▼本日は、開幕週について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・開幕週は、インコースを走った馬が、圧倒的に有利
・よって開幕週では、内枠の馬と、逃げ・先行馬の期待値が高くなる
・開幕週の1~4番枠は、要注意
・特に、開幕週の1番枠は、回収率が高くなりやすいので狙い目
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼開幕週とは、その競馬場での開催が初めて行われる週のことです。
競馬では、開催単位で競馬場を移動していきます。
例えば、中山競馬場から東京競馬場に開催が移るとき、その最初の週を「開幕週」と言うわけですね。
▼この開幕週の特徴としては、まずなんと言っても、「馬場状態が良い」
競馬場のコースは、開催が進むほどボロボロになり、馬場が悪化していきます。
だから、ローテーションで競馬場を移動していくわけですが、開幕週は、最初の週なので馬場状態は良好です。
▼馬場状態が良いと言う事は、馬場の内側が荒れていないということ。
芝コースの場合、開催が進むほど、馬場の内側から荒れていく傾向にあります。
馬場の内側が荒れると、外を回った馬の差しが決まるようになる。
これが、開催後半の傾向です。
▼そして、開幕週の傾向ですが、これと真逆になります。
つまり開幕週は、インコースを通った馬が、圧倒的に有利になる。
競馬のレースは、円形のコースを回る勝負ですから、距離ロスのないインコースを走った方が有利なわけです。
そしてこの傾向は、開幕週で内側の馬場が綺麗な時に、より顕著になる。
▼つまり、「開幕週は、内枠や先行馬が有利である」というのが、基本的な傾向になります。
なので、開幕週の芝コースでは、内枠の馬や先行馬を狙っていくと、回収率が上げやすくなると言えます。
▼ではここで、具体的な開幕週のデータ傾向を見てみましょう↓
【中央開催。開幕週。2016年からの4年データ】
逃げ馬⇒単勝回収率299%
先行馬⇒単勝回収率104%
差し馬⇒単勝回収率43%
追い込み馬⇒単勝回収率13%
はい。
開幕週の脚質別データです。
見ての通り、逃げ・先行馬が圧倒的な回収率になっています。
▼これはつまり、「開幕週で、逃げた馬の単勝を購入すれば、回収率は300%になる」ということです。
開幕週では、基本的には逃げるであろう馬を狙っていけば、儲けやすくなる。
これだけ見ると、簡単に大儲けできそうな気がしますが、ここには問題点もあります。
▼それは、「どの馬が逃げるか分からない」という部分です。
上述したデータは、あくまでも「そのレースで逃げた馬の回収率は299%」ということ。
でも、逃げ馬であっても、確実に逃げることができる訳では無い。
差し馬がいきなり逃げることもあるわけです。
▼ここが非常に重要なポイントで、「前走で逃げた馬が、儲かるわけでは無い」ということです。
開幕週で儲けるポイントは、「逃げ馬ではないが、メンバー構成的にハナを切る可能性が高い馬」
これを狙っていくことができれば、開幕週で簡単に利益を出すことができるわけです。
競馬の年間収支をプラスにするサイトを公開
▼競馬ファンの最終目標である「年間プラス収支」
これを達成するためには、馬券知識を身につけるしかない。
私が、年間プラス収支を達成できたのは、
やっぱり⇒『このユニークなサイト』で学んだからです。
開幕週のデータ傾向と馬券の買い方
▼開幕週の傾向についての考察を続けます。
ここでは、さらに具体的なデータについて考えてみます。
先ほどの続きで、「逃げた馬」のデータを考えてみましょう↓
前走逃げで、今走も逃げ⇒単勝回収率62%
前走先行で、今走は逃げ⇒単勝回収率276%
前走差しで、今走は逃げ⇒単勝回収率482%
前走追い込みで、今走は逃げ⇒単勝回収率677%
はい。
これは非常に興味深いデータです。
先程私は、前走で逃げた馬が儲かるわけではないと書きましたが、データ的にそれが立証されています。
▼開幕週では、逃げた馬が圧倒的に有利になるが、逃げ馬を買えば儲かるというものでは無い。
逃げ馬は、勝率は確かに高いんですが、開幕週で逃げ馬が有利というのは、多くの競馬ファンが知っている。
だから過剰人気になり、回収率が下がってしまうわけです。
▼この辺は、ちょっとややこしいかもしれませんが、「前走で逃げてないけど、このメンバーなら逃げるかもしれない馬」
これを開幕週で狙っていくことを意識すれば、かなり利益を出しやすくなります。
▼ちなみに、上述したデータを、勝率で考えてみましょう↓
前走逃げで、今走も逃げ⇒勝率14%
前走先行で、今走は逃げ⇒勝率18%
前走差しで、今走は逃げ⇒勝率10%
前走追い込みで、今走は逃げ⇒勝率13%
はい。
前走で逃げた馬は、回収率は62%しかないわけですが、勝率は14%もある。
やはり、開幕週で逃げ馬は強いということがわかります。
▼ここまでをまとめると、逃げ馬は好走確率は高いが、回収率が低い。
この傾向を利用すると、「人気の逃げ馬か先行馬を軸にして、ヒモも前に行けそうな馬」
という馬券構成にすることによって、開幕週での回収率を一気に引き上げることができます。
▼開幕週で、逃げ馬単体を狙っても、なかなか回収率は上がりませんが、ヒモの期待値を高めることによって、トータルでの的中率と回収率を同時に高めていくことができるわけです。
少し上級者向けの話になっていますが、慣れれば初心者さんでもわかると思います。
とにかく開幕週での狙いは、「逃げそうな馬」「前に行きそうな馬」「逃げ馬」
前目にポジションを取れる馬を狙うことが、開幕週の必勝法になってくると思うわけです。
▼▼では次に、また別の角度から、開幕週の買い方を考えてみましょう。
【中央開催。芝。開幕週データ】2015~2019年
上がり3ハロン1位⇒単勝回収率266%
上がり3ハロン2位⇒単勝回収率132%
上がり3ハロン3位⇒単勝回収率151%
上がり3ハロン6位以下⇒単勝回収率17%
はい。
これは開幕週に限ったことではありませんが、特に開幕週では、上がりの速い馬が強いということになります。
▼開幕週の場合、馬場状態が絶好なので、各馬の上がりが速くなります。
上がりというのは、上がり3ハロン。つまり、レースの最後の600mのタイムです。
▼開幕週では、この上がりが速い馬を狙っていくことで、回収率を引き上げることができます。
上述したデータを見てもわかる通り、開幕週で儲かる馬は、上がり1~3位の馬なんですね。
特に、上がり1位の馬の回収率は素晴らしいものがあります。
▼この上がり3ハロン1位の馬。
比較的狙いやすいポイントとしては、「内枠」ですね。
上がり3ハロンというのは、最後の600mのタイムなので、4コーナーで大外を回す馬より、内々をロスなく走った馬の方が、上がりが速くなりやすいわけです。
逆に考えると、上がり最速でも、外枠だと回収率が上がりにくいとも言えます。
▼具体的なデータを見てみましょう。
【中央開催。芝。開幕週。上がり3ハロン1位の馬。枠順別データ】
(上から、1~8枠。連対率)
65.5%
60.3%
60.0%
54.1%
55.8%
54.9%
50.6%
49.0%
はい。
「開幕週で、上がり3ハロン1位を出した馬」の枠順データです。
このデータを見ると、内枠で上がり最速なら、連対率が高くなることがわかります。
▼逆に、外枠だと、上がり最速を記録しても、なかなか連対率が上がってこないことがわかります。
これは、外枠で上がり最速ということは、大外を回して追い込んでいるケースが多いので、開幕週だと届きにくいことを意味しています。
▼芝のレースでは、開幕週に限らず、内枠が有利になりやすいわけですが、開幕週だとその傾向がより顕著になります。
連対率で10%以上も違ってくるので、開幕週であえて外枠を狙っていく意味は、あまりないと言えます。
開幕週では、「上りが速い馬」と「内枠」を、組み合わせて狙っていくことで、効率的に回収率を上げていきたいところです。
▼▼では次に、開幕週の枠順別データを見てみましょう。
【開催1日目。芝レース。枠順別データ。連対率】2016~2021年
18.9%
16.9%
15.3%
18.1%
15.6%
16.8%
17.3%
15.7%
16.5%
13.1%
12.1%
13.6%
11.7%
13.3%
10.7%
11.2%
9.1%
16.4%
(上から1~18番枠)
はい。
開幕週の芝のレースで、枠順別の連対率を集計すると、上記のようになります。
▼このデータを見れば一目瞭然ですが、内枠になればなるほど連対率が高くなっています。
上述した通り、芝コースというのは、内側の馬場状態が良い場合、明らかにインコース有利になります。
なので、開幕週の芝コースでは、内枠の馬を優先的に拾っていくことで、的中率が上がりやすくなるわけです。
▼では次に、「開幕週の軸馬選び」について考えてみましょう。
当ブログでの推奨は、1~3番人気馬が軸馬候補となるので、その人気ゾーンでデータを集計してみます。
【開催1日目。芝レース。1~3番人気の枠順別データ。単勝回収率】2016~2021年
102(%)
86
92
91
73
66
74
58
99
90
73
84
61
81
85
127
45
113
(上から1~18番枠)
はい。
開幕週で、1~3番人気馬の成績を枠順別に集計すると、上記のようになります。
▼ところどころ誤差はありますが、基本的には、1~4番枠の単勝回収率が高くなっています。
このことから、「開幕週で軸馬を選ぶ場合は、1~4番枠の人気馬を選ぶ」と、回収率が高くなりやすいことがわかります。
▼特に、芝の開幕週で、1~3番人気の馬が1番枠の時は、単勝単体でもプラスになっています。
具体的な成績は、勝率27%、連対率47%、複勝率60%という、優秀な数字になっています。
▼なので、開幕週の芝のレースを購入する場合は、「内枠の人気馬を軸にする」ことを意識するだけで、大きく回収率が上がると思います。
注意点としては、複勝回収率はそれほど高くなく、単勝回収率が高いという点です。
なので、開幕週で内枠の人気馬を狙う場合は、馬連や三連複の軸にするより、単勝や馬単・三連単の1着固定の方が、利益を出しやすいということになりますね。
開幕週での内枠の人気馬は、安定的に3着以内に来るというよりは、しっかり勝ち切る、という傾向にあるわけです。
▼▼では次に、具体的なケーススタディを見てみましょう。
【鳴尾記念2020年】開幕週1日目
1着 パフォーマプロミス(10番人気)1番枠
2着 ラヴズオンリーユー(1番人気)7番枠
3着 レッドジェニアル(4番人気)8番枠
馬連3360円
三連複7730円
はい。
このレースは、「開幕週の内枠狙い」で、簡単に好配当が的中できるレースでした。
▼16頭立てのレースでしたが、開幕週の芝重賞レースということで、外枠は軽視。
1~9番枠の馬で馬券を構成します。
毎回このような「外枠切り」がうまく機能するわけではありませんが、今回取り上げる2020年の鳴尾記念は、外枠に有力馬が固まるという偏った枠順だったので、思い切って内枠狙いで好配当を狙えるレースになります。
▼まず軸馬ですが、1~3番人気で1~9番枠という条件に該当するのは、1番人気のラヴズオンリーユーだけ。
よってここは、自動的に軸馬が決定します。
単勝1.8倍と、過剰人気傾向ですが、相手ヒモ馬を人気薄にすることで、合成オッズのバランスを取っていきます。
▼相手ヒモ馬は、1~9番枠かつ、10番人気までの馬とします。
このレースは、10番人気までで明確な「オッズ断層」が発生していたので、ヒモは10番人気までに絞り込むことができます。
もちろん、オッズ断層を越えて大波乱になることもありますが、確率的には断層の範囲内に収まるケースが多いです。
▼上記の条件に該当するヒモ馬は、5頭になる。
この時点で、買い目が決定します。
馬券構成は下記の通りです↓
軸
1番人気ラヴズオンリーユー(7番枠)
相手ヒモ馬
4.6.8.9.10番人気(1~9番枠)
馬連5点
三連複10点
という感じですね。
▼結果は、開幕週の1枠1番を引いた、10番人気のパフォーマプロミスが1着。
2着に軸馬のラヴズオンリーユーが入り、馬連は5点で3360円で、レース回収率672%。
三連複は10点で7730円と、レース回収率773%の高回収率となりました。
▼このレースのポイントは、開幕週で外枠に有力馬が固まっていたので、内枠狙いで高配当が狙えたこと。
そして、10番人気まででオッズ断層が生じていたので、ヒモは10番人気までに絞り込むことができたこと。
この2点に気づくことができれば、簡単に好配当を的中できたレースだったわけですね