▼本日は、昇級戦のポイントについて、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・昇級戦は相手が強くなるので、基本的には不利
・しかし、下のクラスを楽勝で突破してきた馬は、昇級戦でも即通用する。人気のある昇級馬は狙える
・逆に、下のクラスをギリギリで勝ち上がってきた馬は、昇級戦では苦戦傾向にある。人気薄の昇級馬は軽視が基本
・降級制度に関しては、2019年夏に廃止された。その結果、下級条件のレースレベルが下がり、3歳馬が有利となった
・ただ、オープンクラスから条件戦への実質的な降級は現存しており、その場合の好走確率は高いので狙える
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競馬には、「クラス」というヒエラルキーが存在しています。
競馬は、勝てば勝つほどクラスが上がっていき、ピラミッドの上の方に位置することになります。
そして、レースに勝って上のクラスに上がったばかりの馬を、「昇級馬」と言います。
▼ではこの昇級馬、馬券的には狙えるのか?狙えないのか?
本日は、昇級戦のデータとポイントについて、わかりやすく解説していきたいと思います。
▼まず、昇級戦というのは、下のクラスを勝ったばかりの馬のレースなので、相手が急に強くなります。
今まで戦ってきた相手よりも強くなるので、基本的には、昇級戦は不利であると言えます。
では、昇級馬は軽視すればいいのか?
これが、そんなに単純な話でもないんです。
▼具体的なデータも交えて見ていきましょう。
【昇級馬のデータ。連対率】2020~2023年
同クラス→14%
昇級戦→19%
降級戦→20%
はい。
このように、同クラスの馬よりも、昇級馬の方が連対率が高くなっています。
昇級戦では、相手が強くなるのに、なぜ連対率が高いのか?
▼その理由は、競走馬の場合、前走1着の馬は、今走でも「調子がいい」ケースが多く、調子がいい馬は好走確率も高いからです。
競走馬は、調子を管理するのが難しい生き物ですが、前走で1着だった馬は、基本的には今走でもその好調をキープしています。
なので昇級馬は、連対率が高くなると考えられるわけですね。
▼また、昇級馬には、「勢い」があります。
同クラスでずっとダラダラと走っている馬よりも、下のクラスを勝ち上がってきた勢いで、上のクラスでも通用してしまうケースが多い。
つまり昇級馬には、調子の良さと勢いがあるため、現級馬よりも連対率が高くなり、好走しやすくなると考えられるわけですね。
なので、「昇級馬だから切ろう」と、安易に考えない方が良い。
特に、人気の昇級馬は好走確率が高いので、馬券に組み込んでいった方が賢明です。
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昇級戦のデータと狙い目
▼ということで、昇級戦について、次の解説をしていきましょう。
先程の続き。
先ほどは、昇級馬の連対率について解説しました。
では次に、昇級馬の勝率についても見ていきましょう。
【昇級馬のデータ。勝率】2020~2023年
同クラス→7%
昇級戦→10%
降級戦→10%
はい。
勝率のデータで見ても、現級馬よりも昇級馬の方が良い成績になっています。
▼現級で走っている馬が勝つ確率よりも、昇級馬が連勝する確率の方が高いということですね。
それくらい、競馬では勢いというものが大切になります。
同じクラスでずっと走っていると、馬がレースに慣れてしまい、勝とうとする気持ちが薄れることがあります。
その点で、昇級馬には勢いや元気があり、慣れてしまった現級馬よりも、好走確率が高くなるわけですね。
▼ちなみに、先ほどもデータに登場しましたが、「降級戦」というものもあります。
降級制度については、2019年夏に廃止されたんですが、「オープンから条件戦への降級」は、今でも行われているので、そのデータを拾っています。
降級馬は、オープンで走っていた馬が条件戦に降りてくるので、相手関係が楽になります。
その結果、降級馬は勝率や連対率が高くなるわけですね。
オープンからの降級馬は、好走確率が高いので、狙い目となります。
▼昇級戦の話に戻りましょう。
昇級戦は、馬に勢いがあるので、相手が強くなっても通用する。
でも、すべての昇級馬が狙えるわけではない。
ここでも具体的なデータを見てみましょう。
【昇級馬のデータ。人気別の単勝回収率】2020~2023年
75(%)
72
85
64
81
88
74
85
45
86
64
84
96
17
102
0
0
0
(※上から1~18番人気)
はい。
昇級馬の人気別の単勝回収率を集計すると、上記のようになります。
▼このデータを見ると分かる通り、昇級馬でも、あまり人気薄になると期待値が下がることがわかります。
昇級馬の狙い目は、10番人気くらいまでが良い。
特に、中穴の昇級馬は回収率が高くなっています。
10番人気以下の昇級馬は、やや期待値が下がりますが、通常の10番人気以下よりは回収率が高いので、15番人気くらいまでの昇級馬は、一応マークしておいた方が良いでしょう。
▼▼では次に、昇級馬の「前走の勝ち方」について考えていきましょう。
一言で昇級馬と言っても、その中身は様々です。
昇級馬を簡単に分類してみましょう。
【昇級馬の種類】
・楽勝で勝ち上がってきた馬
・ギリギリで勝ち上がってきた馬
・逃げ/先行で勝ち上がってきた馬
・上がり最速で勝ち上がってきた馬
・トップジョッキーが連続騎乗している昇級馬
はい。
昇級馬には、主にこのような種類の馬たちがいます。
▼まず、「楽勝で勝ち上がってきた馬」
昇級馬では、このタイプの馬が最も期待値が高くなりやすいですね。
下のクラスを楽に勝ち上がってきた馬は、上のクラスでも即通用するケースが多い。
勝ち上がり方は、非常に重要なポイントになります。
▼具体的には、
・芝のレースで、0.2秒以上の差をつけて勝ち上がってきた昇級馬
・ダートレースで、0.3秒以上の差をつけて勝ち上がってきた昇級馬
このようなタイプの昇級馬は、楽勝で勝ち上がってきたと言えるので、昇級戦でも即通用するケースが多いです。
▼「芝のレースで、0.2秒差」というのは、1つの重要な目安になりますね。
着差で言えば、2馬身差くらいですね。
下のクラスを、これくらいの差をつけて勝った馬は、上のクラスでも勝率・連対率・複勝率が高くなります。
▼一方、「ダートレースで、0.3秒差」というのは、芝とダートの違いを表しています。
ダートレースの場合、芝のレースよりもトップスピードが遅くなるので、着差やタイム差がつきやすい。
なので、芝のレースよりも、大きめの着差が必要になります。
いずれにしても、0.2~0.3秒差以上をつけて勝ち上がってきた馬は、昇級戦でも要注意であり、積極的に狙っていきたい馬と言えます。
▼逆に、「ギリギリで勝ち上がってきた馬」→このタイプは、昇級戦で苦戦しやすい。
下のクラスをギリギリで勝った馬というのは、そこからさらにレベルが上がる上のクラスでは、通用しないケースが多いからです。
競馬新聞では、ギリギリで勝ち上がった馬でも、前走の馬柱に「1着」と目立つように表示されるので、人気になりやすいです。
しかしながら、このようなタイプの馬は過剰人気になりやすく、能力以上に馬券が売れてしまうので、あまり儲からない馬と言えるわけですね。