▼本日は、高額馬について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・良血馬は強い。取引価格が高くなるほど、勝率や連対率も上がる。
・つまり、価格が高い馬ほど強い、ということ。もちろん例外はあるが、平均的には取引価格と馬の強さは比例する。
・ただ、良血馬は強いが、過剰人気になりやすく、オッズが下がるので、回収率が高いというわけではない。
・7000万~1億未満くらいの価格帯の馬が、最もコスパが良くなりやすい。
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼サラブレッドは、見た感じはどの馬も似たような外見なんですが、それぞれの馬には、それぞれの取引価格が付けられています。
血統がいい馬は、取引価格も高額になる。
逆に、血統があまりよくない馬は、安い価格で取引されるわけです。
▼同じ生き物なのに、全然違う値段が付けられるなんて可哀想、という議論は置いておいて、本日は、馬の価格と強さの関係について考えてみたいと思います。
結論から言えば、
「良血馬ほど強い」
「値段が高い馬ほど強い」
ということになります。
身も蓋もないですね。
▼でもこれが現実。
競馬というのは、ブラッドスポーツなので、いかに良い血統を組み合わせるかが、勝負のポイントになるわけです。
安い馬同士を、適当にかけ合わせても、弱い馬ばかり生まれることになってしまうわけです。
▼ではここで、馬の価格と連対率についての関係を見てみましょう。
データ範囲は、過去10年の重賞レースです。
100万~500万未満⇒ 連対率9%
500万~1000万未満⇒ 連対率10%
1000万~2000万未満⇒ 連対率13%
2000万~3000万未満⇒ 連対率13%
3000万~5000万未満⇒ 連対率13%
5000万~7000万未満⇒ 連対率15%
7000万~1億未満⇒ 連対率25%
1億~2億未満⇒ 連対率21%
2億~3億未満⇒ 連対率17%
はい。
一覧にして見てみると、一目瞭然ですね。
取引価格が上がれば上がるほど、連対率も高くなっていきます。
▼ただ、1億円を超えると、逆にそこから少し連対率が下がります。
あまりにも超良血のお坊ちゃまになると、わがままだったり、精神面に不安があったりするケースがあり、高額すぎる馬というのも、やや考え物だったりするわけです。
それでも、取引価格が安い馬よりは、明らかに強いわけですが。
▼上記の表を見ていると、最も強くなりやすい価格帯というのは、「7000万~1億未満」ですね。
ちなみに、ディープインパクトの取引価格は「7350万円」です。
偶然かどうかわかりませんが、同じ価格帯に入っていますね。
▼この、「7000万~1億未満」というのは、連対率が高いだけでなく、単勝回収率も103%とプラス収支になっています。
この価格帯の馬が、重賞レースに出てきたときに、単勝馬券を買い続ければ、プラス収支になっていたということです。
1億円以上になってしまうと、過剰人気になって回収率が下がるので、「7000万~1億未満」というゾーンはお買い得になりやすいわけです。
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超良血馬は儲かるのか?
▼取引価格と馬の強さの関係についての考察を続けます。
先程の一覧表を見て分かるとおり、基本的には、サラブレッドの強さは値段に比例する部分があり、「取引価格が高い馬ほど強い」ということになります。
▼では、取引価格が高い馬だけを狙っていけば、簡単に馬券収支をプラスにできるのか?
そう考えてしまいがちですが、ここには1つの罠があります。
具体的なデータを見てみましょう。
1億~2億未満⇒ 単勝回収率58%
2億~3億未満⇒ 単勝回収率51%
100~500万円の馬⇒単勝回収率88%
はい。
1億円から3億の、超良血馬の重賞レースでの単勝回収率です。
先程のデータでは、価格が高ければ高いほど、連対率も上がっていくことがわかりました。
しかしながら、単勝回収率を見てみると、決して高くない数字になっています。
これはなぜか?
▼これが、先ほども少し書きましたが、「超良血馬は過剰人気になる」という罠です。
1億円を超えるような超良血馬は、競馬新聞の記者さんもしっかり注目するので、どうしても競馬新聞に印が付きやすくなります。
競馬新聞に印がつけば、競馬ファンが馬券を購入するので、必然的にオッズが下がるわけです。
▼超良血馬というのは、能力以上に馬券が売れてしまう。
つまり良血馬・高額馬は、「そこまで強くないのに、やたらオッズが低い」という状態になりやすいわけです。
▼その結果、1億円以上の超良血馬は、単勝回収率が50%台という、かなり低い数字になってしまうわけですね。
これは、「重賞レースで、1億円以上の馬の単勝を買い続ければ、トータルの賭け金は半分になってしまう」ということになるわけです。
▼勘違いしてほしくないのは、1億円以上の馬が弱いから儲からないわけではないという点です。
1億円以上の馬は強い。それは間違いないです。
安い馬と比較すれば、明らかに高い馬の方が強いわけです。
でもそれは、競馬新聞の記者さんも、よくわかっているんですね。
▼平均単勝オッズを見てみると、
1億円以上の馬⇒30倍
100~500万円の馬⇒92倍
こんなに差があるわけです。
安い馬は、高い馬より3倍もオッズがついている。
その結果、連対率では明らかに高額な馬の方が優秀なのに、回収率では安い馬の方が高くなるというパラドックスが生まれるわけです。
▼▼では、このようなパラドックスを踏まえた上で、取引価格が高い馬と、取引価格が安い馬は、どっちを買えばいいのか?
これに関しては、購入する「馬券種」によって違ってきます。
そこで、複勝回収率のデータを見てみましょう↓
1億円以上の馬⇒複勝回収率73%(複勝率32%)
100~500万円の馬⇒複勝回収率78%(複勝率13%)
はい。
先程は、取引価格が高い馬よりも、安い馬の方が単勝回収率ははるかに高いことを分析しました。
ここでは、複勝回収率について見ています。
▼複勝回収率で見た場合、1億円以上の馬が73%で、100~500万円の馬が78%
ほぼ差のない結果になっています。
この場合、三連複やワイドの軸馬にするなら、1億円以上の馬の方が効率が良いです。これはなぜか?
▼なぜなら、「複勝率」が全然違うからです。
1億円以上の馬の複勝率は32%もあるのに対し、100~500万円の馬の複勝率は13%しかありません。
▼馬券を構成する場合、回収率が同じくらいであれば、的中率は高い方が良いです。
そのほうが、的中回数が増えるので、資金の回転効率が良くなり、スムーズに資金が増えていくからです。
▼そう考えると、高い馬と安い馬は、複勝回収率は同じくらいですが、複勝率は価格が高い馬の方がはるかに上。
という事は、三連複やワイドで狙う場合は、高額な馬を軸馬にした方が、効率がいいということになります。
▼ただこれは、三連複やワイドでの話です。
上述した通り、高い馬は単勝馬券がやたら売れるので、単勝回収率が低くなります。
単勝回収率が低くなると、馬単の1着固定や、三連単の1着固定も、利益が出しにくくなるわけです。
▼なので、馬単や三連単の1着固定で狙う場合は、1億円以上の馬を軸馬にしない方が良いということになります。
この場合は、先ほども少し書きましたが、
「7000万~1億円未満」
「100万~500万未満」
この2つの価格帯の馬は、単勝回収率が高くなりやすいので、馬単や三連単の1着固定でも、狙い目になるわけです。
▼ここまで書いてきた事を勘案すると、高い馬が強いとか、安い馬が弱いという議論は意味がなく、「競馬ファンはどこを過剰人気にするのか?」という部分に注目しないと、利益が出せないことがわかります。
馬券というのは、常に他の競馬ファンの裏をかくことで利益を出すことができます。
これは、市場取引価格理論でも同じ事であり、過剰人気を避け、過小評価を狙っていくことで、馬券利益を出すことができるようになるわけです。
▼▼さてここまでは、重賞レースにおける取引価格別のデータを見てきました。
ここからは、「特別戦」のデータを見てみます。
特別戦というのは、レース名がついているレースで、第9レース~第11レースに多く組まれます。
【特別戦。取引価格別・連対率データ】2016~2021年
100万未満⇒ 連対率13%
100万~500万未満⇒ 連対率9%
500万~1000万未満⇒ 連対率12%
1000万~2000万未満⇒ 連対率14%
2000万~3000万未満⇒ 連対率15%
3000万~5000万未満⇒ 連対率14%
5000万~7000万未満⇒ 連対率19%
7000万~1億未満⇒ 連対率22%
1億~2億未満⇒ 連対率27%
2億~3億未満⇒ 連対率28%
3億以上⇒ 連対率37%
はい。
特別戦に絞って見ていくと、取引価格が高ければ高いほど、連対率が高くなっていくことがわかります。
重賞レースでは、あまりにも高額な馬は、やや連対率が下がる傾向にありましたが、特別戦では、ほぼ価格と連対率が正比例になっています。
▼100万未満の連対率が高めに出ていますが、これはサンプル数が少なく、あまり参考になりません。
また、3億以上の馬は、さらにサンプル数が少なく、ほとんどアドマイヤビルゴ1頭が連対率を上げている状況なので、ここもあまり過信しない方が良いでしょう。
傾向としては、「特別戦では、価格の高い馬ほど強い」というのが基本になります。
▼では次に、特別戦での回収率のデータを見てみましょう。
【特別戦。取引価格別・回収率データ】
100万未満⇒ 単勝回収率111%・複勝回収率126%
100万~500万未満⇒ 単勝回収率74%・複勝回収率75%
500万~1000万未満⇒ 単勝回収率73%・複勝回収率78%
1000万~2000万未満⇒ 単勝回収率82%・複勝回収率73%
2000万~3000万未満⇒ 単勝回収率64%・複勝回収率66%
3000万~5000万未満⇒ 単勝回収率62%・複勝回収率64%
5000万~7000万未満⇒ 単勝回収率77%・複勝回収率73%
7000万~1億未満⇒ 単勝回収率79%・複勝回収率74%
1億~2億未満⇒ 単勝回収率89%・複勝回収率71%
2億~3億未満⇒ 単勝回収率58%・複勝回収率71%
3億以上⇒ 単勝回収率52%・複勝回収率123%
はい。
取引価格別の回収率を一覧にすると、このようになります。
▼連対率では、取引価格が上がれば上がるほど、連対率の数字も高くなっていったんですが、回収率にするとそのような単純な話にはなりません。
このデータを見ると、特別戦では、取引価格が2億円以上になると、過剰人気になり、単勝回収率が下がっているのが分かります。
特別戦においても、あまりにも高額な馬は、期待値が下がり、儲からなくなるので、あまり積極的には狙いたくないところです。
▼▼では次に、具体的なケーススタディを見てみましょう。
【大阪杯2022年】
1着 ポタジェ(8番人気)
2着 レイパパレ(3番人気)
3着 アリーヴォ(7番人気)
三連複50990円
はい。
このレースは、断然人気のエフフォーリアが飛んで、三連複5万馬券の波乱になったレースです。
かなり難しい決着でしたが、取引価格という観点からアプローチすると、5万馬券を簡単に取ることができるレースでした。
▼まず、1番人気はエフフォーリア。
前年度のグランプリホースで、実績は断然。
しかしながら、単勝オッズは1.5倍と、一本かぶり。
当ブログではいつも書いていますが、単勝1倍台の断然人気馬からいつも馬券購入していると、過剰人気の波に飲まれ、回収率がなかなか上がりません。
断然人気馬から馬券購入すると、的中率は高くなるんですが、回収率が上がらず、ジリジリとお金が減ってしまうんですね。
従って、この大阪杯も、エフフォーリアからの流し馬券は避けたい。
ではどの馬から馬券購入するか?
ここで、「取引価格」に注目します。
▼出走メンバー中、ダントツで取引価格が高いのは、8番人気のポタジェ。
取引価格は、2億円を超えます。
取引価格は、高ければ高いほど、能力も高くなりやすい。
従ってここは、高額馬なのに8番人気と人気薄のポタジェから、少額で高配当を狙う戦略になります。
▼馬券構成は下記の通りです。
軸
8番人気ポタジェ
相手ヒモ馬
1~7番人気
三連複ながし(21点買い)
という感じですね。
▼結果は、単勝1.5倍の過剰人気エフフォーリアが沈み、2億円の良血馬ポタジェが8番人気で激走。
8番人気→3番人気→7番人気、と入り、三連複は21点で5万馬券的中となりました。
▼このレースのポイントは、1番人気のエフフォーリアが過剰人気だったこと。
そして、2億円の高額馬ポタジェが、あまり売れていなかったこと。
この2点に気づくことができれば、ポタジェからの少額の遊び馬券で、5万円のお小遣いをゲットできたレースだったわけですね。