▼本日は、1~2番人気からの流し馬券データについて、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・1番人気から流すと、的中率52%・回収率71%くらいに収束する(馬連総流し)
・2番人気から流すと、的中率38%・回収率74%くらいに収束する(馬連総流し)
・全レースを総流しで購入すると、上記のようにマイナスになるので、プラスにするには、レース選びとヒモの絞り込みが必要
・芝のレースでは、重馬場と不良馬場になった時に、1番人気流しの回収率が上がりやすいので狙い目
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競馬の基本は、軸馬を決めて、そこから数頭のヒモ馬に流すことです。
これがいわゆる「流し馬券」
初心者さんからベテラン馬券師まで、幅広く活用している買い方になります。
▼そして、この流し馬券を構成する場合の軸馬の決め方ですが、基本は人気馬から選んでいくのが良いかと思います。
当ブログでは何度か書いていますが、軸馬を人気薄にしてしまうと、的中率が極端に下がってしまい、資金の回転効率が悪くなるからです。
▼私自身、軸馬を選ぶ時は、1~4番人気あたりの人気馬から選んでいくことが多いです。
人気馬の中で、期待値が高いであろう馬。
これはデータ分析から導き出すわけですが、期待値が高い軸馬さえ見つかれば、馬券は長期的にはほとんど勝ったようなものなのです。
▼そこで本日は、人気馬からの流し馬券について考えてみます。
まずは、最も基本となる「1番人気馬からの流し」
このデータを見てみましょう。
【1番人気から馬連総流し。中央場所。芝ダート混在】
9518レース分析(2015~2019年)
的中率52%
回収率71%
最高配当57030円
平均配当1801円
はい。
1番人気からの総流しを長期間に渡って仕掛けると、上記のような数字になります。
▼1番人気の連対率は、約50%なので、1番人気から総流しを仕掛けると、的中率は50%程度になります。
この的中率の高さは魅力ですね。
ただ、回収率が71%しかないので、かなり無駄な馬券を購入していることがわかります。
あるいは、期待値が低い1番人気を軸にしてしまっているレースも多くなっていると思われます。
▼では次に、クラス別の成績を見てみましょう。
クラス別に見ていくと、回収率に大きな違いがあるのが分かります。
まず、新馬戦の回収率が82%と、全体の71%を大きく上回っています。
これは、新馬戦の場合、1番人気の信頼度が高いのと、ヒモ荒れする確率が高いことに原因があります。
▼それに対して、未勝利戦の回収率は63%しかありません。
的中率自体は、新馬戦よりも未勝利戦の方が高いにもかかわらず、未勝利戦の回収率はかなり低い。
これは、ヒモが固く収まるレースが多いからです。
未勝利戦の場合、明らかに勝負になる馬と、全く勝負にならない馬がはっきり分かれているので、平均配当が低くなってしまうんですね。
▼未勝利戦の平均配当は、すべてのクラスの中で最低です。
なので、未勝利戦で1番人気からの流し馬券を仕掛ける場合は、必ず、相手ヒモ馬を絞り込む必要があるわけです。
未勝利戦で、1番人気からの総流しを仕掛けてしまうと、上述した通り、回収率は63%しかないので、大きくお金を減らしてしまうことになります。
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1番人気ながしと2番人気ながしで儲かる条件
▼1~2番人気からの流し馬券についての考察を続けます。
「1番人気からの馬連総流し」についての続き。
▼先程は、新馬戦の回収率と、未勝利戦の回収率の違いについて書いてみました。
では次に、500万条件(1勝クラス)と1000万条件(2勝クラス)について。
この2つのクラスは、それぞれの回収率が72%と69%で、未勝利戦ほどでは無いにせよ、低めになっています。
▼この原因は、1番人気の信頼度の低さです。
1番人気ながしの的中率について並べてみると、
新馬戦⇒的中率54%
未勝利戦⇒的中率56%
500万⇒的中率49%
1000万⇒的中率49%
1600万⇒的中率50%
オープン特別OP⇒的中率52%
重賞⇒的中率53%
はい。
このように、500万と1000万(1勝クラス・2勝クラス)は、他のクラスと比べて的中率が低い、つまり1番人気の連対率が低いということになります。
▼1番人気の信頼度と、クラス別の回収率を見た上で、「1番人気からの馬連総流し」を仕掛けるなら、「新馬戦」と「オープンクラス」が良いということがわかります。
1600万の回収率も86%と優秀ですが、的中率が50%と微妙なので、ここはわかりやすく、新馬戦とオープンという感じで捉えておいて良いかと思います。
▼1600万条件(3勝クラス)の回収率が高い原因は、平均配当の高さです。
1600万条件では、1番人気の連対率はそれほど高くないんですが、相手ヒモ馬に人気薄が入るケースが多く、その結果、総流しの回収率が高くなっているわけです。
▼では次に、「馬場状態」
1番人気からの馬連総流しを仕掛ける場合、「重馬場」「不良馬場」の時に仕掛けると、回収率が上がりやすくなります。
「1番人気ながしの回収率(芝レース)」のデータを見てみましょう。
良馬場⇒76%
稍重⇒68%
重馬場⇒93%
不良馬場⇒83%
はい。
このように、 1番人気馬からの流しは、重馬場になると、急に回収率が高くなります。
これは、馬場が悪化しても、1番人気の連対率は下がらないのに対して、相手ヒモ馬は人気薄が入ってくることが多くなるからですね。
▼▼馬場状態が悪くなると、力を発揮できない有力馬が増えてくるので、人気薄の馬が激走しやすくなります。
その結果、ヒモ荒れする事になり、配当と回収率が高くなるわけです。
▼なので、1番人気からの総流しを狙う場合は、重馬場と不良馬場で狙っていくと、回収率が高くなります。
注意点としては、この傾向は芝のレースに於いての傾向であり、ダートでは該当しないという部分です。
▼ダート戦での回収率(1番人気からの総流し)も見てみましょう。
ダート良馬場⇒69%
ダート稍重⇒69%
ダート重馬場⇒61%
ダート不良馬場⇒59%
はい。
このように、ダートでは、馬場状態が悪くなっても回収率は上がりません。むしろ下がっています。
▼これはなぜかというと、ダートでは、馬場状態が悪くなると、1番人気の連対率が下がるからです。
芝のレースとダートのレースで、1番人気からの馬連総流しの的中率(=1番人気の連対率)を比較してみましょう↓
芝良馬場⇒53%
芝稍重⇒51%
芝重馬場⇒55%
芝不良馬場⇒57%
ダート良馬場⇒52%
ダート稍重⇒54%
ダート重馬場⇒49%
ダート不良馬場⇒45%
はい。
芝のレースでは、重馬場と不良馬場では、1番人気の連対率がむしろ上がっています。
それに対して、ダートのレースでは、馬場の水分含有量が上がると、1番人気の連対率が下がっていくことがわかります。
▼では次に、上記条件での平均配当を見てみましょう↓
芝良馬場⇒1768円
芝稍重⇒1742円
芝重馬場⇒2262円
芝不良馬場⇒1983円
ダート良馬場⇒1837円
ダート稍重⇒1759円
ダート重馬場⇒1722円
ダート不良馬場⇒1796円
はい。
芝のレースでは、重馬場と不良馬場では、平均配当が大きく引き上がっているのが分かります。
これはつまり、芝の重馬場と不良馬場では、ヒモ荒れしやすいということです。
芝の重馬場と不良馬場では、「1番人気と人気薄の組み合わせ」で馬連が決着しやすいわけですね。
▼それに対して、ダートでは、重馬場と不良馬場で平均配当が引き上がっていません。
ダートでは、馬場が悪くなると、ヒモが固くなる傾向にあります。
なので、ダートで馬場が悪化しているときは、できるだけヒモを絞り込んで、ピンポイントで狙っていくことが重要です。
逆に、芝のレースでは、馬場が悪化したらヒモ荒れのチャンスなので、1番人気から手広く狙っていく戦略が有効になってくるわけです。
▼▼さてここまで、1番人気からの流し馬券のデータについて見てきました。
では次に、2番人気からの流し馬券のデータを見てみましょう。
【2番人気から馬連総流し。中央場所。芝ダート混在】
11439レース分析(2016~2021年)
的中率38%
回収率74%
最高配当144630円
平均配当2586円
はい。
2番人気から、馬連総流しを仕掛けた場合、過去6年程度のデータは上記の通りになります。
▼2番人気馬の連対率は35%前後なので、2番人気からの総流しの的中率は、38%になっています。
1番人気からの総流しの的中率が52%だったことを考えると、やはり2番人気からの流し馬券は、的中率が下がることがわかります。
▼一方で、回収率は、1番人気からの総流しの回収率が71%だったのに対し、2番人気からの総流しの回収率は74%になっています。
2番人気に軸をズラすと、的中率は下がりますが、回収率は上がることになりますね。
▼では次に、上記のデータを、芝とダートに分けて分類してみましょう。
【2番人気から馬連総流し。中央場所。芝ダート別データ】
芝⇒回収率68%
ダート⇒回収率80%
はい。
2番人気から総流しを仕掛ける場合、芝のレースだと回収率は68%と低いわけですが、ダートのレースは回収率80%と高めに出ています。
的中率は、芝のレースが39%、ダートのレースが37%と、芝の方が上であるにも関わらず、回収率は圧倒的にダートの方が高い。
これはなぜかと言うと、平均配当が違うからです。
芝⇒平均配当2202円
ダート⇒平均配当2964円
つまり、ダートの方がヒモ荒れしやすいということになります。
なので、2番人気からの総流しを狙う場合は、芝のレースより、ダートのレースを狙った方が回収率は高くなることになります。
▼では次に、2番人気からの総流しをした場合の、クラス別の成績を見てみましょう。
【2番人気から馬連総流し。中央場所。クラス別データ】
新馬戦⇒回収率77%
未勝利戦⇒回収率75%
1勝クラス⇒回収率80%
2勝クラス⇒回収率73%
3勝クラス⇒回収率66%
オープン特別⇒回収率53%
重賞レース⇒回収率67%
はい。
2番人気からの馬連総流しを、クラス別に見ていくと、重賞レースを含めたオープンクラスの回収率が低めに出ています。
これは、オープンクラスの方が、平均配当が低い、つまりヒモ荒れしにくいことが原因です。
2番人気からの馬連総流しを狙って行く場合は、1勝クラスを中心とした条件戦で狙っていくと、回収率を引き上げやすいですね。
▼▼では次に、具体的なケーススタディを見てみましょう。
【安田記念2022年】
1着 ソングライン(4番人気)
2着 シュネルマイスター(2番人気)
3着 サリオス(8番人気)
馬連1740円
三連複11810円
はい。
このレースは、2番人気からの流し馬券で、簡単に好配当を的中できるレースでした。
▼まず1番人気から見ていきます。
1番人気は、イルーシヴパンサー。
4連勝で東京新聞杯を制した上がり馬で、すべて東京コースでの4連勝。
戦績が派手なので、どうしても人気になりますが、戦ってきた相手が弱いため、この馬は過剰人気と判断できます。
▼まず最初の3連勝は、条件戦なので相手が弱かった。
東京新聞杯は強い競馬に見えますが、展開的に差しが決まりやすい流れだったので、展開に恵まれた面が多々あった。
従って、G1でいきなり1番人気というのは、明らかに過剰人気であり、イルーシヴパンサーは切り、もしくは押さえまでの評価となります。
▼次に、2番人気のシュネルマイスター。
こちらは、イルーシヴパンサーとは逆に、実績十分。
NHKマイルカップ優勝、安田記念3着、マイルチャンピオンシップ2着と、実績的には文句なし。
問題は、前走が海外のレースで調整が難しいという点ですが、調教を見る限り、絶好調では無いにせよ、なんとか勝負になるかなという印象。
そこでこのレースは、2番人気のシュネルマイスターからの流し馬券で勝負できるレースとなります。
▼ヒモは、馬連はオッズ断層があるので、4~7番人気の4頭へ流し。
三連複は、少し広めに、4~9番人気の6頭への流しとします。
▼結果は、軸にしたシュネルマイスターが2着に突っ込んで、4番人気→2番人気→8番人気の決着。
馬連と三連複は、ダブル的中となりました。
このレースのポイントは、1番人気のイルーシヴパンサーが実績不足で信頼度が低かったこと。
ここに気づくことができれば、2番人気のシュネルマイスターを軸に、簡単に好配当を的中できたレースだったわけですね。