです。
「終わったレースは考えない」という人も多いんですが、これは非常にもったいないことですね。
▼▼では次に、具体的なレースの通過順位を見てみましょう。
例えば、2019年の富士ステークス。
通過順位は、下記の通りです↓
1着ノームコア(13-12)
2着レイエンダ(16-15)
3着レッドオルガ(7-9)
4着クリノガウディー(14-15)
5着カテドラル(14-14)
はい。
このレースは、ラップタイムだけ見ると、後半に加速するスローペースにも見えますが、通過順位をチェックしてみると、先行馬は全滅しており、上位は差し馬ばかりでした。
▼馬場状態が稍重で、外を回した差し馬が有利な芝状態だったとも言えます。
このレースは、1000mの通過タイムや、ハロンごとのラップタイムからは、中身が見えてこないレースの典型でした。
▼ちなみに私の馬券は、◎ノームコアからの三連複、相手5頭で10点買い。
配当は7610円となり、賭け金は7倍以上に増えたレースでした。
ここは、特にハイペースを読んだというわけではなく、1番人気のアドマイヤマーズが過剰人気だったので、2番人気のノームコアを軸にしただけの、シンプルな馬券構成でした。
ついでに言うと、いつも当ブログで書いているように、ルメール騎手は重賞レースで軸にすると回収率が上がる騎手なので、その点でも簡単な馬券だったと言えます。
▼では次に、2019年の平安ステークス。
通過順位は、下記の通りです↓
1着チュウワウィザード(11-11-9-12)
2着モズアトラクション(15-15-15-15)
3着オメガパフューム(13-13-9-8)
:
5着サンライズソア(1-1-1-1)
はい。
ここも先行馬が壊滅したレースです。
上位に来た馬はすべて追い込み馬であり、ハイペースを読むことができれば、簡単に的中できたレースでした。
▼ここでは、このレースを的中させる事だけでなく、次のレースにつながる反省をすることも重要です。
例えば、5着のサンライズソアは、2番人気で馬群に沈みましたが、全体の通過順位を見ると、逃げたわりにはよく頑張っていることがわかります。
▼競馬では、常に人気の盲点を突いていくことで、利益を出すことができます。
一番ダメなパターンとしては、
・過剰人気で買う⇒負ける
・次走、人気落ちで軽視⇒来る
このパターンが最悪ですね。
身に覚えがある方も多いのではないでしょうか。
競馬は常に、人気の裏側を狙っていかなければならない。
そう考えると、先ほどのサンライズソアのように、「ハイペースを先行して粘っていた馬」というのを覚えておいて、次走以降で狙っていくというのが、ペースから見る基本戦略になります。
いつもうまくいくわけではありませんが、なんとなく馬券購入するよりは、はるかに回収率は高くなります。
▼▼さてここまで、ハイペースで差しが決まるパターンについて見てきました。
これは意図的に選んだわけですが、ここで注意点があります。
それは、実戦の中では、ハイペースの前潰れというケースは少なく、多くはスローペースの前残りになりやすいという点です。
▼確かに、ペースが厳しくなると、逃げ・先行馬がバテて、差し・追い込み馬が台頭することがあります。
そのような展開を読んで、「よし、ここはハイペース濃厚だから、差し・追い込み馬で勝負だ!」という予想自体は正しい。
ただ、ハイペース予想がズバリ的中するケースは少ないですね。
▼競馬においては、逃げ馬・先行馬が絶対有利です。
これは当ブログでもいつも書いていますが、競馬というのは全馬が一緒に走る競技なので、先行した馬が圧倒的に有利なわけです。
たとえハイペースでも、差し馬・追い込み馬だけで決まるケースより、逃げ馬・先行馬が粘るケースの方が多いです。
なので、馬券の中心は、ペースに関わらず、逃げ馬・先行馬ということになるわけです。
▼ペース予想の基本は、スローペースなら前残り、ハイペースなら差し決着、ということになるんですが、実際のところは、前残りの方が多い、ということです。
なので私の馬券は、ペースに関係なく、基本的には先行馬を重視しています。
なぜなら、その方が回収率が上がりやすくなるからです。
▼データ分析してみるとわかりますが、競馬で回収率が高いのは、逃げ馬と先行馬です。
差し馬は回収率が低く、追い込み馬の回収率は最悪です。
ですから、どんな展開であったとしても、逃げ馬・先行馬を狙っていくのが、回収率的にはベターということになります。
▼ただ、逃げ馬を狙う場合は、「同型」がいるかどうかを考慮する必要があります。
同型、つまり同じ逃げ馬が他にいるかどうか。
これによって、逃げ馬の期待値が変わってきます。
▼逃げ馬というのは、いかに気分良く、単騎(1頭)で逃げることができるかどうかが最大のポイントになります。
したがって、他にも逃げ馬がいる場合は、逃げ馬同士で潰し合ってしまうため、逃げ馬の期待値が下がります。
そのような場合は、無理に逃げ馬を狙わず、先行馬を狙う方が良いということになるわけです。
尚、このような逃げ馬多数のケースでも、追い込み馬を軸にするより、先行馬を軸にした方が、長期回収率は高くなります。
▼▼ではそれを踏まえて、次のケーススタディーを見てみましょう。
【日経賞2022年】
1着 タイトルホルダー(1番人気)
2着 ボッケリーニ(4番人気)
3着 ヒートオンビート(2番人気)
三連複1470円
はい。
このレースは、逃げ馬不在でスローペース濃厚。
そのため、先行馬を狙えば、簡単に馬券が的中できたレースでした。
▼まず最初に、逃げ馬の数をチェックします。
前走で逃げた馬の数は、0頭。
前々走で逃げた馬は、タイトルホルダーのみ。
ということで、この日経賞は、タイトルホルダーの単騎逃げが濃厚というレースになります。
▼逃げ馬が1頭になれば、その多くはスローペースになります。
例外的に、ハイペースで引っ張る逃げ馬もいますが、それはあくまでも例外。
基本的に逃げ馬は、スローペースになればなるほど有利なので、単騎逃げの場合は、ペースは落ち着いて、スローペースになる確率が高い。
スローペースになれば、その逃げ馬の好走確率は上がり、他の先行馬も粘り込む確率が高くなります。
▼それらを頭に入れながら、この2022年の日経賞を予想してみましょう。
展開的には、スローペース濃厚。
ということは、1番人気のタイトルホルダーは、楽に逃げることができる。
タイトルホルダーの好走確率は高いと見て、この馬を三連複の軸とします。
▼ただ、タイトルホルダーは、単勝1.6倍の断然人気。
断然人気馬から、三連複軸1頭ながしを仕掛けると、合成オッズが下がってしまい、なかなか利益を出すのが難しくなります。
そこでここでは、「三連複軸2頭ながし」を選択します。
当ブログでいつも推奨している買い方ですね。
三連複軸2頭流しなら、かなり買い目点数を減らすことができるので、合成オッズも上げやすくなります。
▼ということで、2頭目の軸馬ですが、上述したようにスローペースの可能性大なので、できるだけ先行馬を選びます。
軸馬は1~3番人気から選ぶのが基本になるので、ここでは「2~3番人気のうち、より前に行ける方」を選ぶことになります。
▼3番人気のアサマノイタズラは、現時点では完全に追い込み馬なので、これは見送り。
2番人気のヒートオンビートは、2000mから2500mへの距離延長で、先行できる可能性が高いので、こちらを軸馬とします。
▼馬券構成は下記の通りです↓
三連複軸2頭ながし
軸
1番人気タイトルホルダーと、2番人気ヒートオンビート
相手ヒモ馬
4~9番人気(6点買い)
という感じになります。
▼結果は、予想通りのスローペースとなり、前残りの決着。
軸馬が1.3着と入り、三連複が的中となりました。
6点買いで配当が1470円なので、レース回収率は245%と、簡単に的中できた割にはまずまずの利益となりました。
このレースのポイントは、逃げ馬不在でスローペース濃厚だったこと。
スローペースを意識するだけで、簡単に三連複が的中できたレースだったわけですね。