▼本日は、千直について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・新潟競馬場の直線1000mは、外枠が圧倒的に有利
・千直では、内枠の勝率は2%程度、外枠の勝率は12%程度と、かなり外枠有利となっている
・ただ、千直の外枠有利は多くの競馬ファンが知るところなので、外枠は過剰に馬券が売れるため、回収率ではそれほどの差はない
・それでもやはり、新潟の直線1000mは、外枠の方が儲けやすいと言える。
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼中央競馬で、最も個性的なレースのひとつが、新潟競馬場の直線1000m、いわゆる「千直」です。
千直はカーブがなく、直線だけの1000mのレースです。
このレース以外は、すべてコーナーがあるため、千直では特殊なデータ傾向が出現しています。
▼まず、千直で最も有名なデータは、「外枠有利」ですね。
通常、競馬場は、インコースから馬場が悪くなっていくのですが、コーナーがあるコースだと、それでもインコースが有利なので、あまり差が出ません。
それに対して、千直はコーナーがないので、外枠の距離ロスがない。
結果として、馬場が綺麗な外枠が、圧倒的に好走確率が高くなっています。
▼例えばこんなデータ↓(2010~2019年。新潟1000mデータ)
1番枠⇒勝率2%
18番枠⇒勝率11%
はい。
こんなに違うんですね。
千直では、1番枠に入った時点で、ほとんど勝つ見込みがなくなってしまいます。
▼では次に、このようなデータ↓
18番枠⇒回収率115%
大外枠⇒回収率116%
はい。
勝率だけでなく、回収率を見ても、明らかに外枠は、回収率が高くなっています。
▼千直での枠順だけを眺めていると、外枠になればなるほど好走確率が高くなることがわかります。
例えば、内枠から順番に勝率を並べてみると、このような感じ↓
2.4%
3.6%
5.2%
3.2%
5.6%
6.0%
2.4%
7.6%
6.4%
7.7%
5.3%
5.8%
9.1%
5.7%
9.4%
9.5%
8.3%
10.8%
(※上から1番枠~18番枠)
はい。
一番上が1番枠で、一番下が18番枠になります。
ところどころ誤差はありますが、基本的には外枠に行けば行くほど、勝率が高くなっているのがわかります。
▼では次に、単勝回収率も順番に並べてみましょう↓
27(%)
48
54
31
193
103
13
69
60
72
40
64
71
118
131
70
51
115
(※上から1番枠~18番枠)
はい。
これも、部分的には誤差がありますが、基本的には外枠になればなるほど、回収率が高くなっています。
1~4番枠の回収率はひどいものですね。
千直では、1~4番枠は積極的には狙いたくないところです。
▼千直における外枠有利の傾向は、どのデータを見ても明らかになっています。
例えば、「連対率」「複勝率」などを見ても、外枠になればなるほど高くなっていくわけです。
▼このような傾向を勘案すると、千直では、まず外枠の馬を中心に馬券構成を考える。
これだけで、回収率が上がりやすくなるわけです。
千直のポイントは、まず「外枠」
これは覚えておいてください。
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新潟1000mで儲かる騎手は?
▼新潟直線1000mの買い方についての考察を続けます。
先ほどの続き。
先ほどは、千直の外枠が有利であることについて書いてみました。
ここでは、また別の角度からデータ分析してみましょう。
▼例えば、「千直が得意な騎手」
千直は特殊なコースなので、騎手によって、得手不得手があります。
千直が得意な騎手は、下記のような感じです↓(勝利数順)
西田雄一郎
村田一誠
田中勝春
津村明秀
石橋脩
丸田恭介
内田博幸
はい。
「千直の西田雄一郎」は有名ですね。
西田雄一郎騎手は、村田一誠騎手と並んで、千直の最多勝騎手になっています。(2010~2019年)
単勝回収率も優秀で、112%とプラス回収です。
▼千直の勝率が最も高い騎手は、田中勝春騎手と内田博幸騎手で、勝率13%になっています。
勝率が高い騎手は、軸馬に向いていますね。
勝率の高さで言うと、
村田一誠
田中勝春
石橋脩
内田博幸
Mデムーロ
この辺になります。
Mデムーロ騎手だけ、トップジョッキーが入っていますが、ここは意外と狙い目になっています。
Mデムーロ騎手は、千直の勝率50%、単勝回収率162%・複勝回収率127%と、素晴らしい成績なんですね。
千直にMデムーロ騎手が出てきたら、積極的に狙いたいところです。
▼千直は、西田雄一郎騎手が有名ですが、「実質回収率」で考えると、優秀なのは↓
村田一誠
田中勝春
津村明秀
石橋脩
Mデムーロ
はい。
彼らは、しっかりと人気馬を勝たせるし、千直で信頼できる騎手と言えます。
▼西田雄一郎騎手も悪くはないんですが、彼の場合は、人気馬を勝たせるというよりは、人気薄で突っ込んでくる傾向です。
なので、穴党の人は、千直で西田雄一郎騎手を狙っていくと、穴馬券が取りやすくなると思います。
▼あとは、「千直の藤田菜七子騎手」というのも有名ですね。
彼女の場合は、まだ騎乗数が少ないのですが、単勝回収率155%と優秀な成績です。
ただ、彼女の場合も、「人気薄で勝って、人気馬で負ける」という傾向なので、軸馬として信頼するというよりは、ヒモに入れて穴を狙う感じが良いかと思います。
▼▼では次に、新潟千直(直千)の、枠順別の連対率と複勝率を見てみましょう。
まず、連対率のデータです↓
5.6%
6.7%
9.4%
7.1%
9.7%
9.0%
7.5%
15.3%
10.5%
14.0%
15.3%
13.2%
16.9%
14.8%
18.8%
15.9%
15.5%
21.1%
(※上から1番枠~18番枠)
はい。
先程は勝率を見てみましたが、今回は連対率です。
連対率を見ても、外枠になればなるほど、数字が上がっていくのがわかります。
▼連対率は、馬連流しで、特に重要な指標になります。
競馬は基本的に、1枠1番が有利なんですが、新潟の直線1000mは、1枠1番が圧倒的に不利になっています。
何も考えずに1枠1番の馬を軸にするのと、意識的に外枠の馬を狙っていくのとでは、的中率と回収率に大きな差が生じます。
▼では次に、複勝率(3着内率)のデータです↓
10.9%
12.4%
13.5%
10.4%
12.7%
14.6%
12.4%
20.5%
16.9%
20.0%
20.2%
21.3%
24.1%
23.8%
23.8%
27.4%
26.4%
26.3%
(※上から1番枠~18番枠)
はい。
当然ですが、新潟千直は、複勝率でも明らかに外枠が優位になっています。
▼複勝率は、3着内率なので、三連複や三連単などの三連系馬券で狙う場合に、重要な指標になります。
私は三連複がメインの馬券種なので、複勝率の数字はしっかり見るようにしています。
三連複で狙う場合も、意識的に外枠の馬を軸馬にするようにしていくと、長期的な的中率と回収率が上がりやすくなります。
▼では次に、複勝回収率のデータを見てみましょう↓
49(%)
55
53
39
72
54
61
96
69
54
80
78
104
104
96
86
87
73
(※上から1番枠~18番枠)
はい。
若干の誤差はありますが、ほぼ外枠有利の並びになっています。
▼ここで注目なのは、大外枠の複勝回収率が73%しかない部分です。
新潟千直では、大外枠が明らかに有利なのに、なぜ複勝回収率が低いのか?
▼ここが競馬の面白いところで、
「新潟千直の大外枠は、絶対的に有利だが、過剰人気になるので複勝回収率は低めになっている」
ということになります。
▼要するに、新潟千直の大外枠が有利なのは、多くの競馬ファンが知っているので、みんなが馬券を購入するため、オッズが下がってしまい、回収率も下がってしまっているわけですね。
なので、2010~2019年のデータ範囲においては、あえて大外枠ではなく、13~17番枠の馬を狙っていくと、回収率が上がりやすくなります。
少しだけ狙うポイントをずらすことが、過剰人気を避けるために重要な部分になりますね。
▼▼では次に、データ期間を更新して分析してみましょう。
2016年~2021年9月までの、約6年間の新潟芝1000mのデータです。
【新潟芝1000m。枠順別の勝率】
2.8%
1.4%
2.8%
3.5%
3.5%
4.2%
1.4%
6.3%
5.6%
5.6%
5.7%
7.8%
8.1%
6.8%
14.0%
13.1%
9.3%
13.6%
(※上から1~18番枠)
はい。
データ期間を新しくしてみても、新潟芝1000mでは、やはり外枠の勝率が圧倒的に高くなっています。
むしろ前回の集計期間よりも、外枠の勝率はアップしています。
内枠が1~2%しか勝てないのに対し、外枠は13~14%も勝ってしまうわけですから、圧倒的な差があることがわかります。
やはり新潟の直線1000mは、完全に外枠有利と言えます。
▼外枠有利がわかったところで、次は馬券の売れ方を見てみましょう。
【新潟芝1000m。枠順別の平均オッズ】
87.8(倍)
91.9
69.8
88.0
69.0
61.5
67.8
60.5
57.3
44.2
57.3
39.2
40.5
39.1
33.5
34.2
35.0
26.0
(※上から1~18番枠)
はい。
上記のデータが表すところは、
「新潟芝1000mは、圧倒的に外枠有利だが、それは競馬ファンもわかっているので、外枠の馬はめちゃくちゃ馬券が売れて、オッズが下がる」
ということになります。
▼上記のデータを見れば一目瞭然ですが、外枠になればなるほど、平均オッズが低くなっていきます。
つまり競馬ファンは、新潟芝1000mでは、外枠の馬を中心に馬券購入することがわかります。
▼ではそれを踏まえて、単勝回収率のデータを見てみましょう。
【新潟芝1000m。枠順別の単勝回収率】
41(%)
18
39
57
104
113
6
43
68
55
26
78
103
47
171
75
64
159
(※上から1~18番枠)
はい。
このデータを見ると、やはり外枠の馬の単勝回収率が高くなっていますが、勝率ほどの差は出ていません。
なぜかと言うと、「勝率は圧倒的に外枠の馬が高いが、外枠の馬は単勝オッズが低いので、単勝回収率はそこまで高くはならない」からです。
もし、多くの競馬ファンが、新潟の直線1000mが外枠有利だということを知らなければ、外枠の馬を買うだけで大儲けできます。
しかし現在は、すでに多くの競馬ファンが千直の外枠有利を知っているので、回収率はそこそこ高めくらいで安定しているわけですね。
それでもやはり、千直では外枠の方が儲けやすいと言えます。
▼▼では次に、具体的なケーススタディを見てみましょう。
【アイビスサマーダッシュ2017年】
1着 ラインミーティア(8番人気)
2着 フィドゥーシア(1番人気)
3着 レジーナフォルテ(4番人気)
馬連4300円
三連複7210円
はい。
このレースは、新潟直線1000mの特徴を把握しておけば、簡単に好配当を的中できたレースでした。
▼まず軸馬を決定します。
軸馬は、いつも通り1~3番人気から、期待値の高い馬を選択していきます。
1番人気のフィドゥーシアが10番枠、2番人気のアクティブミノルが16番枠と外枠なので、この2頭のいずれかを軸馬とします。
アクティブミノルには新潟芝1000mの実績がなく、フィドゥーシアは前走の韋駄天Sで千直完勝の実績があった。
従ってここは、難しく考える必要はなく、1番人気のフィドゥーシアを軸馬とします。
▼次に、相手ヒモ馬の選定ですが、人気は4~9番人気あたりの中穴ゾーン、枠順は外枠を狙います。
4番人気14番枠
5番人気12番枠
6番人気4番枠
7番人気3番枠
8番人気15番枠
9番人気8番枠
という感じの枠の並びなので、外枠の馬を拾って、4番人気・5番人気・8番人気をヒモとします。
▼ここまでで、馬券構成は下記の通りになります。
軸
1番人気フィドゥーシア
相手ヒモ馬
4番人気レジーナフォルテ
5番人気レッドラウダ
8番人気ラインミーティア
馬連3点買い
三連複3点買い
という感じですね。
▼結果は、軸にした1番人気のフィドゥーシアが2着。
1着に8番人気のラインミーティア、3着に4番人気のレジーナフォルテが入り、馬連・三連複ダブル的中となりました。
馬連は3点で4300円で、レース回収率は1433%。
三連複も3点で7210円で、レース回収率は2403%と、大儲けとなりました。
このレースは、千直の特徴を知っていれば、簡単に利益を出せたレースです。
単純に、人気と外枠狙いだけで好配当を的中できたので、非常に美味しいレースだったと言えますね。