内枠の逃げ馬。外枠の差し馬

▼本日は、内枠と外枠の脚質について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。

まず、結論から書いていきます↓


・芝のレースでは、逃げ馬でも差し馬でも、内枠の方が儲かる

・ダートのレースでは、基本的には外枠の方が儲かる

・穴馬を探す場合は、内枠の逃げ馬と、外枠の追い込み馬から探すと、うまく行きやすい

・偶数枠は、奇数枠より有利になるケースが多い



ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。



▼競馬では、枠順と脚質のバランスを考えて予想することが重要です。

基本的には、芝のレースでは内枠有利、ダートでは外枠有利になりやすいわけですが、脚質によっては、この限りではありません。



▼まず、脚質を4種類に分類します。

逃げ馬・先行馬・差し馬・追い込み馬

この4種類ですね。

この中で、それぞれの有利な枠順を考えてみたいと思います。



▼まず「逃げ馬」からデータ分析してみましょう。

(過去5年データ。特別戦。中央場所)


前走で逃げた馬データ

勝率8%
連対率18%
複勝率23%
単勝回収率91%
複勝回収率77%



はい。
これが前走で逃げた馬の特別戦での成績になります。

単勝回収率が91%もあるのは、さすが逃げ馬という感じです。

ただ、複勝回収率は平凡ですね。



▼ではここに、枠順のデータをミックスしてみたいと思います。

前走で逃げた馬。芝レース

1枠⇒単勝回収率215%


はい。
前走で逃げた馬が、今走で1枠なら、単勝回収率は215%にもなります。

これは、多くの競馬ファンが考えるところですが、特に、人気薄での激走が多く、回収率が非常に高くなっています。



▼この場合の狙い目としては、

芝の特別戦で、前走逃げた馬が、1枠に入ったら狙い目

という感じになります。

上述した通り、人気薄で勝つことが多いので、人気がない時ほど注意しておいた方が良いでしょう。



▼では次に、外枠のデータを見てみます。

前走で逃げた馬。芝レース

8枠⇒単勝回収率38%


はい。
逃げ馬が、大外の8枠に入った時は、勝率が大きく下がります。

単勝回収率が38%しかないので、外枠の逃げ馬は、単勝や1着固定では勝負できない感じです。



▼この場合の特徴として、人気薄での激走が少ないということが挙げられます。

つまり、

芝の特別戦で、前走逃げた馬が、8枠に入ったら、人気薄ではなかなか勝てない

という感じになります。



▼芝のレースでの、逃げ馬の枠順は、1枠と8枠が顕著な傾向になっています。

ちなみに、6枠の逃げ馬も、単勝回収率109%ですが、勝率は特に高いわけではないので、これは誤差の範囲でしょう。



▼ちなみに、芝のレースで逃げ馬を狙う時は、1枠の他に、もう1つポイントがあります。

それは、「偶数枠の逃げ馬」です。

偶数枠は、ゲートが後入れで、出遅れるリスクが少ないので、逃げ馬にとっては、偶数枠は走りやすいわけですね。


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逃げ馬と差し馬の回収率が高い枠順は?

▼内枠と外枠の有利な脚質についての考察を続けます。

先程は、「偶数枠の逃げ馬」は、回収率が高くなりやすい事を解説しました。

続けます。



▼ここまでのことを勘案すると、逃げ馬が最も回収率が高くなる枠順は、

「2番枠」です。

2枠ではなく、2番枠ですね。



逃げ馬が、2番枠に入った時の成績は、

勝率10%
連対率22%
複勝率26%
単勝回収率218%
複勝回収率70%



はい。
このように、非常に優秀な成績になっています。



▼逃げ馬にとって、偶数枠で内枠の2番枠は、願ってもない枠順なわけです。

1番枠も有利ですが、奇数枠なので先入れで、出遅れるリスクがある。

その点で、後入れの2番枠は、逃げ馬には文句なしの枠順になります。



▼ただ、1番枠と2番枠は、確かに単勝回収率は高いんですが、複勝回収率は平凡になっています。

これは、内枠の逃げ馬は、3着が少ないことに起因している。

つまり、内枠の逃げ馬は、勝つか惨敗か、という極端なレースになることが多いわけです。



▼なので、内枠の逃げ馬を狙って行く場合は、三連複やワイドの軸にはしない方が良い。

単勝回収率が高く、複勝回収率が平凡なので、単勝で狙うか、三連単や馬単の1着固定で狙っていくのが良いです。

こうすることで、内枠の逃げ馬の単勝回収率の高さを、最大限に利用することができます。



▼芝のレースでは、逃げ馬は、内枠になればなるほど、回収率が高くなります。

ちなみに、逃げ馬の大外枠の成績は、単勝回収率36%・複勝回収率71%という感じ。

やはり、勝ちきれない状況です。



▼逃げ馬というのは、スムーズにハナを切ることが好走の条件になるため、外枠を引いてしまうと、先頭に立つまでにスタミナをロスしてしまうんですね。

その点、内枠ならスムーズに先頭に立つことができる。

なので、逃げ馬を狙うときは、内枠を狙ったほうが、回収率は上がりやすくなるわけです。



▼芝のレースでの逃げ馬の、偶数枠と奇数枠の成績の違いも見てみましょう。

・偶数枠⇒単勝回収率97%・複勝回収率83%
・奇数枠⇒単勝回収率77%・複勝回収率73%


はい。
このように、大きく差が開いています。

先ほども書いた通り、やはり逃げ馬の場合、ゲートが後入れの偶数枠の方が圧倒的に有利であり、馬券的にも「偶数枠の逃げ馬」を狙っていく方が、利益を出しやすくなると思うわけです。



▼▼では次に、差し馬の傾向について考えてみましょう。

(過去5年データ。特別戦。中央場所)


前走で差した馬データ

勝率8%
連対率15%
複勝率23%
単勝回収率73%
複勝回収率75%



はい。
先ほどの逃げ馬の数字と比べると、単勝回収率が大きく下がっています。

勝率は同じくらいなのに、差し馬の方が単勝回収率が低いのはなぜか?



▼この理由は、「差し馬は、人気になった馬が勝つことが多いから」です。

勝ち馬の単勝オッズの平均を比較してみましょう↓


前走逃げ⇒単勝平均1072円
前走差し⇒単勝平均974円



はい。
このように、逃げ馬の方が人気薄で勝っていることがわかります。



▼次に、前走差し馬の枠順別の連対率を見てみましょう↓


18.7%
16.3%
17.4%
17.4%
15.9%
16.3%
14.1%
13.3%


(※上から1~8枠。芝レース)


はい。
芝レースでは、差し馬の場合でも、内枠が有利の傾向がわかります。



▼次に、前走差し馬の枠順別の連対率、ダート戦を見てみましょう↓


10.7%
11.8%
12.7%
13.2%
14.1%
15.0%
15.4%
16.9%


(※上から1~8枠。ダートレース)


はい。
今度は先ほどとは真逆で、外枠になればなるほど連対率が上がっていくのがわかります。



このことから、差し馬は芝のレースでは内枠有利、ダートでは外枠有利、という感じになります。

芝のレースとダートレースの違いを頭に入れておかないと、「差し馬だから、外枠有利だ!」と勘違いしてしまうので注意です。

後ろから差す馬でも、芝のレースでは内枠有利ですね。



▼次に、芝の差し馬、単勝回収率を見てみましょう↓


64(%)
47
56
64
87
71
58
74


(※上から1~8枠。芝レース)


はい。
連対率では明らかに内枠有利でしたが、単勝回収率で見るとやや外枠有利の傾向になります。

これは、芝のレースで内枠が有利なことを競馬ファンが知っているので、過剰人気になりやすいことを示しています。



▼この傾向を勘案すると、芝のレースで差し馬を狙う場合は、

「軸にするなら内枠の差し馬」
「ヒモで狙うなら外枠の差し馬」


という感じで狙っていくと、的中率と回収率のバランスが良くなります。



▼軸馬に求められるのは、高い連対率です。

一方で、ヒモ馬に求められるのは、高い回収率ですね。

このことから、馬券構成のバランスを考えるときは、的中率が高い馬を軸馬にして、回収率が高い馬をヒモ馬にすると上手く行きやすいわけです。



▼▼では次に、追い込み馬の傾向について考えてみましょう。

(過去5年データ。特別戦。中央場所)2016~2021年


前走で追い込んだ馬データ

勝率5%
連対率10%
複勝率16%
単勝回収率68%
複勝回収率65%



はい。
逃げ馬や差し馬のデータと比べると、追い込み馬は成績が悪くなります。

競馬においては、前に行ける馬ほど好走確率と回収率が高くなるので、この結果は必然と言えます。



▼次に、前走追い込みの枠順別の連対率(芝)を見てみましょう↓


11.7%
10.7%
11.5%
12.5%
13.4%
9.4%
11.9%
10.1%

(※上から1~8枠)



はい。
追い込み馬の場合、枠順による有利不利は、ほとんどありません。

後方から進める脚質なので、枠順は関係なくなるケースが多いですね。



▼次に、前走追い込みの枠順別の連対率(ダート)を見てみましょう↓


6.8%
10.6%
10.3%
9.3%
8.2%
8.7%
7.8%
8.4%

(※上から1~8枠)



はい。
ダート戦においても、内枠と外枠でそれほど顕著な差はありません。

追い込み馬を狙う場合は、連対率的には、枠順はあまり気にしなくてもよいということになります。



▼次に、芝の追い込み馬、枠順別の単勝回収率を見てみましょう↓


45(%)
74
40
64
74
56
64
52

(※上から1~8枠)



はい。
回収率で見ても、特に差はないですね。



▼次に、ダートの追い込み馬、枠順別の単勝回収率を見てみましょう↓


17(%)
89
87
68
128
64
66
145

(※上から1~8枠)



はい。
ダートの場合、1枠の単勝回収率が低く、大外8枠の単勝回収率が高いという結果になっています。

ダートでは、外枠の馬の方が人気薄で激走する確率が高く、ダートの追い込み馬で穴を狙うなら外枠狙いが有効です。



▼ちなみに、この時の単勝配当の平均は下記の通りです。


ダートの追い込み馬、枠順別の単平均

793(円)
1619
2616
1534
2852
1320
1636
3299

(※上から1~8枠)



はい。
このように、大外枠の単勝配当が飛び抜けて高くなっています。

ダートの追い込み馬は、大外枠の人気薄が激走することが多い」というデータになるので、これを頭に入れておくと、ダートの追い込み馬で穴馬券を取ることができると思います。



▼▼では次に、具体的なケーススタディを見てみましょう。


スプリングステークス2022年

1着 ビーアストニッシド(5番人気)逃げ馬
2着 アライバル(2番人気)
3着 サトノヘリオス(6番人気)

単勝700円
馬単3690円



はい。
このレースは、「内枠の逃げ馬」を狙うだけで、簡単に好配当が的中できるレースでした。



▼まず注目は、前走の共同通信杯で、逃げて3着に粘ったビーアストニッシド。

共同通信杯は、1着ダノンベルーガ、2着ジオグリフというハイレベルなレースで、そこで3着は上々の内容。

その上、今回は枠順が1枠1番と絶好枠。

上述した通り、内枠の逃げ馬は期待値が高くなるので、ここは狙い目。

しかも、人気は5番人気と、あまり支持されていない。

ということで、このレースは、ビーアストニッシドを頭から狙っていけるレースになります。



▼軸馬が5番人気なので、ヒモは1~3番人気の人気馬に流して、中穴狙いの形にします。

当ブログでいつも書いている通り、馬券では、人気馬と人気薄を組み合わせる形にすると回収率が上がりやすくなるので、その形を基本に馬券を構成していきます。



▼馬券構成は下記の通りです↓

単勝
ビーアストニッシド(1点買い)

馬単
ビーアストニッシド1着固定。1~3番人気へ流し(3点買い)


という感じですね。



▼結果は、最内枠からスムーズに逃げた、ビーアストニッシドがそのまま逃げ切って、1着。

2着に2番人気のアライバルが入り、想定通りに人気馬と人気薄の中穴決着となりました。

単勝は1点で700円なので、レース回収率は700%。

馬単は3点で3690円なので、レース回収率は1230%と、完勝となりました。



▼このレースのポイントは、やはり「内枠の逃げ馬」は、期待値が高いという点ですね。

特に、人気薄の逃げ馬が内枠に入った時は、単勝期待値がかなり高くなるので、単勝と馬単1着固定が有効になります。

このレースの場合は、逃げ馬のビーアストニッシドが最内枠に入ったことに気付くことができれば、ほぼ的中できるレースだったと言えますね。


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