短距離で強い血統・長距離で強い血統

▼本日は、各距離で強い種牡馬について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。

まず、結論から書いていきます↓


・短距離重賞で強い血統は、ダイワメジャー産駒・ロードカナロア産駒・ハーツクライ産駒・アドマイヤムーン産駒など

・長距離重賞で強い血統は、ディープインパクト産駒・ロードカナロア産駒・マンハッタンカフェ産駒・オルフェーヴル産駒など

・ディープインパクト産駒は強いが、常に人気になるので、回収率的にはあまり高くない

・ロードカナロア産駒は、短距離でも長距離でも活躍するので、ハイレベルなレースでは要注意



ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。



▼競馬では、それぞれの距離ごとに、強い血統が存在しています。

あるいは、芝とダートでも、それぞれ強い種牡馬がいるわけです。

短距離で儲かる血統・長距離で儲かる血統、芝・ダート、それぞれを頭に入れておくことで、予想のクオリティを上げていくことが可能です。



▼ではまず、短距離に強い血統を見てみましょう。

データ範囲は、過去5年の特別戦。芝1200mの「連対率」データです↓


・ロードカナロア産駒⇒連対率24%

・アドマイヤムーン産駒⇒連対率22%

・ディープインパクト産駒⇒連対率21%

・ハーツクライ産駒⇒連対率19%



はい。
芝の1,200メートルで連対率が高い血統は、この辺です。

勝ち星が少ない種牡馬は除外しています。



▼では次に、連対率と同時に見る必要がある「回収率」をチェックしてみましょう。

データ条件は、上記と同じ芝の1,200メートルです↓


・ヨハネスブルグ産駒⇒平均回収率114%

・タイキシャトル産駒⇒平均回収率107%

・ステイゴールド産駒⇒平均回収率146%

・ケイムホーム産駒⇒平均回収率157%



はい。
連対率と回収率で、抽出される種牡馬が大きく違っています。



▼これは、それぞれの産駒のオッズが違うからです。

平均回収率を引き上げるためには、「人気の盲点」「過小評価」という状態になっていなければなりません。

先ほど紹介したような連対率が高い種牡馬は、好走確率は高いんですが、人気になりやすいため、なかなか回収率が上がりにくい部分があります。



▼それに対して、平均回収率が高い種牡馬は、連対率はそこそこでも、あまり人気にならないためオッズが高く、その結果、回収率が高くなっているわけです。

そう考えると、血統で儲けるためには、連対率よりも平均回収率が高い血統を狙っていくのが有効だと言えます。



短距離で儲かる血統として、連対率と平均回収率がどちらも高い血統を考えてみましょう↓


・ヨハネスブルグ産駒⇒連対率16%・平均回収率114%

・ケイムホーム産駒⇒連対率17%・平均回収率157%

・オレハマッテルゼ産駒⇒連対率18%・平均回収率110%

・アルデバラン2産駒⇒連対率22%・平均回収率127%



はい。
芝の1,200メートルの特別戦では、これらの種牡馬が血統面から狙える感じになっています。

これらの種牡馬は、連対率と平均回収率がどちらも高くなっているので、軸馬としても、相手ヒモ馬としても活用可能ですね。


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長距離で儲かる血統は?

▼距離別の種牡馬成績についての考察を続けます。

先程は、芝の1,200メートルのデータを見てみました。

ここでは逆に、長距離戦(芝2200m以上)の血統データを分析してみたいと思います。

まずは連対率のデータ↓


・ディープインパクト産駒⇒連対率23%

・ステイゴールド産駒⇒連対率21%

・ハービンジャー産駒⇒連対率20%

・ルーラーシップ産駒⇒連対率26%

・ネオユニヴァース産駒⇒連対率22%



はい。
芝の長距離で連対率が高い血統は、このような感じになります。

連対率が高い種牡馬なので、軸馬として活用できますね。



▼では次に、長距離戦における、平均回収率のデータを見てみましょう↓


・キングカメハメハ産駒⇒平均回収率88%

・シンボリクリスエス産駒⇒平均回収率98%

・ブラックタイド産駒⇒平均回収率159%

・アドマイヤドン産駒⇒平均回収率122%



はい。
長距離の場合も、短距離と同じように、連対率と回収率で別々の種牡馬が抽出されました。

平均回収率が高い種牡馬は、相手ヒモ馬として購入すると、全体の回収率が上がりやすくなります。



▼では次に、長距離戦における、連対率と平均回収率のバランスが良い血統を見てみましょう↓


・キングカメハメハ産駒⇒連対率17%・平均回収率88%

・ルーラーシップ産駒⇒連対率26%・平均回収率86%

・シンボリクリスエス産駒⇒連対率19%・平均回収率98%



はい。
芝の2,200メートル以上の長距離戦では、これらの種牡馬の連対率と回収率が高くなっています。

これらの種牡馬を軸馬にすることによって、全体の回収率を引き上げることが可能です。



▼尚、ディープインパクト産駒は、連対率はトップクラスなんですが、平均回収率を見ると78%と平凡。

これはなぜかというと、ディープインパクト産駒というだけで、馬券が売れてしまうからです。

どんなに強い馬でも、過剰人気になってしまうと、回収率は上がらなくなる。

ディープインパクト産駒は、とにかく目立つので、過剰人気になりやすいんですね。



▼そういう意味では、ハービンジャー産駒も過剰人気になりやすい種牡馬です。

ハービンジャー産駒は、連対率は20%と優秀ですが、平均回収率は73%しかない。

これも過剰人気による影響であり、回収率が上がらない原因になっているわけです。



▼▼では次に、多くの競馬ファンが馬券を購入するであろう、重賞レースのデータを見てみましょう。


重賞レース。芝1200m~1600m】2015~2019年

ダイワメジャー産駒⇒複勝回収率91%
ロードカナロア産駒⇒単勝回収率96%
ハーツクライ産駒⇒複勝回収率87%
アドマイヤムーン産駒⇒複勝回収率92%



はい。
短距離の重賞レースで回収率が高い種牡馬は、このような感じです。



▼ロードカナロア産駒以外は、複勝回収率で算出しています。

短距離戦で複勝回収率が高いという事は、三連複や馬連の軸馬にしたり、ヒモ馬としても活用可能です。



▼ダイワメジャー産駒で、最近の活躍馬としては、阪神ジュベナイルフィリーズで圧勝した、レシステンシアがいますね。

レシステンシアは、ダイワメジャー産駒らしい馬で、先行力と持続力を兼ね備えた馬です。

人気がなくても勝ち切るので、このようなタイプの馬は、馬券で回収率を上げるのに役立ちます。



▼血統だけでも狙えますが、レシステンシアのファンタジーステークスは、先行馬が崩れた中で、唯一、先行して勝った馬。

このファンタジーステークスの通過順位をしっかりチェックして、短距離重賞でダイワメジャー産駒の成績が良いことを頭に入れておけば、阪神ジュベナイルフィリーズも簡単に的中できたと思います。



▼阪神JFでのレシステンシアは、いきなり逃げて、5馬身差の圧勝。

「逃げ馬ではないけれど、いきなり逃げた馬」の回収率が高い事は、当ブログでも過去に何度か書いています。

今回のメンバーでは、枠順の並びから考えて、レシステンシアが逃げる可能性は予測できたものでした。



▼ちなみに、私もこの阪神JFは、三連複で的中しています。

断然人気のリアアメリアが惨敗してくれたので、三連複8560円とまずまずの好配当になりました。



▼惨敗のリアアメリアは、ディープインパクト産駒で、過剰人気になりやすいタイプでした。

このレースも、単勝1.8倍と、一本かぶり。

ディープインパクト産駒は、確かに強いんですが、能力以上に馬券が売れてしまうため、今回のような過剰人気による好配当が発生しやすい種牡馬でもあります。



▼したがって、ディープインパクト産駒からいつも馬券を購入していると、なかなか回収率が上がらないので、そこは注意点ですね。

ちなみに、3着のクラヴァシュドールは、ハーツクライ産駒で、先ほども書いたように、短距離戦で回収率が高い種牡馬でした。

データ的には、簡単なレースだったと言えます。



▼▼では次に、長距離の重賞レースデータを見てみましょう。


重賞レース。芝2200m以上】2016~2021年

ディープインパクト産駒⇒連対率19%
ルーラーシップ産駒⇒連対率19%
マンハッタンカフェ産駒⇒連対率19%
オルフェーヴル産駒⇒連対率16%
ロードカナロア産駒⇒連対率25%



はい。
長距離重賞レースで、連対率が高い種牡馬は上記の通りです。



▼長距離重賞の場合、レース数が少ないので、種牡馬データが集めにくいのがネックですね。

上記以外で連対率が高い種牡馬もいるんですが、サンプル数が少なく、データとして有効ではないと判断して除外しています。

ブラックタイド産駒などは、連対率が27%もあるんですが、すべてキタサンブラックによるもので、データの意味がないので、これも除外しています。



▼長距離重賞レースの勝利数で見ていくと、圧倒的にディープインパクト産駒が優勢です。

勝利数が多く、連対率も高いので、長距離重賞レースではディープインパクト産駒が予想の中心になります。

ただ回収率は、単勝回収率72%・複勝回収率73%と平凡。

これは先程も少し書いたように、ディープインパクト産駒は良血なので、どうしても馬券が売れすぎてしまうためです。

ディープインパクト産駒は長距離重賞レースでもかなり強いわけですが、過剰人気になりやすく、回収率を上げるのはなかなか大変です。



▼回収率で見ていくと、マンハッタンカフェ産駒が、単勝回収率131%と優秀な数字になっています。

連対率も19%と高く、長距離重賞レースでマンハッタンカフェ産駒が出ていたら、マークしておいた方が良いでしょう。

この期間での代表産駒としては、シャケトラが挙げられます。

2200m以上の長距離戦で活躍した馬で、G1以外の長距離重賞レースでは、連対率100%でした。

成長力もあり、マンハッタンカフェの良い所を受け継いだ馬でしたね。



▼あとは、オルフェーヴル産駒の回収率が、単勝回収率92%と優秀です。

2021年の日経新春杯で、ショウリュウイクゾが7番人気で勝利。

2020年のステイヤーズステークスで、オセアグレイトがこちらも7番人気で勝利と、中穴での活躍も目立ちます。

オルフェーヴル産駒は、単勝回収率は高いんですが、複勝回収率は低めなので、単勝や馬単・三連単の1着固定で狙っていくと、回収率が上げやすくなると思います。



▼▼では次に、具体的なケーススタディを見てみましょう。


NHKマイルカップ2022年

1着 ダノンスコーピオン(4番人気)
2着 マテンロウオリオン(3番人気)
3着 カワキタレブリー(18番人気)

馬連2490円



はい。
このレースは、短距離のマイル戦ですが、短距離重賞に強い種牡馬を狙っていけば、簡単に的中できるレースでした。



▼まず、短距離重賞レースに強い種牡馬は、上述した通り、

ダイワメジャー産駒⇒複勝回収率91%
ロードカナロア産駒⇒単勝回収率96%


この2頭が代表的ですね。



▼今回取り上げた、2022年のNHKマイルカップで、上記の血統を持つ馬は、下記の通りです↓

1番人気セリフォス(ダイワメジャー産駒)
3番人気マテンロウオリオン(ダイワメジャー産駒)
4番人気ダノンスコーピオン(ロードカナロア産駒)
7番人気キングエルメス(ロードカナロア産駒)


はい。
このような感じになります。

ステルナティーアも、ロードカナロア産駒ですが、14番人気は期待値が低いので除外しています。



▼血統から、4頭まで絞り込むことができたので、あとはシンプルに馬連4頭ボックスにすればOK。

結果は、ロードカナロア産駒⇒ダイワメジャー産駒で決まり、馬連は6点で2490円。

レース回収率は、415%となりました。



▼このレースは、普通に予想するとかなり難解なんですが、「短距離重賞に強い血統」という観点から予想すると、難なく的中できるレースでした。

ついでに言うと、「オッズ断層」が4番人気までに発生していたので、1~4番人気で決まる確率が高いレースでした。

このオッズ断層も加味して考えると、馬券対象馬は3頭まで絞り込めることになり、馬連は3点でも的中できたことになります。

このように血統は、難解なレースや、馬券対象馬が絞り込めないレースで有効な武器になるので、少なくとも、短距離に強い血統と長距離に強い血統くらいは、頭に入れておくと良いですね。


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