▼本日は、夏競馬について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・7~8月の夏競馬では、牝馬が強い。
・通常、牝馬の回収率は、牡馬より低いが、夏競馬では牝馬の回収率の方が高くなる。
・特に、夏の重賞レースで、1~3番人気の牝馬は回収率が高いので、軸に最適。
・あとは、夏競馬の重賞レースでは、牡馬も含めて、2~3番人気馬の期待値が高い。
・それから夏競馬では、7歳以上の高齢馬の回収率が高め。
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼夏競馬とは、7月・8月のローカル開催の季節のことです。
まず競馬は、基本的には中央開催を中心に行われます。
中央開催というのは、東京、中山、京都、阪神。それぞれの競馬場での開催です。
ただ、1年の中で、2か月だけ中央開催が行われない時期があります。
それが、7~8月の夏競馬です。
▼この夏の競馬だけは、中央開催ではなく、ローカル開催での競馬となります。
ローカル競馬場とは、札幌競馬場、函館競馬場、福島競馬場、新潟競馬場、小倉競馬場、中京競馬場
この6つですね。
▼さて、この夏競馬、中央開催とは大きく違う、夏競馬の特徴があります。
例えば、「夏競馬では、牝馬が強い」
過去10年ほどの7~8月の競馬開催でのデータを見てみると↓
・夏競馬の牝馬⇒単勝回収率76%(全体は72%)
通常は、牝馬の回収率は、牡馬より下になるわけですが、夏競馬では牝馬の回収率の方が高くなります。
▼「夏は牝馬」という競馬格言があるように、生物としての構造上、暑い夏競馬では、牝馬のコンディションが上がってくるケースが多いわけです。
この傾向は、重賞レースで特に顕著であり、夏の重賞レースでの牝馬の単勝回収率は80%になっています。
全体の回収率が68%なので、明らかに牝馬が活躍しているのが分かります。
▼このデータをさらに絞り込んでみます↓
・1~3番人気の牝馬(夏の重賞レース)⇒単勝回収率106%
はい。
なんとプラス回収になってしまいます。
▼要するに、夏の重賞レースで、牝馬が1~3番人気の時に、単勝を買えば、過去10年ではそれだけでプラス収支になってしまうということです。
中央開催ではあり得ないデータ状況になっています。
ちなみに、1~3番人気の牡馬は、単勝回収率86%です。
▼このことから、夏の重賞レースで馬券を購入するときは、「1~3番人気の牝馬」を軸馬にすれば良い。
もちろん、臨機応変に対応することが重要ですが、基本的な考え方としては、「人気の牝馬を軸にする」というのを頭に入れておくと、回収率が上がりやすくなると思います。
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夏競馬のデータと狙い目
▼夏競馬の特徴についての考察を続けます。
先程は、夏競馬における牝馬の優位性について書いてみました。
ここでは、牡馬も交えた夏競馬のデータを見てみたいと思います。
▼夏の重賞レースで、上位人気馬の単勝回収率を見てみます↓(過去10年データ)
・1番人気⇒単勝回収率74%
・2番人気⇒単勝回収率95%
・3番人気⇒単勝回収率104%
はい。
夏競馬では、1番人気が勝ちきれず、その代わりに、2番人気・3番人気の勝率が高くなっています。
▼夏競馬の場合、馬の調子が変わりやすく、1番人気が勝ち切れないケースが多いです。
その隙を突いて、2~3番人気が勝利をさらっていくケースが多々あります。
▼このことから、夏競馬の重賞レースでは、2~3番人気の馬を軸にすると、回収率を上げやすくなる。
先程の牝馬のデータとミックスすると、
「夏の重賞レースでは、2~3番人気の牝馬を軸馬にする」というのが、1つの有効な戦略になってきます。
ただ、ここまで絞り込んでしまうと、データがバッティングしてしまうことがあるので、牝馬なら1番人気でも十分に期待値は高くなるという感じで、広く認識しておくとよいかと思います。
▼それから、夏の重賞レースで面白い傾向として、
「高齢馬の成績が良い」というものがあります。
例えば、このようなデータ↓
・夏の重賞レースで7歳馬⇒単勝回収率103%
はい。
サラブレッドは、普通は4~5歳が一番強く、7歳にもなると成績が悪くなってくるんですが、夏競馬ではなぜか高齢馬の回収率が高くなるケースが多いです。
ただ、8歳以上になると、さすがに回収率が暴落するので、「夏競馬の7歳馬狙い」というのは、少し頭に入れておくと良いかと思います。
▼では、私が夏競馬で馬券を当てた、具体的なレースデータについても見てみましょう。
まず、2018年のキーンランドカップ。
ここは、1番人気がモレイラ騎手のナックビーナス。牝馬です。
2番人気がレッツゴードンキで、こちらも牝馬なので軸に迷うところですが、ここはシンプルに、「人気の牝馬を軸」
ナックビーナスから、馬連5点買い。
軸を1番人気にしたので、ヒモは2~3番人気を外し、中穴狙い。
▼結果、1番人気-4番人気で決まり、馬連1250円。
配当はイマイチでしたが、夏競馬の法則に従い、簡単に馬券を当てたレースでした。
夏の重賞レースでは、人気の牝馬はかなり信頼できます。
ちなみにこのレースは、3着のペイシャフェリシタが9番人気で穴になったんですが、これも牝馬でした。
夏の牝馬は、人気薄でも激走することがあるので、要注意ですね。
▼▼では次の夏競馬の特徴として、「夏は、人気馬の単勝期待値が高い」ということについて。
これも夏の重賞レースのデータですが、過去10年の夏の重賞レースで、1~3番人気の単勝回収率は91%もあります。
これはどういうことかというと、夏の重賞レースでは、1~3番人気の馬が勝つ確率が高いということです。
▼夏競馬以外の通常の開催では、1~3番人気の単勝回収率は80%前後です。
これが夏競馬になると、10%も上乗せされるわけですね。
この傾向をうまく活用すれば、夏競馬で回収率をアップさせることが可能です。
▼まず、1~3番人気の単勝回収率が91%という事は、単勝馬券でもプラス収支を狙えるゾーンになります。
もちろん、すべての単勝馬券を購入すると、回収率は91%になってしまうので、プラス収支まで届きません。
そこで、ここからフィルタリングしていきます。
【1~3番人気データ】
※7~8月の重賞レース(2010~2019年)
2歳馬⇒単勝回収率122%
3歳馬⇒単勝回収率97%
4歳馬⇒単勝回収率111%
はい。
年齢だけでフィルタリングしたわけですが、回収率が高い年齢というのが明らかにわかります。
▼夏の重賞レースでは、2~4歳の若い馬の単勝は、非常に回収率が高くなりやすいわけです。
夏の2歳戦・3歳戦は固い決着が多いため、1~3番人気の単勝回収率が高くなっています。
一方、4歳馬は、馬の年齢で最も強い年代になります。
そのため、4歳馬が1~3番人気の場合は、信頼度が高まり、回収率が上がるわけです。
では次のデータを見てみます。
【1~3番人気データ】
※7~8月の重賞レース(2010~2019年)
6枠⇒単勝回収率119%
7枠⇒単勝回収率108%
はい。
夏の重賞レースでは、小回りコースが多いため、あまり極端な内枠は回収率が高くならない。
通常の中央開催では、内枠が有利になるケースが多いんですが、夏競馬の場合は、「少し外目の枠」が高い回収率になっています。
▼夏の重賞レースで、1~3番人気が6~7枠なら、単勝回収率は100%を超えています。
つまり、この条件の時に単勝馬券を購入すれば、長期的にはプラス収支になる可能性が高いということになります。
もちろん、過去10年の結果なので、この先どうなるかはわからない部分もありますが、期待値の高さは証明できていると思います。
夏競馬では、極端な内枠より、6~7枠の人気馬を意識していくと、回収率も上げやすくなると思います。
▼▼さて、ここまで夏競馬の狙い目を考察してきましたが、ここで夏競馬の特徴をまとめてみましょう。
【夏競馬(重賞レース)の特徴】
牝馬が強い
2~3番人気が強い(単勝期待値が高い)
ヒモ荒れしやすい(2~3着の大荒れが多い)
人気薄の大穴馬でも、期待値が下がらない
配当が思ったほどつかない
オッズに乱れが生じやすい
本命サイドの決着は、ほとんどない
はい。
夏競馬の特徴を並べてみました。
では1つずつ解説してみます。
▼まず、「夏競馬では、牝馬が強い」
先ほども少し書きましたが、夏の重賞レースでは、牝馬の回収率がかなり高くなります。
例えば、2010~2021年までの10年以上の夏のデータを見ても、牝馬の単勝回収率は95%もあります。
夏の重賞レースで、牝馬の単勝を買い続けるだけで、回収率が95%になるということです。
これは、中央開催のデータを考えると、あり得ない数字になります。
▼牝馬は、生物的に牡馬より暑さに強く、寒い時期より、暑い時期に能力を発揮できる生き物です。
なので、夏競馬、特に夏の重賞レースでは、牝馬を積極的に狙うことによって、馬券の回収率を上げることができるわけです。
▼では次に、「夏の重賞レースでは、2~3番人気が強い」
これは牡馬でも関係なく強いです。
具体的なデータを見てみましょう。
【夏の重賞レース。2~3番人気データ】
単勝回収率97%
牡馬97%
牝馬95%
という感じになります。
夏の重賞レースでは、2~3番人気馬を軸馬にする事で、回収率が引き上がることになります。
ちなみに、単勝回収率では牡馬がやや上回っていますが、複勝回収率では、牡馬76%に対し、牝馬92%なので、三連複やワイドの軸にするなら、「2~3番人気の牝馬」がベターということになります。
▼では次に、「夏の重賞レースは、ヒモ荒れしやすい」
上述した通り、夏競馬では、2~3番人気が勝つ確率が高いです。
1着が人気馬になるケースが多いと言うことです。
ただ、2~3着に関しては、大穴が入ってくる確率が非常に高くなります。
人気で言うと、「2番人気ー6番人気ー10番人気」というような人気バランスでの決着が多くなるわけです。
▼これはなぜかと言うと、夏競馬の場合、「夏は格より調子」という格言がある通り、強い馬でも調子が悪いと簡単に惨敗してしまうからです。
逆に、弱い馬でも調子が良いだけで激走してしまう。
中央開催では、弱い馬はどんなに調子が良くても4~5着までというケースが多いわけですが、夏競馬の場合は、弱い馬でも調子がいいだけで2~3着に入ってきてしまいます。
その結果、2~3着が大荒れというケースが多発するので、夏競馬はヒモ荒れに警戒する必要があるわけです。
▼▼では次に、「夏競馬は、人気薄の大穴馬でも、期待値が下がらない」
これは先ほど解説した、ヒモ荒れしやすいという点に似ているのですが、夏競馬では、大穴馬の期待値が下がりにくい傾向にあります。
通常、中央開催では、10番人気以下、もしくは13番人気以下の大穴馬は、期待値(回収率)が下がりやすい傾向にあります。
これは、控除率と過剰投票の影響によるものだと思いますが、夏競馬ではこの影響が小さくなります。
▼具体的なデータを見てみましょう。
【夏競馬の重賞レースデータ】2010~2022年。7~8月
10番人気⇒単勝回収率78%・複勝回収率89%
11番人気⇒単勝回収率122%・複勝回収率63%
12番人気⇒単勝回収率67%・複勝回収率80%
はい。
このように、10番人気以下でも、普通に回収率が80%を超えてきます。
これは中央開催ではあまり見られない傾向で、通常、中央開催では10番人気以下の馬の回収率は、30~60%くらいになります。
したがって、夏競馬では大穴馬の激走確率が高いので、波乱も警戒して、少し広めに買い目を構成する方が安全と言えます。
▼では次に、「夏競馬は、配当が思ったほどつかない?」について。
これは私の感覚値・仮説ですが、夏競馬は、中央開催よりも配当が渋い気がします。
「この組み合わせなら、三連複80倍は行くだろう」と思っても、50倍くらいだったりすることが、頻繁に起こる気がするわけです。
▼私の仮説なので、理由は定かではありませんが、
「夏競馬は、競馬初心者さんの参戦が減って、プロ馬券師の比率が上がるから、配当が下がる?」
「夏競馬は、売り上げが下がるから、JRAが多めに控除している?」
「ただの気のせい?」
など、いろいろ考えられますが、はっきりした理由はわかりません。
でも夏は、明らかに配当が低いレースが多い気がするんですけどねえ。
なので私の馬券は、夏競馬では通常の中央開催より、少しレートを下げています。
▼ちなみに、「プロ馬券師の比率が高い」で言えば、午前中のレースもそんな雰囲気です。
(中央開催も含む)
午前中のレースは、競馬初心者さんの参戦が少ないので、プロ馬券師の比率が上がる気がします。
午前中のレースでは、想像していた以上に、配当が安いケースが散見されます。
なので私の場合は、午前中のレースはあまり購入せず、買うとしてもレートを下げて、少額で購入することが多いわけですね