▼本日は、内枠と外枠の回収率について、当研究所の見解を書いてみたいと思います。
まず、結論から書いていきます↓
・回収率で見ると、芝のレースは内枠の方がやや儲かる
・逆に、ダートのレースは外枠の方がやや儲かる
・芝のレースは、最短距離を走れる内枠が有利になりやすい
・ダートのレースは、砂をかぶらない外枠が有利になりやすい
ではこの根拠について、具体的に解説していきましょう。
▼競馬では、そのコースによって、枠順による有利不利があります。
以前にも特集したので、そちらも併せてご覧ください。
参考記事
↓
競馬 何枠が有利?
▼以前にも書いた通り、「芝のレースでは内枠有利」「ダートは外枠有利」という感じになりやすいです。
これは、勝率・連対率・複勝率のデータから判定しています。
▼では、「回収率」はどうなのか?
内枠と外枠どっちが儲かるのか?
ここからデータ分析してみたいと思います↓
【芝の重賞レース(2010年~2019年)】
1番枠⇒平均単勝回収率91%
3番枠⇒平均単勝回収率89%
5番枠⇒平均単勝回収率63%
6番枠⇒平均単勝回収率105%
11番枠⇒平均単勝回収率81%
15番枠⇒平均単勝回収率74%
18番枠⇒平均単勝回収率85%
はい。
大穴馬の高配当は除外して、全馬の平均的な回収率を抽出すると、大体このようになります。
▼まず大前提として、芝の重賞レースでは、内枠になればなるほど好走確率が上がります。
つまり、芝の重賞レースでは、1番枠の馬が勝率・連対率・複勝率いずれもトップクラスになる。
そして、大外18番枠が、最も好走確率が低いということになります。
▼連対率で見ると明らかで、1番枠は連対率16%、18番枠は連対率8%と、ダブルスコアになっています。
このことからも、芝の重賞レースでは、完全に内枠有利の傾向にあると言えます。
▼しかしながら、内枠が有利であることと、「内枠が儲かる」というのは、話が全く違います。
なぜかというと、競馬の利益というのは、オッズによって決まるからです。
▼要するに、芝の重賞レースでは、内枠の方が好走確率が高いんだけれども、それは競馬ファンがみんなわかっているので、内枠の馬は馬券が過剰に売れるわけです。
その結果、上述したような平均的な回収率になってしまうわけですね。
▼「内枠の馬は有利だが、過剰人気になるので、平均配当が低くなる」
「外枠の馬は不利だが、あまり馬券が売れないので、平均配当は高くなる」
その結果、どちらも回収率は平均化され、どっちが儲かるというわけでもなくなってしまうわけですね。
▼先程の、平均単勝回収率が高い枠順だけを抜き出してみると↓
1番枠⇒単勝回収率91%
3番枠⇒単勝回収率89%
6番枠⇒単勝回収率105%
13番枠⇒単勝回収率94%
17番枠⇒単勝回収率89%
このような感じになります。
内枠から外枠まで、まんべんなく散らばっているのが分かりますね。
これを踏まえて、次章ではさらに具体的なデータを見ていきましょう。
競馬の年間収支をプラスにするサイトを公開
▼競馬ファンの最終目標である「年間プラス収支」
これを達成するためには、馬券知識を身につけるしかない。
私が、年間プラス収支を達成できたのは、
やっぱり⇒『このユニークなサイト』で学んだからです。
ダートで儲かる枠順は?
▼内枠と外枠の回収率についての考察を続けます。
先ほどの続き。
芝の重賞レースでは、圧倒的に内枠が優勢になっているが、回収率にすると外枠とそれほど差がない。
なので、単純に内枠が儲かるわけでは無い。
ここまでは良いと思います。
▼では次に、「ダート重賞レース」ではどのような傾向になるか見てみましょう。
ダート重賞で、平均単勝回収率が高い枠順は↓
2番枠⇒単勝回収率99%
4番枠⇒単勝回収率127%
6番枠⇒単勝回収率99%
8番枠⇒単勝回収率90%
16番枠⇒単勝回収率131%
大外枠⇒単勝回収率104%
はい。
ダート重賞レースでは、非常に分かりやすい傾向が見られます。
▼まず目立つのは、ダート重賞レースでは圧倒的に「偶数枠」の回収率が高いのが分かります。
偶数枠というのは、ゲートが後入れなので、ゲートの中でイレ込んで、出遅れるリスクが少ない。
ダート重賞では、出遅れは致命傷になるので、偶数枠は非常に回収率が高くなるわけです。
▼ちなみに、ダート重賞レースで、偶数枠の「連対率」が高いわけではないです。
ダート重賞レースでは、基本的には外枠有利なので、外枠の好走確率が高い。
でもそれは、競馬ファンもわかっているので、外枠は馬券が売れやすい。
これは、先ほど説明した、芝の重賞レースとは真逆の傾向ですね。
▼ちょっと脱線しましたが、ダート重賞レースでは、偶数枠の期待値が高くなりやすいわけです。
これを覚えておくと、軸馬を決める時や、単勝を狙うときに役に立つと思います。
▼ダートで、「偶数枠は1着が多い」「奇数枠は2~3着が多い」
これを頭に入れておくだけでも、馬単や三連単の馬券構成が楽になるし、回収率も上がりやすくなると思います。
▼それからもうひとつ。
ダート重賞では、「大外枠」の回収率が高いです。
ダートでは、外から被されるのを馬が嫌がるので、自分の外に馬がいない大外枠は、走りやすいわけです。
ダートの大外枠は、平均単勝回収率が103%と非常に優秀。
ダート重賞レースで大外枠の馬は、一応警戒しておくのが良いかと思います。
▼▼では次に、芝の重賞レースの話に戻りましょう。
先ほども書いたとおり、芝の重賞レースでは、内枠の馬の好走確率が高いです。
それはつまり、芝の重賞レースでは、内枠が有利と言うことです。
▼ただ、だからといって内枠の馬ばかり購入すれば儲かるかというと、そんなに簡単な話では無い。
なぜなら、内枠の馬は馬券がよく売れるので、オッズが低くなり、回収率も平均化されるからです。
ここまでは良いかと思います。
▼ただそれでも、芝の重賞レースにおいては、やや内枠の方が儲かると思います。
それほど決定的な差は無いにせよ、やはり外枠と比べると、内枠の方が儲けやすいわけです。
▼その原因の1つとして、「芝の重賞レースでは、内枠のほうが的中率が明らかに高くなる」という部分があります。
回収率に関しては、内枠の馬は馬券が売れるので、外枠とそれほどの差はないです。
しかし、的中率に関しては、明確な差があるわけですね。
先ほども少し書きましたが、芝の重賞レースで「1番枠」と「18番枠」では、連対率が倍ほども違うわけです。
という事は、芝の重賞レースでは内枠を狙った方が、的中率が倍近くなる可能性があるわけですね。
▼また、回収率に関しても、それなりに裁定されているとは言え、やはりわずかながら内枠の優位性が残されています。
内枠の単勝回収率を平均的に見ると、大体75%程度。
それに対して、外枠の単勝回収率を平均化すると、大体60%くらいしかありません。
▼このことから、芝の重賞レースでは内枠の方が、外枠よりも儲かると言えます。
特に、「軸馬」を決める場合には、内枠の馬を優先的に選んでいくと、的中率と回収率が上がりやすくなります。
もちろん、百発百中で内枠が有利になるわけでは無い。
内枠と外枠で迷って、内枠を選んだら、外枠が来た。
そんなことも、もちろんあります。
▼しかし、競馬というのは何百レース・何千レースと積み重なっていくもの。
試行回数が増えれば増えるほど、内枠の優位性は増し、的中率と回収率に影響を及ぼします。
▼近年の重賞レースでは、特に内枠有利の傾向が顕著です。
日本の芝の馬場状態が、いわゆる「高速馬場」になりやすくなっており、高速馬場では内枠が有利になりやすいわけです。
その結果、最近の芝の重賞レースでは、「内枠の馬が上位を独占」というレースが増えたように思います。
そう考えると、軸馬もヒモ馬も、集中的に内枠を狙っていくスタイルでも、長期的には回収率を上げることが可能かもしれません。
ただそれをやると、短期的な連敗期間が発生してしまうので、私の場合は、ヒモは外枠も含めて検討しています。
▼▼では次に、内枠と外枠どっちが儲かるか?について、具体的な例を見てみましょう。
【芝の特別戦。中央場所。枠順別・勝率データ】2018~2021年
8.4%
8.6%
9.2%
11.2%
8.6%
8.7%
8.2%
8.8%
7.5%
8.7%
6.3%
5.6%
6.8%
7.9%
5.5%
3.0%
4.3%
3.9%
(※上から1~18番枠)
はい。
芝の特別戦において、各馬の枠順別の勝率は上記の通りです。
▼このデータを見ればわかる通り、芝のレースでは、内枠有利が顕著になっています。
内枠の平均勝率が、8~9%あるのに対し、外枠の平均勝率は3~4%なので、倍以上も勝率が違うことになります。
やはり先程から書いている通り、芝のレースでは内枠有利と言えます。
▼では次に、同じ条件で、単勝回収率の一覧を見てみましょう。
【芝の特別戦。中央場所。枠順別・単勝回収率データ】
69(%)
61
91
87
78
60
86
108
53
74
62
65
116
152
46
132
113
73
(※上から1~18番枠)
はい。
先程は「勝率」のデータでしたが、今回は「単勝回収率」のデータになります。
▼このデータを見ると、内枠よりも外枠の単勝回収率が高いのが分かります。
重賞レースでは、やや内枠の方が回収率が高かったんですが、特別戦では、外枠の回収率が高くなっています。
芝のレースでは、明らかに内枠が有利なのに、なぜ回収率では外枠の方が高いのか?
▼これが先ほどから書いている、オッズのマジックですね。
芝のレースでは、完全に内枠有利だけれども、それはみんな知っているので、内枠の馬は馬券がよく売れる。
その結果、内枠の馬はオッズが下がってしまい、回収率も下がるわけです。
ただし、内枠の馬は、的中率は高いということになります。
▼このことを証明するデータを、もうひとつ見てみましょう。
【芝の特別戦。中央場所。枠順別・平均オッズ】
43.5(倍)
42.7
50.0
46.9
45.4
46.0
44.8
50.7
51.1
59.6
60.2
64.6
70.2
65.3
67.2
77.4
77.7
93.1
(※上から1~18番枠)
はい。
枠順別の「平均単勝オッズ」は上記の通りです。
▼このデータを見れば一目瞭然ですが、外枠になればなるほど、オッズが高くなっているのがわかります。
つまり、外枠の馬は、あまり馬券が売れない。
なので期待値が上昇し、不利な外枠でも回収率は高くなるという矛盾状態になるわけですね。
ただし外枠は、回収率は高めでも、的中率は低くなります。
▼▼さて、ここまでは芝の特別戦についてのデータを見てきました。
では次に、ダートの特別戦のデータを見てみましょう。
【ダートの特別戦。中央4場。枠順別・勝率データ】2019~2022年
6.0%
6.7%
8.2%
6.5%
6.9%
8.2%
7.4%
7.8%
5.9%
5.2%
5.7%
7.0%
7.2%
5.1%
7.1%
6.5%
(※上から1~16番枠)
はい。
ダートの特別戦では、内枠も外枠も勝率にそれほどの差異はないことがわかります。
このことから、ダートの特別戦においては、あまり枠順による有利不利はないと考えられます。
▼では次に、単勝回収率のデータを見てみましょう。
【ダートの特別戦。中央4場。枠順別・単勝回収率データ】
44(%)
86
60
57
71
78
85
75
41
89
37
76
70
66
116
143
(※上から1~16番枠)
はい。
単勝回収率のデータを見てみると、外枠の方がやや回収率が高めになっていることがわかります。
特に、15番枠と16番枠の単勝回収率がかなり高くなっています。
これはどういうことか?
▼15番枠と16番枠について、詳細にデータ分析していくと、「平均配当」が高くなっていることがわかります。
つまり、ダートの特別戦において、15番枠と16番枠の馬は、単勝の平均配当が高い、つまり大穴の激走が多いということがわかるわけです。
ダートの特別戦では、15番枠と16番枠の極端な外枠に入った馬は、人気薄で激走する傾向にあるということですね。
▼ちなみに、ダートの特別戦で、「単勝平均オッズ」を見てみると、やや外枠の方がオッズが高いくらいで、それほど大きな違いはありません。
芝のレースでは、極端に内枠の方が馬券が売れたんですが、ダートでは極端に内枠が売るという事はない。
勝率のデータからもわかりますが、ダートの特別戦では、それほど枠順による差異は見受けられないということになります。
▼したがって、ダートの特別戦で儲かる枠順は、「15番枠と16番枠の人気薄」ということになる。
ダートの特別戦で、15番枠と16番枠に狙えそうな人気薄がいた時は、ヒモに入れておくと、定期的に穴馬券が引っかかると思います。