1番人気の単勝で儲かるか?

▼本日は、1番人気の単勝について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。

まず、結論から書いていきます↓


・競馬で最も強い馬は、1番人気馬である。

・1番人気馬は、勝率30%、連対率50%、複勝率60%くらいの好走確率がある。

・ただ、1番人気馬を買い続けても利益は出ない。

・1番人気馬の単勝回収率は77%、複勝回収率は83%程度。

・なので闇雲に1番人気馬を購入するのではなく、「儲かる1番人気馬」を選んで購入する必要がある。



ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。



競馬において、最も強い馬は、1番人気の馬です。

これには異論がある方もいるかもしれませんが、長期的に見ると、1番人気馬は最強なのです。

データ分析すればわかりますが、どの年を見ても、勝率が最も高いのは、1番人気馬です。



▼では、1番人気の単勝を買えば儲かるのか?

この部分について、データ分析を交えながら、考えてみたいと思います。



▼まず、2016年から過去4年程度の1番人気のデータを見てみます↓


【1番人気馬】13363頭分析

単勝回収率77%
複勝回収率83%



はい。
すべてのレースの平均を出すと、このような数字になります。



▼これはつまり、1番人気の単勝馬券を買い続ければ、回収率は77%に収束することを示しています。

という事は、1番人気馬の単勝馬券を買い続けると、大きく負けることになるわけです。

「1番人気馬はいつも勝っているから、1番人気の単勝を買えば、儲かるんじゃないか?」と思っていたそこのアナタ。競馬はそんなに甘くありません。



▼かと言って、1番人気の単勝で利益が出ないわけではありません。

これはあくまでも、すべてのレースの1番人気馬を購入した場合の回収率です。

ここから、「1番人気が強い条件」に絞り込めば、 1番人気の単勝でも儲かるわけです。

1番人気の単勝で利益を出すためには、「1番人気が強いレースを選んで単勝を買う」ということが必須になるわけです。



▼例えば、1番人気が活躍しやすい「東京競馬場」のデータを見てみましょう。


・東京競馬場。横山典弘騎手で1番人気⇒単勝回収率117%

・東京競馬場。武豊騎手で1番人気⇒単勝回収率110%

・東京競馬場。戸崎圭太騎手で1番人気⇒単勝回収率94%

・東京競馬場。ルメール騎手で1番人気⇒単勝回収率88%

・東京競馬場。北村宏司騎手で1番人気⇒単勝回収率99%



はい。
東京競馬場で1番人気になったときに、回収率が高い騎手に絞り込んでみました。

これらの騎手は、東京競馬場で1番人気になった時に、しっかりと人気に応えてくる騎手です。



▼フィルタリングが広めなので、単勝馬券では少し利益を出しにくい感じになっていますが、三連単や馬単の1着固定なら、十分に儲かる条件になっています。

東京競馬場で、彼らが1番人気の時に、1着固定を考えていくと、回収率が上がりやすくなると思います。



▼東京競馬場のデータのついでに、ひとつ面白いデータがあります。

・東京競馬場の1番人気。大外18番枠⇒単勝回収率161%

はい。
一般的には、大外枠は不利なんですが、東京競馬場で1番人気馬が18番枠だと、かなり高い回収率になっています。

161%は高すぎるので、ここから下がる可能性もありますが、一応頭に入れておくと、儲かるチャンスがあるかもしれません。


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1番人気が儲かる条件

▼1番人気の単勝で勝つ方法についての考察を続けます。

先ほどの続き。

東京競馬場の1番人気馬について、さらに深く考えてみたいと思います。



▼次に、このようなデータ↓

・東京2400mで1番人気⇒単勝回収率91%

はい。
ダービーやジャパンカップなどが行われる東京2400mは、1番人気の信頼度が高いコースになっています。

単勝回収率91%なら、三連単や馬単の1着固定で利益を狙えます。



▼さらにこの条件は、複勝回収率も93%あるので、三連複や馬連の軸馬としても活用可能です。

東京2400mは、紛れが少なく、強い馬が能力を発揮しやすいコースになっています。



▼それから、有名なデータですが、このような数字もあります↓

・東京2400mの1番人気。1枠1番⇒単勝回収率136%

はい。
東京2400mは、内枠有利のコースであり、1番枠の回収率が非常に高くなっています。

これは1番人気でも例外ではなく、このコースで1番人気馬が、1番枠に入った時は、単勝馬券でもプラス収支を狙える状態になっています。



▼あとは、東京2000mも、1番人気の信頼度が高いコースになっています。

・東京2000mの1番人気⇒単勝回収率89%

はい。
ここからさらにフィルタリングしてみます。


・東京2000mの1番人気。2番枠⇒単勝回収率168%

はい。
このコースも内枠有利で、1番人気馬が2番枠に入った時の回収率が、かなり高くなっています。

東京2400mは、1番枠が圧倒的に有利なコースなんですが、東京2000mは、2番枠がデータ的には良いです。



▼東京2000mは、スタートしてすぐコーナーがあるので、出遅れるとあまりよくない。

その点で、下記のようなデータもあります↓

・東京2000mの1番人気。偶数枠⇒単勝回収率100%


はい。
偶数枠、つまり「後入れの枠」ですね。

競馬の場合、後入れの偶数枠の方が、ゲートの中で待たされる時間が短く、出遅れるリスクが低くなります。

東京2000mでは、出遅れが致命傷になるので、偶数枠と奇数枠の差が大きくなっている印象です。

ちなみに、奇数枠の単勝回収率は80%しかありません。

東京2000mで出遅れると、なかなか勝ち切れないという状況が見えてきますね。



▼▼さて、ここまでは東京コースでのデータを見てきました。

次に、中央4場の全体データを見てみましょう。


1番人気データ】2015~2019年。全クラス対象。16790頭データ

東京競馬場⇒勝率35%・単勝回収率83%
中山競馬場⇒勝率33%・単勝回収率78%
京都競馬場⇒勝率31%・単勝回収率71%
阪神競馬場⇒勝率34%・単勝回収率77%



はい。
1番人気馬の成績を、競馬場ごとに見ていくと、このようになります。



▼まず、上述したように、1番人気が最も信頼できる競馬場は、東京競馬場ということになります。

東京競馬場は、中央4場の中で最も大きいコースであり、不利が少ないので、強い馬が能力を発揮しやすいです。



▼その一方で、京都競馬場は1番人気の成績が最も悪い。

京都コースは、道中に坂があり、直線は平坦というトリッキーなコースです。

そのため、内枠が有利になったり、追い込みが決まらなかったりするので、強い馬が能力を発揮できないわけです。



▼このような特徴を考えていくと、1番人気の単勝で儲けるためには、京都競馬場は避けて、東京競馬場を中心に攻めた方が良いということになります。

ただ、京都競馬場でも、複勝回収率は82%あるので、京都競馬場の1番人気は、2~3着が多いということになります。

この特徴を利用して、三連単の2~3着固定を狙ったり、三連複流しを狙えば、京都競馬場の1番人気馬でも利益を出すことが可能です。



▼では次に、「年齢別の1番人気の成績」を見てみましょう。

上から、2~8歳馬の単勝回収率です。


82(%)
78
74
76
67
71
72



はい。
2歳馬の単勝回収率が最も高くなっています。

2歳戦は、1番人気の信頼度が高いということがわかります。



▼ではこのデータを、もう少し深堀りしてみます。


2歳戦の1番人気馬データ

中山競馬場⇒勝率41%・単勝回収率92%
札幌競馬場⇒勝率42%・単勝回収率88%
小倉競馬場⇒勝率41%・単勝回収率87%



はい。
1番人気の単勝を狙う場合、中山・札幌・小倉での2歳戦で狙っていくと、平均回収率が大きく上がることがわかります。



▼勝率が40%以上もあると、連敗リスクも低くなるので、投資効率が非常に良くなります。

1番人気馬の単勝を狙う場合は、2歳戦で上記の競馬場を狙っていくと、回収率が上げやすいです。

逆に、阪神競馬場などは、2歳戦でも単勝回収率が73%しかないので、単勝で狙うのは得策ではないことがわかります。



▼▼では次に、クラス別の1番人気の成績をチェックしてみましょう。


クラス別の1番人気の回収率】2016~2021年。19455頭分析

平場⇒単勝回収率78%・複勝回収率84%
特別戦⇒単勝回収率77%・複勝回収率81%
重賞レース⇒単勝回収率82%・複勝回収率82%
G3⇒単勝回収率79%・複勝回収率76%
G2⇒単勝回収率79%・複勝回収率86%
G1レース⇒単勝回収率92%・複勝回収率93%



はい。
過去5年半程度の1番人気馬の回収率を、クラス別に集計すると上記のようになります。



▼平場というのは、レース名がついていないレースです。

第1レースから、第8レースまでに組まれることが多いです。

一方で、特別戦というのは、レース名がついているレース。

第9レースから、第11レースまでに組まれることが多いです。賞金が高いレースですね。



▼1番人気の成績を、クラス別に分類してみても、基本的には大差ありません。

どのクラスでも、1番人気の単勝回収率は、78%前後に収束しています。

ただ、「G1レース」だけは、単勝回収率が92%と突出しています。



▼G1レースというのは、競馬の最高峰。最も強い馬を決めるレースですね。

G1レースは、競馬新聞の記者さんやマスコミも真剣に取材するので、1番人気馬の精度が高くなります。

また、出走させる調教師等の陣営も、しっかりと仕上げてくるので、G1で1番人気になるような馬は信頼度が高くなります。

その結果、G1レースの1番人気馬は、単勝回収率が92%と高くなるわけです。



▼なので、 1番人気の単勝で勝負する場合は、G1レースで勝負するようにしていくと、的中率と回収率が高まります。

ただそれでも、単勝回収率92%なので、すべてのG1レースを購入していると、赤字になってしまいます。

そこで、ここからさらにフィルタリングしていきます。

例えば、

中山競馬場のG1レースで1番人気⇒単勝回収率131%

という感じで、過去5年半のG1レースでは、中山競馬場に限定していくと、プラス収支になっています。

逆に、

京都競馬場のG1レースで1番人気⇒単勝回収率67%

となり、やはり京都競馬場は1番人気の信頼度が低いと言えます。

この傾向は、G1に限定しても変わらないですね。



▼▼では次に、多くの競馬ファンが馬券を購入する、「重賞レースの1番人気馬」について分析してみたいと思います。


重賞レースの1番人気。騎手データ】2017~2022年

横山典弘騎手⇒単勝回収率116%
岩田騎手⇒単勝回収率127%
田辺騎手⇒単勝回収率107%
藤岡佑介騎手⇒単勝回収率111%
ムーア騎手⇒単勝回収率112%
Cデムーロ騎手⇒単勝回収率131%
レーン騎手⇒単勝回収率103%
モレイラ騎手⇒単勝回収率293%



はい。
重賞レースで1番人気になった時に、単勝回収率が高い騎手は上記の通りです。



▼外国人騎手はともかくとして、日本人騎手は意外なメンバーという感じでしょうか。

馬券というのは、過小評価されると回収率が高くなります。

そういう意味で、あまりにも有名な騎手になると、過剰人気になってしまい、あまり強くない馬でも1番人気になってしまったりします。

つまり、有名な騎手は、1番人気での回収率が上がりにくいわけです。

では、有名な騎手の1番人気のデータも見てみましょう。


重賞レースの1番人気。リーディング上位騎手データ

ルメール騎手⇒単勝回収率78%
川田騎手⇒単勝回収率82%
Mデムーロ騎手⇒単勝回収率80%
武豊騎手⇒単勝回収率57%
福永騎手⇒単勝回収率80%
戸崎騎手⇒単勝回収率52%
北村友一騎手⇒単勝回収率88%
松山騎手⇒単勝回収率77%



はい。
リーディング上位の有名な騎手が、重賞レースで1番人気になった時の単勝回収率は上記の通りです。



▼有名な騎手は、どうしても人気になりやすいので、1番人気での単勝回収率は80%くらいが限度かなという感じです。

北村友一騎手の単勝回収率88%は、優秀な成績ですね。

北村友一騎手が重賞レースで1番人気の時は、信頼できるということになります。



▼それに対して、武豊騎手と戸崎騎手は、単勝回収率がそれぞれ57%と52%しかありません。

武豊騎手は、競馬界で最も有名な騎手ですが、それと同時に、最も人気のある騎手でもあるので、過剰人気になりやすいです。

必然的に、武豊騎手が重賞レースで1番人気の時は、なかなか回収率が上がってこないということになります。

競馬初心者さんを始め、ライトな競馬ファンは、「武騎手に◎がいっぱいついてる!この馬を買おう!」となりやすいわけですが、上記のデータを見ればわかるように、重賞レースで武豊騎手の1番人気は、あまり儲からないわけです。

馬券で利益を出したければ、有名な騎手の1番人気ではなく、「地味だが実力のある騎手の1番人気」を購入することが重要になるわけですね。


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