▼本日は、東京競馬場の特徴について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・東京競馬場は、中山競馬場と比べると、差しが届くが、それでもやはり逃げ馬と先行馬の好走確率が高い。
・直線の長い東京競馬場でも、人気薄の逃げ馬は要注意。
・東京競馬場は広いコースだが、内枠が有利になりやすい。
・東京競馬場は、強い馬が能力を発揮しやすく、1番人気の回収率が高い。
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼東京競馬場は、中央4場で唯一の左回りで、長い直線と広いコースが特徴です。
芝コースは、1400m 1600m 1800m 2000m 2400m 3400m の6種類の距離があります。
▼コースが広々としており、走りやすいので、比較的どんな脚質でも活躍できる競馬場になります。
過去10年の脚質データを見てみましょう↓(2010~2019年)東京芝のレース
逃げ馬⇒単勝回収率178%
先行馬⇒単勝回収率78%
差し馬⇒単勝回収率66%
追い込み馬⇒単勝回収率31%
はい。
中山競馬場では、逃げ馬と先行馬の回収率が突出していましたが、東京競馬場では、差し馬も悪くありません。
▼東京競馬場で逃げ馬の単勝回収率が高いのは、人気薄の逃げ馬が勝つことが多いからです。
これは東京競馬場に限った話ではなく、前回の中山競馬場でも同じ傾向でした。
参考記事
↓
中山競馬場の馬券の買い方
▼では次に、軸馬として重要な「連対率」を見てみます。
逃げ馬⇒連対率22%
先行馬⇒連対率19%
差し馬⇒連対率15%
追い込み馬⇒連対率6%
はい。
逃げ馬と先行馬の連対率が高いのは当然として、東京競馬場では、差し馬の連対率も高くなっています。
やはり左回りの広いコースということで、ある程度、後ろからでも届くコースになっています。
▼東京競馬場で誤解されやすい部分として、「東京競馬場は直線が長いから、逃げ馬には不利」と考えてしまいがちな所があります。
しかしながら、ここまで見てきたとおり、東京競馬場で最も活躍する脚質は「逃げ」
直線が長くても、やはり逃げ馬は、期待値的に最強なわけです。
▼では次に、「勝ち馬の平均オッズ」を見てみましょう↓
逃げ馬⇒単勝平均1527
先行馬⇒単勝平均774
差し馬⇒単勝平均901
追い込み馬⇒単勝平均1145
はい。
これは、勝った馬の単勝オッズの平均値です。
これを見ると、逃げ馬の単勝オッズが飛び抜けて高いことが分かります。
▼これはどういうことかというと、「東京競馬場の逃げ馬は、人気薄で怖い」ということ。
逆に、「先行馬は人気でしっかり勝つ」という傾向になっています。
▼このことから、単勝や1着固定といった単系馬券では、逃げ馬を狙うと回収率が上げやすい。
その一方で、馬連や三連複の軸馬にするなら、先行馬や差し馬が良い。
このように考えることができます。
東京競馬場では、先行馬と差し馬が安定して走る傾向にあるので、軸馬には最適ですね。
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東京競馬場で有利な枠順
▼東京競馬場の馬券の買い方についての考察を続けます。
先ほどは、脚質について解説しました。
ここでは、枠順について考えてみたいと思います。
▼東京競馬場の芝コースは、広いコースなので、あまり枠順は関係ないと考えてしまいがちです。
しかしながら、意外と東京競馬場の芝コースでは、内枠有利になりやすい傾向です。
▼前回の中山競馬場では、「内枠の方が好走確率は高いけれど、回収率は外枠の方が高い」と書きました。
しかし東京競馬場では、「内枠の方が好走確率も回収率も高い」という感じになりやすいわけです。
▼東京競馬場で内枠の連対率は、15%前後。
それに対して、東京競馬場の外枠の連対率は、9%前後になっています。
▼確かに、東京競馬場は広いコースなので、前が詰まったりする不利は少ないんですが、広いコースだけに、大外を回してしまうとかなりの距離ロスになってしまうわけです。
広いコースで馬群が横に広がった場合、4コーナーで内々を回った馬の方が、圧倒的に距離ロスが少なくなるわけです。
▼回収率で考えてみても、東京競馬場の内枠の単勝回収率は80%程度なのに対し、外枠の単勝回収率は50%くらいしかありません。
ここまで差があると、東京競馬場の芝コースでは、極端な外枠を引いた場合は、減点材料と考えても良いかと思います。
▼中山競馬場では、「大外枠」の単勝回収率がプラスになっていました。
これは、枠入れが一番最後という優位性にも原因があったわけですが、東京競馬場の大外枠は↓
・単勝回収率60%
これしかないわけです。
東京競馬場では、最後の枠入りという優位性以上に、外枠の距離ロスという減点材料が上回ってしまっている印象です。
▼その他の要因としては、東京競馬場は「高速馬場」になりやすく、その点でも内枠有利になりやすい印象です。
馬場の内側が高速馬場になると、もう外枠の馬は、お手上げ状態になるわけです。
最短距離を走った馬が、馬場も良いということになると、内々を回った馬が伸びる。
外が伸びないと言うより、内が伸びることになるので、結果的に内枠の単勝回収率・複勝回収率が高くなるわけです。
▼▼では次に、東京競馬場の重賞レースのデータ(2010~2019年)を見てみたいと思います。
まず注目すべきは、「1番人気の単勝回収率90%・複勝回収率87%」という部分です。
東京競馬場の重賞レースでは、1番人気の期待値が高くなりやすい。
東京コースは広いので、強い馬が能力を発揮しやすく、その結果、1番人気の期待値が高くなりやすいわけです。
▼これが逆に、小回りコースの場合は、コースが狭いため、強い馬が不利を受けることが多く、1番人気の信頼度が下がります。
そう考えると、東京競馬場の重賞レースでは、まず1番人気を中心に馬券を組み立てることが基本になります。
▼では次に、この信頼できる1番人気のデータを詳細に分析してみます。
【東京競馬場の重賞レース。1番人気の脚質】
前走逃げ⇒複勝回収率110%
前走先行⇒複勝回収率102%
前走差し⇒複勝回収率74%
前走追い込み⇒複勝回収率76%
はい。
これは、軸馬を決める時に役立つデータです。
東京の重賞レースで1番人気を軸馬にする場合、逃げ馬と先行馬の複勝回収率が圧倒的に高くなっていますので、狙い目。
まあこれは当たり前なんですが、競馬では前に行ける馬が有利ということです。
▼「東京コースは広いから、後方から差す馬を軸にしよう!」と考える人が多いんですが、回収率をデータ分析した場合、先行馬を軸にした方が儲かることがわかります。
これはどこの競馬場でもそうなんですが、意外と東京競馬場では、先行有利になりやすいわけです。
▼理由としては、先ほども少し書きましたが、高速馬場になりやすいという点が影響していると思われます。
近年は特に、東京競馬場では高速馬場の影響でレコードタイムが連発しています。
このような馬場状態の場合、最後方から追い込むのは、かなり厳しい状況です。
なので、東京の重賞レースで1番人気を軸にするなら、逃げ馬か先行馬を選んでいくと、回収率が上がりやすくなります。
▼ちなみに、連対率も見てみましょう
前走逃げ⇒連対率60%
前走先行⇒連対率57%
前走差し⇒連対率44%
前走追い込み⇒連対率49%
はい。
1番人気の連対率はこのようになります。
1番人気の平均連対率は50%前後なので、逃げ馬と先行馬に明確な優位性があるのが分かります。
▼ただ、逃げ馬は数が少ないので、期待値は高いものの、勝負のチャンスが少ない。
そういう意味では、「1番人気の先行馬」を東京の重賞レースで狙っていくのが基本になります。
1番人気の先行馬は、複勝回収率が102%とプラスになっているので、このタイプの馬から三連複ながしを仕掛けるだけで、長期回収率はプラスになりやすくなると思います。
▼▼では次のデータを見てみましょう。
【東京競馬場の芝重賞レース。1番人気の枠順別・複勝回収率】2010~2021年。273レース分析
96(%)
105
105
89
75
96
50
64
71
100
53
84
107
80
64
106
115
145
(上から、1~18番枠)
はい。
東京競馬場の重賞レースで、1番人気の「複勝回収率」を、枠順別に集計すると上記のようになります。
▼このデータを見て分かる事は、東京競馬場の1番人気馬は、1~4番枠の複勝回収率が高いということです。
東京競馬場では、どの人気でも内枠有利になりますが、1番人気でも例外ではなく、やはり内枠有利となります。
なので、東京競馬場の重賞レースで、「1番人気が、先行馬で、内枠」だったら、軸不動となるわけですね。
複勝回収率が高いので、特に、三連複や馬連の軸として最適です。
これはオーソドックスな軸馬の決め方になりますが、必ず頭に入れておきたいところです。
▼一方で、16~18番枠の外枠も、すべて複勝回収率がプラスになっています。
東京競馬場は内枠有利の競馬場ですが、極端な外枠は、不利を受けるリスクがなく、1番人気が能力を発揮しやすい条件と言えます。
なので、「1番人気が16~18番枠」の時も、軸馬候補になります。
▼では次に、少し別の角度から枠順データを見てみましょう。
【東京競馬場の芝重賞レース。1番人気の枠順別・回収率】2010~2021年。273レース分析
・偶数枠⇒単勝回収率91%・複勝回収率90%
・奇数枠⇒単勝回収率82%・複勝回収率79%
はい。
東京競馬場の重賞レースでは、偶数枠と奇数枠で、明確な回収率の差が見られます。
▼偶数枠というのは、2.4.6.8・・・枠ですね。
奇数枠は、1.3.5.7・・・枠です。
なぜ偶数枠の回収率が高くなるかというと、偶数枠はゲートに入るのが、後入れなんですね。
なので、偶数枠はゲートの中で待たされる時間が少ない。
その分、出遅れのリスクが下がり、レースで良いポジションを取ることができるわけです。
▼東京競馬場は広いコースなので、スタートで出遅れてポジションが悪くなると、外目を回らされるリスクがあります。
奇数枠だと、ゲートが先入れなので、ゲートの中で待たされ、出遅れて道中のポジションが悪くなる可能性があるわけです。
したがって、東京競馬場の重賞レースでは、「1番人気が偶数枠」なら、内枠でなくても狙い目となるわけです。
▼▼では次に、具体的なケーススタディを見てみましょう。
【東京スポーツ杯2歳S】2021年
1着 イクイノックス(1番人気)
2着 アサヒ(4番人気)
3着 テンダンス(6番人気)
三連複2800円
馬連1200円
はい。
このレースは、高速馬場の東京競馬場では、明らかに内枠有利になるということがわかるレースでした。
▼まず、出走頭数は12頭立てで、少頭数。
当ブログではいつも書いていますが、出走頭数が少ない時は、人気馬の信頼度が高まり、波乱になる確率が下がります。
したがってこのレースも、本命サイドから中穴サイドの範囲で狙っていくことになります。
▼最初に、軸馬を決定します。
軸馬は、いつも書いている通り、基本1~3番人気から選ぶことになります。
なぜかと言うと、軸馬を人気薄にしてしまうと、的中率が大きく下がり、収支が安定しないからですね。
▼ということで、1番人気は、デビュー戦を1.0秒差で圧勝した、イクイノックス。
鞍上はルメール騎手ということで、もっと断然人気になるかと思いましたが、単勝オッズは2.6倍とそれほど過剰人気ではない。
枠順は、高速馬場の東京重賞レースでは圧倒的に有利な1枠1番。
単勝1倍台なら迷うところですが、単勝2.6倍の水準なら、合成オッズ的にも合格ラインなので、軸馬はイクイノックスとなります。
▼相手ヒモ馬は、特に難しく考える事はなく、4~9番人気から選ぶことになります。
1番人気が軸馬なので、2~3番人気をヒモに入れてしまうと、合成オッズが下がってしまうため、ヒモの基本は4~9番人気ということになります。
2~3番人気馬を切ると、的中率は下がりますが、合成オッズが上がるので、長期的な回収率も上がりやすくなります。
▼高速馬場なので、4~9番人気のうち、外枠の人気薄、11番テラフォーミングと12番ダンテスヴューを切ります。
これで馬券構成は下記のようになります。
軸
1番人気イクイノックス
相手ヒモ馬
4.6.7.8番人気
三連複6点買い
馬連4点買い
という感じですね。
▼結果は、絶好の1番枠を引いた、1番人気のイクイノックスが、上がり32.9秒の末脚で楽勝。
2着に3番枠のアサヒ、3着に2番枠のテンダンスと、データ通り、1~3番枠の馬で上位独占となりました。
▼三連複は6点で2800円(レース回収率466%)
馬連は4点で1200円(レース回収率300%)
ということで、どちらも利益率的には合格ライン。
このレースは、東京競馬場においての、少頭数の高速馬場での重賞レースの特性をしっかり把握しておけば、簡単に馬券を的中できたレースだったわけですね。