▼本日は、夏の牝馬について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・7~8月の夏競馬では、牝馬が強い
・特に、夏の重賞レースでは、牝馬の回収率がかなり高くなっている
・中でも、「夏の重賞レース、1~4番人気の牝馬」は、特に回収率が高く、儲けやすい
・したがって、夏競馬の重賞レースでは、人気の牝馬を軸にして馬券を構成すると、利益を出しやすくなる
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼中央競馬では、7月と8月の開催を「夏競馬」と呼んでいます。
夏競馬の時期は、中央4場での開催がなく、すべてローカル開催になります。
▼そんな夏競馬ですが、競馬の格言では、「夏の牝馬」というものがあります。
つまり、夏競馬では牝馬が強いので、牝馬を狙って行けば儲かるという格言ですね。
▼この格言は本当なのか?
実際にデータを見てみましょう。
2010年から2019年までの約10年間の夏競馬(7月と8月)のデータです。
・牡馬。連対率15%。単勝回収率69%
・牝馬。連対率14%。単勝回収率78%
※牝馬限定戦は除く
はい。
通常、牝馬は牡馬よりも成績が悪くなりますが、夏競馬の場合は、牝馬も互角の戦いをしています。
▼ただ、それでも連対率では、牡馬の方が上。
このデータだけ見ると、夏競馬で牝馬を狙っても、特に儲かるわけではない印象です。
▼それでは次に、同じ期間での重賞レースのデータを見てみましょう。
夏の重賞レースデータ↓
・牡馬。連対率13%。単勝回収率64%
・牝馬。連対率15%。単勝回収率85%
はい。
夏競馬の間に開催される重賞レースでは、牝馬の成績が牡馬を上回っています。
これは通常ではあり得ない現象であり、やはり夏競馬では、牝馬の期待値が上がると言えます。
▼ここまで見てきた通り、夏競馬で牝馬を狙う場合は、重賞レースで狙っていくと、回収率が上がりやすくなる印象です。
では、夏の重賞レースでの牝馬のデータを、もう少し詳しく見てみましょう。
【夏の重賞レース。牝馬データ】
1番人気。連対率53%。単勝回収率112%
2番人気。連対率36%。単勝回収率109%
3番人気。連対率32%。単勝回収率98%
4番人気。連対率19%。単勝回収率114%
はい。
上記のデータを見て分かるように、「夏の重賞レースで人気の牝馬」を狙っていくと、非常に儲かるということがわかります。
▼過去10年間の夏の重賞レースで、牝馬が1~4番人気だった時に単勝を購入すれば、回収率は109%になっていたということです。
ちなみに、過去10年間の夏重賞で、牝馬が1~4番人気だった頭数は、135頭。
このうち32頭が勝利し、勝率24%で単勝回収率109%になっています。
▼複勝回収率も優秀で、96%という数字になっています。
複勝回収率が96%あれば、三連複の軸馬にする事で、高い回収率が期待できます。
このように、夏の重賞レースで牝馬が人気になっている時は、その牝馬を中心として馬券を構成することで、回収率を引き上げることが可能になります。
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夏競馬での牝馬の狙い目と傾向
▼夏競馬では牝馬が強いのか?についての考察を続けます。
先程は、「夏の重賞レースで、牝馬が1~4番人気なら狙い目」という点について考えてみました。
ここでは、さらに詳細なデータを見てみましょう。
▼夏競馬で牝馬の1~4番人気が狙い目なら、5番人気以下はどうなのか?
【夏の重賞レース。牝馬データ】
5~18番人気。連対率7%。単勝回収率76%
はい。
1~4番人気に比べて、明らかに、回収率が低くなっています。
▼このことから、確かに夏競馬では牝馬が強いんだけど、その好成績は、主に1~4番人気の牝馬に集中していることがわかります。
確かに、夏競馬で牝馬が穴を開けることもあるんですが、上述したように、 5番人気以下のデータで見てみると、回収率は高くないです。
▼尚、夏の重賞レースで、牝馬が8番人気の時は、単勝回収率326%・複勝回収率121%と非常に高回収率になっている。
ですが、8番人気以外のデータでは平凡なので、これはおそらく確率の誤差でしょう。
夏の重賞レースで牝馬を狙って行く場合は、人気薄よりも、人気馬を狙っていくのがおすすめです。
▼では、夏競馬の場合は、重賞レース以外でも、「人気の牝馬」は儲かるのか?
ちょっと見てみましょう。
【夏競馬。全レース対象データ。牝馬】
1~3番人気。連対率40% 。単勝回収率87%
はい。
優秀な成績になっています。
夏競馬では、重賞レース以外でも、「人気の牝馬」は回収率が高く、狙い目になっています。
▼ただ、重賞レースほど明らかに高い回収率というわけではないので、単勝でそのまま狙うというよりは、三連複などの軸馬として活用する方が、利益は出しやすくなると思います。
この場合のポイントは、「2~3番人気の牝馬」が狙い目という部分です。
▼1番人気の牝馬は、連対率こそ52%ありますが、単勝回収率は75%と平凡。
それに対して、2番人気の牝馬は単勝回収率92%、3番人気の牝馬は単勝回収率93%と非常に優秀な数字になっています。
このことから、重賞レース以外で夏の牝馬を狙う場合は、「2~3番人気の牝馬」を狙っていくと、回収率が上げやすくなると思います。
▼▼では次に、「夏の牝馬の年齢別データ」を見てみましょう。
年齢別の単勝回収率の数字(全レース対象)はこちら↓
67(%)
78
75
76
60
21
0
(※上から、2歳~8歳)
はい。
夏の牝馬は、比較的回収率が高いわけですが、6歳以上になると回収率はかなり厳しい状況になります。
▼これは夏競馬に限った事ではないんですが、競走馬は4歳をピークに、能力が低下していく馬が多いです。
6歳から8歳は、データ上でも明らかに数字が悪くなっているのがわかります。
単勝回収率だけでなく、勝率・連対率・複勝率すべての数字が悪くなっています。
▼このことから、夏の牝馬を狙う場合でも、6歳以上は割引で考えた方が良いかと思います。
特に、7歳以上になると、単勝回収率18%・複勝回収率32%と、全く儲からない状況なので、あまり手を出したくないところですね。
▼年齢的には、やはり4歳が最も、的中率と回収率が高くなります。
3歳と5歳は互角ですね。
連対率は以下の通り↓
15.6%
13.3%
16.6%
12.0%
8.3%
4.3%
7.5%
(※上から、2歳~8歳)
はい。
このように、4歳をピークとして、歳をとればとるほど連対率が下がっていくのがわかります。
8歳は少し上がっていますが、サンプル数が少ないので、誤差の範囲内と思われます。
▼もう一つおまけで、勝率のデータも見てみましょう↓
7.7%
6.8%
8.2%
5.4%
3.2%
1.3%
0.0%
(※上から、2歳~8歳)
はい。
これは完全に、4歳を頂上として、歳を取るほどに勝率が下がっていくのがわかります。
牝馬の単勝馬券で狙う場合でも、4歳を中心に狙っていくと、回収率が高くなりやすいわけです。
あるいは、馬単や三連単の1着固定でも、4歳が良いということになります。
▼では次に、夏の牝馬の枠順別データを見てみましょう。
枠順別の勝率のデータになります↓
6.2%
6.7%
6.9%
6.8%
6.7%
7.1%
7.5%
7.3%
(※上から、1枠~8枠)
はい。
これはなかなか興味深いデータなんですが、基本的に競馬の場合、内枠の馬の方が勝率が高くなりやすいです。
しかし、牝馬の場合は、外枠の数字が良くなっています。
▼この理由を考えてみると、牝馬というのは繊細で、内で他馬にもまれると、走る気がなくなってしまうという点が考えられます。
牡馬は、フィジカルもメンタルも強いので、最短距離を走れる内枠が有利になりやすい。
それに対して、牝馬は繊細なので、他馬とぶつかる内枠よりも、ストレスなく走れる外枠の方が成績が良くなりやすいんですね。
▼▼では次に、データ期間を更新して、また夏競馬の牝馬のデータを分析してみましょう。
【7~8月の重賞レースデータ】2010~2021年
牡馬⇒単勝回収率74%・複勝回収率76%
牝馬⇒単勝回収率94%・複勝回収率81%
はい。
データ期間を更新しても、夏の重賞レースでは、やはり牝馬の回収率が圧倒的に高いことが分かります。
夏競馬の重賞レースを購入する場合は、牝馬は必ずマークしておいた方が良いでしょう。
▼では次に、人気別のデータを見てみます。
【7~8月の重賞レース。人気別。牝馬データ】
1番人気⇒単勝回収率102%
2番人気⇒単勝回収率115%
3番人気⇒単勝回収率84%
4番人気⇒単勝回収率85%
8~13番人気⇒単勝回収率146%
はい。
先ほども見た通り、夏の重賞レースの牝馬は、人気になると回収率がかなり高くなります。
夏の重賞レースで軸馬を考える場合は、1~2番人気の牝馬を軸にしていくと、回収率が高くなりやすいです。
▼また、上記の集計期間では、8~13番人気の穴馬の回収率が非常に高くなっています。
夏の重賞レースで、8~13番人気の牝馬をヒモに入れておくと、定期的に高配当が引っかかります。
ただ、14番人気以下はほぼ全滅なので、13番人気までの牝馬を狙っていくのがポイントです。
▼では少し具体的な例も見てみましょう。
【CBC賞 2020年】
1着 ラブカンプー(13番人気)牝馬
2着 アンヴァル(11番人気)牝馬
3着 レッドアンシェル(3番人気)
馬連138,600円
はい。
このレースは、先ほどデータ分析で期待値が高いと書いた、「8~13番人気の牝馬」のワンツーとなり、馬連が超高配当になった例です。
▼このレースでは、8~13番人気のうち、牝馬は5頭。
レース条件としては、16頭立て、1200mのハンデ重賞で、見るからに荒れそうなレース。
ここはダメモトで、8~13番人気のうちの牝馬の馬連ボックスという戦略が面白いです。
▼上記の馬連5頭ボックスを購入することができれば、たった1,000円が、138,600円に化けるわけです。
これは決して不可能な馬券ではなく、「夏の重賞レースは、8~13番人気の牝馬の回収率が高い」というデータが頭にあれば、十分に的中させることができる馬券だったわけです。
▼▼では、次のケーススタディを見てみましょう。
【キーンランドカップ2021年】
1着 レイハリア(3番人気)牝馬
2着 エイティーンガール(7番人気)牝馬
3着 セイウンコウセイ(9番人気)
馬連4550円
三連複65350円
はい。
このレースも、「夏の重賞レースは牝馬が強い」ということだけ分かっていれば、簡単に好配当を的中できるレースでした。
▼まず、このレースの牝馬を抜き出してみます。
1番人気メイケイエール
3番人気レイハリア
7番人気エイティーンガール
12番人気ヒロイックアゲン
15番人気ソロユニット
はい。
ここから、12番人気と15番人気は、大穴すぎて期待値が低いので、除外します。
残りは3頭。
この3頭を中心として、馬券を構成していきます。
▼軸は、1~3番人気から選ぶのが基本になるので、1番人気のメイケイエールか、3番人気のレイハリアの2択になります。
実績的には、1番人気のメイケイエールの方が上ですが、メイケイエールは前走の桜花賞で、気性難をモロに露呈して、シンガリの18着。
この時点では、まだ気性難は改善されておらず、軸には不向きと考えられるので、軸は3番人気のレイハリアとなります。
▼次に、相手ヒモ馬を決定します。
まず、期待値が高い牝馬の、1番人気メイケイエールと、7番人気エイティーンガールを入れます。
この2頭が、相手本線。
あとは、牡馬も含めて、9番人気までの馬を押さえで入れておきます。
馬券構成は下記の通りです↓
軸
3番人気レイハリア(牝馬)
相手本線
1番人気と7番人気(牝馬)
相手押さえ
2~9番人気(牡馬)
という感じですね。
▼結果は、軸にした牝馬のレイハリアが1着。
2着にも牝馬のエイティーンガールが入り、馬連は本線的中で4550円の好配当。
3着には、押さえの9番人気セイウンコウセイが入り、三連複は65350円で、6万馬券クリーンヒットとなりました。
▼このレースのポイントは、「夏の重賞レースでは牝馬が強いこと」
ただこれだけのルールを知っているだけで、馬連と三連複の好配当が簡単に的中できたレースだったわけですね。