▼本日は、競馬で有利な枠順について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・競馬は基本、内枠有利で外枠不利。
・ただこれは芝のレースの話で、ダートレースでは逆に、外枠有利になる。
・また、距離もポイントで、長距離戦は内枠有利になりやすいが、短距離戦は外枠有利になりやすい。
・内枠の馬は、好走確率は高いが、過剰人気になりやすいので、回収率は外枠の馬の方が高いこともある。
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競馬では、それぞれの馬に枠順が与えられ、その枠順からスタートすることになります。
インコースから順番に、1番枠・2番枠・3番枠・・・という感じで、最もアウトコースが、18番枠になります。
▼競馬場の形は、円形なので、インコースを走った方が距離ロスがなく、有利になります。
つまり、競馬では基本的には、内枠の方が有利になりやすい。
ただこれは、芝のレースでの話です。
▼ダートのレースは、砂の上を走るので、外枠の方が有利になりやすいケースがあるわけですね。
参考記事
↓
ダート戦の買い方。有利な枠順
▼このように、芝のレースとダートのレースで傾向がそれぞれ違っているので、一概に、内枠と外枠のどちらが有利とは言えない状況です。
ついでに言うと、「距離」によっても、内枠有利か外枠有利かが変わってきます。
例えば、長距離戦は内枠有利になりやすいが、短距離戦は外枠有利になりやすい、という傾向もあるわけです。
▼もしこのような、条件による有利不利の変化・変遷がなければ、「競馬は内枠有利だ!」と言い切れるのでしょう。
でもそうはならない。
競馬では、様々なレース条件が存在しており、その条件によって、どの枠が有利かが変わってくるからです。
▼多くの競馬ファンは、ここの部分を理解していない。
細かく分類して考えるのが面倒だから、全部一緒くたにして、シンプルに考えようとするわけです。
だから、なかなか馬券収支がプラスにならないんですね。
▼具体的なデータも見てみましょう。
過去4年程度の、芝のレースの枠順データです↓
・1番枠⇒複勝率24%
・18番枠⇒複勝率14%
はい。
芝のレースにおいては、最内枠と大外枠では、3着内率に10%もの差が出ているわけです。
このことから、芝のレースではやはり内枠有利と言わざるを得ません。
▼ただ、これには注意点があります。
次のデータを見てみましょう↓
・1番枠⇒単勝回収率71%
・18番枠⇒単勝回収率75%
はい。
衝撃の数字が出てきました。
先ほど、芝のレースでは圧倒的に内枠が有利だとデータで立証されたのに、回収率ではなんと、大外枠の方が回収率が高いわけです。
これはなぜなのか?
▼この理由は、「芝のレースでは外枠が不利だと、競馬ファンは分かっているので、外枠の馬は馬券が売れないから」です。
参考までに、このようなデータもあります↓
・1番枠⇒平均オッズ58倍
・18番枠⇒平均オッズ95倍
はい。
枠順が違うだけで、ここまでオッズに差が出てしまうわけですね。
これによって、大外枠の馬は過小評価となり、回収率が上がり、むしろ内枠の馬よりも儲かるケースが出てくるわけですね。
このような大衆心理・傾向を利用すれば、馬券で利益を出すことができます。
競馬は面白いですね。
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これを達成するためには、馬券知識を身につけるしかない。
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やっぱり⇒『このユニークなサイト』で学んだからです。
回収率が高いのは、内枠?外枠?
▼競馬は内枠と外枠どっちが有利か?についての考察を続けます。
先ほどの続き。
ここまでをまとめると、「芝のレースでは、圧倒的に内枠有利だが、内枠の馬は過剰人気になり回収率が下がるので、むしろ外枠の馬の方が儲かるケースもある」
ということになります。
▼先ほどのデータの続きで、「最も単勝回収率が高い枠順」を見てみましょう↓
・14番枠⇒単勝回収率105%
・17番枠⇒単勝回収率86%
はい。
芝のレースにおいて、フィルタリングなしで、回収率が高い枠順は、上記の2つになっています。
どちらも外枠ですね。
▼ただ、14番枠も17番枠も、勝率が高いわけではないんです。
勝率が高いのは、やっぱり内枠の馬なんですね。
それでも回収率は、14番枠と17番枠が高くなっている。
これは、外枠が嫌われて、過小評価されているということの証明ですね。
▼では次に、「複勝回収率が高い枠順」を見てみましょう↓
・1番枠⇒複勝回収率76%
・2番枠⇒複勝回収率75%
はい。
今度は、最内枠の1番枠と2番枠の回収率が高くなりました。
▼このことから、「芝のレースでは、内枠は過剰人気になるが、複勝回収率で考えるとまだ内枠が高いので、複系馬券で狙うなら、内枠が有利」
ということになるかと思います。
▼複系馬券というのは、複勝馬券・ワイド馬券・馬連・三連複ですね。
2~3着以内が的中の条件になる馬券です。
このような複系馬券で勝負するのであれば、「芝のレースでの内枠狙い」が有効に作用するわけです。
▼ここまでの話を合算すると、「内枠は安定感がある」「外枠は回収率が高い」
という事になりやすいので、あえて単系馬券で、「1着に外枠」「2~3着に内枠」という形で狙うのも面白いです。
これは、高い的中率と回収率をピンポイントで狙う買い方で、使いこなすまで慣れが必要ですが、慣れてくると、利益を出しやすい買い方になっています。
▼▼では次に、重賞レースの枠順別データを見てみましょう。
【芝の重賞レース。枠順別データ。勝率】※上から1枠~8枠
2010~2019年
8.2%
7.1%
7.4%
5.9%
5.7%
6.2%
5.9%
6.8%
はい。
芝のレースでは、内枠の勝率が高くなっています。
外枠になればなるほど勝率が下がっていきますが、大外の8枠だけは、勝率がアップしています。
これは、大外枠はゲートの入りが最後で出遅れリスクがなく、前が詰まるリスクもないので、好走確率が上がるためです。
▼では次に、単勝回収率のデータを見てみましょう。
【芝の重賞レース。枠順別データ。単勝回収率】※上から1枠~8枠
79(%)
70
78
78
58
58
50
67
はい。
単勝回収率なので、勝率のデータとほぼリンクしています。
芝の重賞レースでは、内枠の方が単勝回収率が高く、外枠になると回収率が下がる傾向にあります。
芝の重賞レースだと、どうしても最短距離を走れる内枠の馬が有利になり、勝率・回収率ともに高くなりやすいわけです。
▼では次に、複勝率のデータを見てみます。
【芝の重賞レース。枠順別データ。複勝率】※上から1枠~8枠
21.4%
22.3%
21.8%
20.6%
18.7%
18.6%
18.3%
18.2%
はい。
複勝率で見てみると、最も美しく内枠有利が形成されているのが分かります。
芝の重賞レースでは、内枠になればなるほど、3着以内に入る確率が高くなるということです。
内枠と外枠で迷った時は、内枠の馬を選択していくと、長期回収率が高くなりやすいと思います。
▼では次に、複勝回収率を見てみましょう。
【芝の重賞レース。枠順別データ。複勝回収率】※上から1枠~8枠
78(%)
85
83
85
64
65
64
65
はい。
複勝率の数字と同じように、内枠が有利な傾向になっています。
内枠と外枠では、回収率に20%程度の差が出ており、この差は長期回収率で考えると、かなり大きなものになります。
また、複勝馬券だけでなく、ワイドや三連複で勝負する場合は、さらにこの格差は広がることになります。
▼したがって、芝の重賞レースで、ワイドや三連複を購入する場合は、内枠の馬を中心に考えていくことが重要になります。
もちろん、馬場状態によっては外枠の馬が伸びるケースもありますが、それはレアケースです。
長期的に考えていくと、芝の重賞レースでは、やはり内枠の馬が有利になるケースが多く、内枠の馬を優先的に選択していくことによって、長期回収率も上がりやすくなるわけです。
▼▼ここまでのデータを見てもわかる通り、芝の重賞レースでは、内枠有利になるケースが多いです。
これは、重賞レースのレベルが高いからです。
競馬では、レースのレベルが高くなればなるほど、内枠有利になりやすくなります。
なぜかと言うと、ハイレベルなレースになればなるほど、わずかな距離ロスが致命傷になるからです。
▼例えば、日本の競馬の頂点である、日本ダービーやジャパンカップでは、「1枠1番」の回収率がかなり高くなっています。
これは、東京芝2400mの特徴でもありますが、それ以上に、「ハイレベルな芝のレースでは、内枠が有利になる」という傾向によるものです。
▼逆に言うと、午前中のレースなど、レベルの低い平場のレースでは、それほど内枠有利にならないと言えます。
レベルの低いレースでは、ギリギリの勝負にならないので、枠順による影響は小さいです。
それよりも、馬の能力や、展開による影響が大きくなるわけですね。
▼ただ、多くの競馬ファンは、重賞レースを中心に馬券購入すると思います。
そして、重賞レースの多くは、芝のレースです。
という事は、「多くの人は、内枠有利のレースを購入している」ということになります。
▼重賞レースを中心に馬券購入している人は、「迷ったら内枠を優先する」という馬券戦略にすることによって、的中率と回収率が上がりやすくなりますね。
「芝の重賞レースでは、内枠が有利である」ということを頭に入れておくだけでも、馬券検討で迷わずに済むと思います。
▼ただ上述した通り、これは芝の重賞レースの話であり、「ダートの重賞レース」では、傾向が真逆になります。
つまり、「ダートの重賞レースでは、外枠有利になる」ということです。
ダートというのは、砂の上を走る競走。
内枠だと、砂が馬の顔に飛んできてしまい、馬が走る気をなくしてしまいます。
したがって、ダートだと外枠有利になりやすいわけです。
▼また、これも先ほど書きましたが、芝の重賞レースであっても、「芝の短距離重賞」は、外枠有利になりやすいです。
なぜかと言うと、芝の短距離重賞で、内枠で出遅れると、馬群に包まれてしまい、リカバリーできなくなるからです。
なので、芝の重賞レースで内枠有利になるのは、基本的には、1600m以上のレースということになります。
芝1200mと芝1400mは、逆に内枠が不利になるケースもあるので、注意が必要ですね。
▼▼では次に、ダート重賞レースでの枠順データを見てみましょう。
【ダート重賞レース。枠順別・連対率データ】2010~2022年
11.2%
11.8%
12.9%
17.7%
13.0%
18.3%
8.1%
15.0%
10.8%
10.2%
14.1%
15.4%
13.0%
11.8%
14.9%
10.7%
(※上から、1~16番枠)
はい。
過去10数年のダート重賞レースにおいて、枠順別の連対率を算出すると、上記のようになります。
▼芝のレースと比較すると、明らかに外枠の馬の成績が良くなっています。
芝のレースでは、圧倒的に内枠の連対率が高かったんですが、ダートのレースでは互角か、むしろ外枠の方が連対率が高く出ています。
ダートで外枠の連対率が高いのは、先ほども少し書きましたが、「ダートの内枠は砂をかぶるので不利」「ダートの内枠は出遅れたらリカバリーが難しい」という理由によります。
▼ダート戦では、芝のレース以上に先行馬有利になりやすいので、内枠で出遅れると、絶望的な展開になります。
外枠なら、出遅れてもすぐに押して行って、リカバリーすることが可能なんですが、内枠だと出遅れると馬群に包まれてしまい、先行するのは困難になります。
▼ダート戦で出遅れると成績が悪化するデータを、もうひとつ見てみましょう。
【ダート重賞レース。偶数枠・奇数枠データ】
偶数枠⇒連対率14%・単勝回収率88%・複勝回収率71%
奇数枠⇒連対率12%・単勝回収率62%・複勝回収率71%
はい。
ダート戦では、明らかに奇数枠より、偶数枠の方が成績が良くなっています。
これはなぜか?
▼これは、競馬のレースの「枠入れの順番」に理由があります。
日本の中央競馬では、枠入れ時(ゲートに入る時)先に奇数枠(1.3.5.7…)の馬をゲートに入れて、その次に偶数枠(2.4.6.8…)の馬をゲートに入れるわけです。
という事は、必然的に奇数枠の馬は、ゲートの中で待たされる時間が長くなる。
サラブレッドは繊細な生き物なので、狭いところで長い時間、待たされてしまうとイライラしてきます。
その結果、ゲート先入れの奇数枠の馬は、出遅れるリスクが高くなり、連対率や回収率が下がってしまうというわけです。
▼なので、ダート戦で迷ったら、偶数枠の馬を選んでいくというのは有効です。
特に、ダート重賞レースの場合、有利な枠順は、4番・6番・8番になります。
やや内目の枠かつ、後入れの偶数枠ということですね。
このようにダート重賞レースでは、外枠有利という他に、偶数枠有利というデータもあるので、頭に入れておくと良いかと思います。