▼本日は、昇級戦の狙い方について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・昇級戦の馬は、相手が強くなるので、基本的には不利
・ただ、昇級馬でも1~2番人気に支持されるような馬は、即通用するケースが多く、好走確率も高くなる
・逆に、10番人気以下の昇級馬は、ほとんど通用しない。回収率は低くなる
・重賞レースでは、前走が条件戦の馬は、人気でも回収率が低く、儲からないケースが多い
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競馬では、賞金順にクラス分けされているので、レースに勝つとクラスが上がります。
このクラスが上がったばかりの馬を、昇級馬といい、クラスが上がって初めてのレースを昇級戦と言います。
▼基本的には、クラスが1つ上がるわけですから、昇級戦は不利になります。
今までよりも戦う相手が強くなるからです。
なので、昇級戦は狙いどころをしっかり決めておかないと、回収率を下げる要因になってしまいます。
▼それでは、昇級戦のデータを見ていきましょう。
中央開催。芝のレース。2015~2019年の過去5年。5846頭のデータです。
【昇級馬】
勝率10%
連対率19%
複勝率27%
単勝回収率67%
複勝回収率71%
はい。
中央場所の昇級戦すべてのデータを集計すると、上記のようになります。
▼この数字だけを単品で見ていてもよくわからないので、「同クラス」のデータも同時に見ていきましょう。
【現級馬】
勝率7%
連対率14%
複勝率21%
単勝回収率68%
複勝回収率71%
はい。
昇級馬と現級馬を比較してみると、回収率はほぼ同じです。
ただ、勝率や連対率などの好走確率は、昇級馬の方が優秀な数字になっています。
▼昇級戦は、今までよりも相手が強くなるので、基本的には不利なんですが、前走で勝った馬というのは、勢いがあるので、昇級戦でも即通用するケースも多いです。
その結果、現級馬よりも好走確率が高いわけですが、回収率は同じくらいになってしまうのはなぜなのか?
▼これは、「前走1着馬」というのは、競馬新聞やスポーツ新聞で目立つので、過剰人気になりやすいことを表しています。
そのため、昇級馬には勢いはあるんですが、回収率で考えると、特に高いわけではないということになってしまうわけです。
▼両者の平均単勝オッズを見てみると、
現級馬⇒72倍
昇級馬⇒53倍
このように、大きな開きがあります。
昇級馬の馬券がよく売れているのが分かると思います。
▼スポーツ新聞などでは、前走1着馬にはカラフルな色がついたりして、非常に目立つようになっています。
競馬ファンは、このようなメディアの洗脳により、ついつい前走で好走した馬を買ってしまうわけですね。
昇級馬は、現級馬よりも勝率も連対率も高いことから、昇級馬を狙って行くこと自体は悪くない。
ですが、単純に前走1着馬を狙っても、上述した通り、過剰人気の影響により、なかなか回収率が上がらないわけです。
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昇級馬の儲かる狙い所とデータ傾向
▼昇級戦の狙い目についての考察を続けます。
ここまでをまとめると、
「昇級馬は、勢いがあり好走確率が高いが、過剰人気になりやすいので、闇雲に狙っても回収率は平凡になる」
という感じになります。
▼そこでここでは、具体的な昇級馬の儲かる狙い方について考えてみたいと思います。
【昇級馬データ】
1番人気⇒単勝回収率87%
2番人気⇒単勝回収率87%
10番人気以下⇒単勝回収率31%
はい。
昇級馬の特徴的なデータを挙げてみました。
▼まず、昇級馬の基本的な狙い方として、「昇級馬は、1~2番人気で狙う」というものがあります。
昇級馬というのは、今までよりも相手が強くなるので、基本的には不利です。
でも、昇級戦にもかかわらず、1番人気あるいは2番人気に支持される馬というのは、クラスが上がっても、すぐに活躍できるケースが多いです。
▼昇級馬が1~2番人気の時は、それほど過剰人気にもなりにくい印象です。
上述した通り、単勝回収率は87%にもなり、複勝回収率を見ても、1番人気は88%、2番人気は84%と、優秀な数字になっています。
▼なので、あなたが軸馬を決める場合は、
「1~2番人気の昇級馬」を軸馬にすると、回収率が上がりやすくなるということになります。
これは昇級馬の1つの狙い方ですね。
▼では次に、「10番人気以下の昇級馬」について。
1~2番人気の昇級馬は、非常に信頼できる人気馬になることが多いのに対し、10番人気以下の昇級馬は、かなり回収率が低くなっています。
▼10番人気以下の昇級馬ということは、「前走はなんとか勝ったけど、クラスが上がると通用しないだろう」と思われている馬です。
主に、競馬新聞の記者さんの判断になるわけですが、この判断は正しいケースが多いです。
10番人気以下の昇級馬の単勝回収率は、31%しかなく、ほとんど狙い目がありません。
▼また、複勝回収率も49%と低迷しており、人気薄の昇級馬は、ほとんど利益に繋がってこない印象です。
上述した通り、前走1着馬というのは、それだけで過剰人気になりやすいタイプであり、人気薄であっても、人気薄なりの過剰人気になりやすいということになります。
その結果、人気薄の昇級馬を狙っても、なかなか回収率が上がってこないということになるわけです。
▼▼では次に、さらに実戦的なデータを見てみましょう。
先ほどは、中央場所のすべてのレースを対象にしましたが、今回は「特別戦」に限定してみます。
(特別戦=レース名がついているレース)
中央開催。芝のレース。特別戦。2015~2019年の過去5年。4990頭のデータです。
【昇級馬】
勝率10%
連対率20%
複勝率29%
単勝回収率67%
複勝回収率75%
はい。
先程の、平場を入れたデータと比べると、勝率・連対率・複勝率は、さらに高くなっています。
ただ、単勝回収率は横ばい。複勝回収率も微増ですね。
ここでも昇級馬は、過剰人気です。
▼特別戦だと、昇級戦になる馬の好走確率は、さらに高くなります。
それでも、先ほどと同じように、データをフィルタリングしなければ回収率は低いままです。
▼そこで、今回もデータをフィルタリングしてみましょう。
【昇級馬データ】
1番人気⇒単勝回収率92%
2番人気⇒単勝回収率86%
10番人気以下⇒単勝回収率36%
はい。
特別戦の昇級馬は、1番人気の回収率が非常に高くなっています。
単勝回収率が92%・複勝回収率が90%ですから、軸馬として十分な能力を持っていると言えます。
▼ではさらに深堀りしてみます。
【昇級馬データ。1番人気】
勝率40%
連対率60%
複勝率70%
はい。
特別戦で1番人気の昇級馬は、これくらいの成績になります。
通常の1番人気と比べても、10%程度すべての数値が高くなっています。
ここは狙い目になりますね。
▼昇級戦を狙う場合は、やはりその昇級馬の人気をチェックすることが重要です。
昇級馬を狙うなら、上位人気馬を狙って行った方が良い。
1~3番人気の昇級馬であれば、軸馬として高い回収率を狙えることになります。
▼逆に、10番人気以下の昇級馬は、特別戦でも成績が悪いです。
勝率1%・連対率3%・複勝率6%しかないので、ほとんど馬券に絡む事はありません。
ちなみに、13番人気以下の昇級馬になると、このデータ範囲では、勝ち星ゼロ。勝率0%になっています。
10番人気以下の昇級馬は、最初から無視しても問題ないくらいのレベルですね。
▼大穴馬で、前走1着馬だと、お宝を見つけたような気持ちになるものですが、上述したように、データ分析してみると全く狙えないことがわかります。
競馬新聞で、「前走1着」とカラフルに色がつけられていても、闇雲に狙わない方が良いですね。
ここまで書いてきたように、とにかく昇級馬は人気にならないと弱いので、必ず人気をチェックしてから購入することをオススメします。
▼▼では次に、多くの競馬ファンが馬券を購入する、重賞レースの昇級馬について分析してみたいと思います。
【芝重賞レース。昇級馬】2016~2021年
勝率6%
連対率13%
複勝率20%
単勝回収率53%
複勝回収率67%
はい。
特別戦の昇級馬と比較すると、重賞レースの昇級馬は、好走確率が低いことがわかります。
つまり、「前走下のクラスを勝った勢いで重賞レースに挑戦しても、なかなか通用しない」ということになります。
▼特にこれは、「前走条件戦」の時に、顕著な傾向になります。
では重賞レースに挑戦する前のクラス別のデータを見てみましょう。
【芝重賞レース。昇級馬】
前走新馬戦⇒単勝回収率89%
前走未勝利戦⇒単勝回収率30%
前走1勝クラス⇒単勝回収率55%
前走2勝クラス⇒単勝回収率6%
前走3勝クラス⇒単勝回収率69%
前走オープン特別⇒単勝回収率84%
前走リステッド競走⇒単勝回収率153%
前走G3⇒単勝回収率67%
前走G2⇒単勝回収率55%
前走G1⇒単勝回収率62%
はい。
前走のクラス別の成績は上記の通りになります。
▼このデータを見ると、やはり「前走条件戦」だと、回収率が低くなるのがわかります。
前走で条件戦を勝った馬が、いきなり重賞レースに挑戦しても、なかなか通用しません。
しかし、「前走1着」というのは、上述した通り、競馬新聞でも目立つので、どうしても馬券が売れやすくなります。
その結果、オッズが下がり、回収率も下がるわけですね。
▼それに対して、「前走新馬戦」の馬は、単勝回収率が89%と、かなり高い数字になっています。
新馬戦を勝って、すぐに重賞に挑戦してくるような馬は、素質が高いケースが多く、勝率も高くなります。
この場合の勝率は、約10%とかなり高くなっています。
「前走新馬戦1着」の馬は、要注意ですね。
▼それから、好走確率の高さで言えば、「前走G1の馬」も、好走確率が高くなっています。
こちらは、昇級馬ではありませんが、勝率12%と非常に高い水準です。
前走でG1を使った馬は、トップレベルの馬であるケースが多く、馬券になる確率が高くなります。
ただ注意点として、回収率は平凡です。
単勝回収率62%・複勝回収率66%と、低いぐらいですね。
これは、前走でG1を使った馬は、ネームバリューのある馬が多く、どうしても過剰人気になってしまい、オッズが下がるからだと思われます。
前走G1の馬は、馬券圏内にはよく来るが、回収率はあまり高くないと覚えておくと良いかと思います。
▼▼では次に、具体的なケーススタディを見てみましょう。
【目黒記念2022年】
1着 ボッケリーニ(2番人気)
2着 マイネルウィルトス(6番人気)
3着 ウインキートス(8番人気)
馬連2720円
三連複14640円
はい。
このレースは、前走が条件戦の昇級馬を軽視すれば、簡単に好配当を的中できるレースでした。
▼まず最初に目につくのが、1番人気のパラダイスリーフ。
前走で3勝クラスをやっと勝った馬で、いきなりの重賞挑戦。
上述した通り、重賞レースというのはクラスの壁が厚く、昇級馬は跳ね返されるケースが多いです。
しかも、パラダイスリーフの前走は、中山コースでの勝ち上がりであり、東京コースへのコース替わりも歓迎材料ではない。
ということで、パラダイスリーフは切ります。
▼次に、3番人気のバジオウ。
この馬は、前走3勝クラスを0.0秒差でやっとこ勝った馬で、いきなりの重賞挑戦は見るからに厳しい。
距離も、前走の2000mから、2500mに一気の延長。
なぜこの馬が3番人気になるのか謎なくらいなので、バジオウも切ります。
▼1番人気と3番人気を消去したので、軸馬候補は必然的に2番人気のボッケリーニということになります。
ボッケリーニは、AJCCと日経賞で、2戦続けて馬券になっており、重賞実績もしっかりある。
ここは迷わず軸にできる馬になります。
▼軸が決まれば、あとは相手ヒモ馬ですが、ヒモは特に難しく考える事はなく、当ブログでいつも書いている通り、4~9番人気から選ぶのが基本になります。
このうち、9番人気のベスビアナイトは、前走3勝クラスの昇級馬なので、切ります。
馬券構成は下記の通りです↓
軸
2番人気ボッケリーニ
相手ヒモ馬
4~8番人気(5頭)
という感じですね。
▼結果は、軸にした2番人気のボッケリーニが勝ち、2着に6番人気、3着に8番人気と入り、馬連と三連複のダブル的中となりました。
このレースのポイントは、重賞レースで前走条件戦の馬は、期待値が低いという点。
このデータさえ頭に入っていれば、昇級馬を切るだけで、簡単に好配当が的中できたレースだったわけですね。